手練れの小品
新しい人生のはじめかた - ダスティン・ホフマン(出演),エマ・トンプソン(出演),ジョエル・ホプキンス(監督)
大人の恋愛の小品ですが,まあ,脚本が良くできているのと,配役がベテラン揃いということで,全く安心して観ていられる映画です.
ダスティン・ホフマンも年をとったなぁと思いますが,しかしこのシナリオの役としてはまだまだ若く見えます.エマ・トンプソンはまあ適役かな?しかし.背丈の差はいかんともしがたく,ラストシーンでエマ・トンプソンがハイヒールを脱いでしまうのは,ダスティン・ホフマンの共演女優としてはある意味おきまりなのかもしれません.
ダスティン・ホフマンについては,もう何も言うことは無いと思いますが,エマ・トンプソンは,私にとっては "日の名残り" で出会った女優ということになります.アンソニー・ホプキンスと共演し,彼の圧倒的な存在感に潰されることなく役を演じきったのは見事.この作品では,特に華を演じることは無いのですが,しかし大人の女性の苦悩と希望を見事に表現しているということは評価されるべきでしょう.恋愛を諦めるべきか,それともまだ機会はあるか,実に悩ましい年頃の心理を見事に演じています.
冒頭,ダスティン・ホフマン自身がピアノを弾くシーンがありますが,彼のセリフの中で "ジャス・ピアニストになりたかった" というのは,本人の若いころの希望だった洒落が効いています.
スタッフ・ロールを見始めるとすぐに,とても素敵なエピソードが見られるのですが,これもほぼお約束のプロットと言ってよいでしょう.そのための伏線が映画の前半に仕掛けられています.
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