Ron Block 久々のアルバム
Walking Song [Import] - Ron Block
もう音楽アルバムのレビューを久しくサボっているのですが,音楽を聴いていないわけでも,アルバムを買っていないわけでもないのです.しかし何というか,以前のようにワクワクしながら新しいアルバムのレビューを書くという気分になれないのです.倦怠期ですかね?
さて,Ron Block といえば知る人ぞ知る AKUS のバンジョーやギターの顔であり,かつ非常に優れたソングライターです.だいぶ前になりますが,このブログでもソロアルバムを紹介しています(*1 *2).特に,最初に紹介したアルバムは今でもニューグラスの金字塔と言える出来です.このような人が地味に埋もれているのは本当にもったいない.
で,今回のアルバムですが,前作でブルーグラスからやや距離を置くような路線を試したのですが,今回のアルバムでは再びブルーグラスに回帰.曲のほとんどは自らの作曲.詩を書いたのはアメリカの女性詩人 Rebecca Reynolds という人らしいですが,とにかく Ron Block の曲作りの才能を改めて見せつけられるアルバムに仕上がっています.
ライナーノーツを読むとびっくりするのですが,ブルーグラスのスターたちが多く共演しています.あれ?このフィドルはひょっとして,と思って確かめると Stuart Duncan だったり,このハーモニー・ヴォーカルはやっぱり,と思って確かめると Alison Krauss だったりします.さらに AKUS のメンバーは総出演.AKUS は互いのアルバムに脇役で参加する場合が非常に多いのですが,それも Alison Krauss のようなスーパースターが地味に入るところがブルーグラスらしくて非常に好ましく感じます.大御所 Dolly Parton が多数のブルーグラス女性歌手のアルバムにひっそりとハーモニー・ヴォーカルで入ったりしていますから,これは業界全体の傾向なのでしょう.
第1曲は非常に美しい曲で冒頭から引き込まれます.Kate Rusby とのデュエット.第5曲も非常に素晴らしい曲であり,かつ Ron Block らしい曲だと言っても良いと思います.これも Kate Rusby とのデュエット.この人の歌声は素晴らしいですね.今度アルバムを買ってみましょう.第6曲は AKUS にアルバムに入っていたとしてもまったく違和感のない曲で,Alison Krauss がハーモニー・ヴォーカルを務めています.
特筆すべきは第9曲.ライナー・ノーツを読むまで気が付かなったのですが,なんと,Sierra Hull がマンドリンを弾いています.ハーモニー・ヴォーカルは AKUS の仲間 Dan Tyminski です.豪華ですね.曲相も非常に Ron らしくて良いです.第11曲にはドブロの Jerry Douglas が登場しますが,曲が美しすぎてドブロの泣きが十分に生かせなかったのが残念.
これ以外にも素晴らしい曲がひしめいています.とにかく,現在のブルーグラスの水準を図る指標としても聴いておくべきアルバム.ぜひお試しください.
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