« 2014年11月 | トップページ | 2015年1月 »

2014年12月

2014/12/28

冬陽の夕

今年もいよいよ押し詰まって,あと3日ほどで大晦日です.今年は11月が比較的暖かくて雨が多かったのですが,12月に入って大陸から寒波が押し寄せることが多くなり,日本海側は繰り返し大雪に見舞われ,太平洋側ですら例年よりずっと寒い日々が続いています.

しかし太平洋側は冬晴れの日が多く,寒いながらも抜けるような青空に恵まれる日が多いので,気分としては悪くありません.このところの原油安で灯油の値段が下がっているのも朗報です.

タイトルの “冬陽„ とはこのような関東地方の冬を表わす私の造語です.昨日の夕方はまさにそのような光景でした.自宅下の田んぼに浅い角度で夕日が当たり,枯れた二番穂の列が輝いていたので,思わず撮ったのが下の写真です.

Winterhome_dec2014_0002m

実は数年前にケーブルテレビの電線が視界の真ん中に来るように張られてしまい,この写真にもどーんと映り込んでいたのですが,Photoshopレタッチしてうまく消すことができました.ただしよく見ると消した痕跡が見え見えなので,もう少しうまくできないものか研究したいと思います.

皆さん良い年をお迎えください.

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014/12/21

ベニスを見て死ね

ナポリを見て死ね” と誰が言ったのかわかりませんが,私は “ベニスを見て死ね” と言っても良いように思います.“ベニスに死す” というヴィスコンティの映画をじっくり見ると,金持ち階級のベニスの楽しみ方がよくわかるのですが,私のような貧乏な旅行者だとどのような楽しみ方ができるのか試してみたいと思っていました.そこへ最近ひょんなことからベニスを訪れる機会があったので,いくつかの写真と街歩きの体験を書いてみたいと思います.

Venezia_dec2014_0021m

まずベニスは島です.それも大きな運河に分断された二つの島から成っています.全体としては魚の体のように見えるので,観光名所のなになには魚の頭や腹や尻尾にあるというような言い方をします.ただし本土とは長い橋でつながっており,鉄道も来ていて大きな駅があります.ここで言い訳をしておくと,“ベニスに死す” の舞台となったのはこの島のすぐ南にある細長い島 “リード島” です.

自動車も鉄道も島の入り口までしか入ることができません.島の中には膨大な数のホテルやレストランや商店があるのですが,いったん島の中に入ると運搬手段は船か人力しかありません.島の中には大小無数の水路があるので,物流の大半は船に頼っているようですが,最終的に路地の中の一軒一軒に物を届けるのは人力です.従って早朝のごみ集めも人が荷車を曳いてやっていました.

Venezia_dec2014_0030m

朝の島の入り口は通勤ラッシュの人の波です.バスや鉄道,はたまたフェリーボートから人々が降りては徒歩で島の内部に向かいます.ホテル,レストラン,商店などの人たちです.これが結構な数なのでまず圧倒されます.荷物を運ぶ船も非常に活発に動き回っています.

Venezia_dec2014_0026m

全く偶然ですが,棺を船に乗せて運ぶ姿を見かけました.島の中に墓地があるのでしょうか?非常に画になるので,失礼かとは思いながら遠くから写真に撮らせていただきました.これくらい物流が船に依っていることの証しだと思います.江戸の街もかくありなんという感じです.

観光地として最も有名なサン・マルコ広場は,魚のおなかの尻尾に近い部分にあるので,入口からはかなりの距離があります.私は島の入り口からフェリーに乗って行ったのですが,帰途は歩いてみました.小さな島なので,サンマルコ広場から島の入り口まで,経路に通じていて急げば30分もかからないと思います.路地の辻ごとに “島の入り口のローマ広場はあっち” という標識があるので,初心者でも道に迷うことはありません.

Venezia_dec2014_0060m

Venezia_dec2014_0051m

大小無数の水路こそがベニスをベニスにしているのだと思います.水路はそれぞれに個性があり,それぞれが独特の景色を見せてくれます.また水路は文字通り “水の路地” なので,時刻とともに光の当たり方がどんどん変わり,それが水路の表情に変化を与えてくれます.時間に余裕があれば,朝から夕方までたっぷりと時間をかけて水路散策をしてみることをお勧めします.疲れたらいくらでも休憩できるカフェやレストランがあり,しかも観光地にありがちなぼったくり価格を取られることは非常に稀だと思います.

Venezia_dec2014_0037m

Venezia_dec2014_0105m

Venezia_dec2014_0121m

Venezia_dec2014_0046m

水路に似合うのはゴンドラですが,このゴンドラ,姿かたちはすべて同じ.黒光りした船体に真紅の豪華シートが実によく似合います.ただし私が訪れたのは12月のオフシーズンだったので,舫い綱を解かれていないゴンドラが青いシートをかぶって多数停泊していました.ゴンドラに乗って楽しんでいるのはほとんど中国人観光客だったのが,最近の風潮を象徴しています.

Venezia_dec2014_0049m

Venezia_dec2014_0064m

Venezia_dec2014_0073m

寒いさなかの2月末にカーニバル祭が行われ,この時は島に人があふれるようです.しかし,このカーニバルは仮装して参加するのが原則.そのためあってか,島の路地という路地に必ずあるのが仮面の専門店.仮面だけ売ってどうやって商売が成り立つのか不思議なのですが,とにかくおびただしい数のお店があります.価格は結構手頃で,観光客が思い付きで買うことができる価格です.

Venezia_dec2014_0093m

私は非常に短い滞在時間で駆け足で島を歩き回っただけなのですが,時間に余裕があれば1週間ほどをかけて,島の様々な表情を見てみたいと思います.写真の題材は膨大にあるので,おそらく後で整理に困るほどのショットが撮れるのだと思いますが,それにふさわしい景色がそこここにあることは保証できます.映画 “ベニスに死す” でヴィスコンティが見せてくれた圧倒的な映像美は,実は写実であった,ということが今回の最大の発見だったなぁ.

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014/12/06

最後の紅葉

先週ポストした紅葉の続きです.追加で何枚かの写真をポストします.

Hoyodai_nov2014_0018m

昨日から強い寒波が押し寄せ,かつ日本海の水温が例年よりも高いために,大量の雪が日本海側に降り続いています.当地でも今朝は真っ白に霜が降り,一日中気温は低めでした.それでも太平洋側の平地なので一日中快晴が続き,強い日差しが降り注ぎました.明日は今日よりもさらに気温は下がるようですが日差しには恵まれるはずで,とてもありがたいことだと思います.

Hoyodai_nov2014_0031m

当地での紅葉はこの週末が見納めだと思います.

Hoyodai_nov2014_0056m

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014/12/01

住宅地の太陽光発電所

私の住む団地の中に,何と二か所も太陽光発電所が建設されてしまいました.それもこれも,FIT という政策のお落とし子なのですが,そのうち一か所はかなり広い家庭菜園だったものを地主が用途変更したもの.もう一か所は斜面の雑木林だったものを,これも地主が用途変更したものです.

Hoyodai_nov2014_0003m

前者は,1,400坪ほどの平坦な土地を細かく区切って近隣の住民が家庭菜園として長年利用してきたものだったのですが,地主が FIT で高収益を得ようと考えたのでしょうか?ある日を境に家庭菜園は無くなり,地面には砕石が敷き詰められ,Canadian Solar (実は中国)製の PV パネルが整然と並べられ,間もなくすると PCS も設置されて系統連系用の電力計柱上変圧器とつながれるのだろうと思います.

後者はもともとは手入れが行き届かない荒れた雑木林だったものですが,こちらも FIT が動機となったのでしょう,斜面はパネルで埋め尽くされ,すでに発電が開始されています.

このような変化をどう考えればよいのか悩むところですが,少なくとも景観は台無しです.殺風景この上ありません.また PV パネルは光をよく反射するので,場所によってはパネルで反射された日光がまぶしく感じることがあるかもしれません.

これまで家庭菜園や雑木林だった場所の植生を文字通り根こそぎ剥ぎとって建設されているので,その分,温度や湿度の緩和効果が失われていることは確実ですし,土壌の劣化も確実に進むことでしょう.まあ,中にはやぶ蚊やその他の害虫が住めなくなって良かったと思う向きがあるかもしれませんが.

ソーラー発電所なので,もちろん昼間は電気を生み出し,その分,火力発電所で燃やす化石燃料とそれから発生する CO2 は減るのですから,環境上のメリットは確かにあります.しかし,それによって失われたものとの差引勘定はどうなるかというと,これは一概には言えないでしょう.

特に,雑木林や農地を用途変更して太陽光発電所に転換する場合には,環境上の目に見えない恩恵,いまだ把握・理解されていないがあり得る恩恵をよく考慮に入れる必要があります.このあたりは環境会計が取り組まなければならない課題であり,すでにある程度研究は進んでいるのかもしれませんが,土地の私有制と用途制限との関係が十分に解決されていない現状では,実効性は望めません.

より本質的には,環境倫理学が問うように,その時々の経済合理性によって所有者が意思決定行う共時的意思決定に対して,長期的・社会的な合理性に基づく通時的意思決定が優先されなければならないのですが,これについては問題意識すら稀薄であるし,意思決定技術としても非常に困難であるため,見通しは明るくありません.

まあ,そんな小難しい理屈をこねなくとも,緑地だったところに殺風景なパネルが並んでしまったので,近隣の住民にとって気持ちの良いことではないことは確かだと思います.

| | コメント (1) | トラックバック (0)

« 2014年11月 | トップページ | 2015年1月 »