追い風340km/h!
今週は東南アジアに出張してきたのですが,この季節は日本上空のジェット気流が強まる時期です.日本から南西に向かう場合には強い向かい風に逆らって,逆に南西方面から日本に向かう場合には強い追い風に乗って飛ぶことになります.
出発した週初めの向かい風は最も強い日本上空で 200 km/h ほど.これでは対地速度はせいぜい 700 km/h 台どまりなので,飛行機はなかなか日本から遠ざかることが出来ません.台湾を過ぎたあたりでようやく向かい風が弱まり,まともな巡航速度を出せるようになりました.
もっとすごかったのは昨日の帰国時.沖縄を過ぎたあたりから追い風がどんどん強まり,ピーク時には 340 km/h というとんでもない速度に達しました.これは秒速でも 94 m/s という値になるので,この分飛行機の速度はゲタをはけることになります.そのおかげで対地速度は一時 1,200 km/h を越えました.これで日本列島を一気に北上することが出来たのは言うまでもありません.
ちなみに,このときの対気速度は約 240 m/s となるのですが,飛行高度は常時 12,500 m の対流圏界面だったので,そこの音速約 295 m/s を考えると亜音速と遷音速の境界くらい,十分に設計速度範囲に入っていると思われます.なーんだ興奮して損した.
このような気象条件が航空機の運航条件に重大な影響を及ぼすのは言うまでもありません.従って,航空会社は航空気象情報を入手し,綿密なフライトプランを立てているはずです.軍隊にとってはさらに重要なので,どの軍隊も気象観測・予報の専門部隊を持っているのが普通です.
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