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2015年8月

2015/08/23

FIT賦課金の不公平

今月の電気料金の請求書をよく見ていたら,これまで見落としていた項目を発見し驚いてしまいました.それは “再エネ発電賦課金” というわかりにくい略語で,要するに FIT 制度によって電力会社が再生可能エネルギーを買い取る費用を最終需要者にそのまま転嫁するものです.

Electricitybill_jul2015

我が家の場合,賦課金は 437 円なので,請求金額に占める割合は 5.9% になります.我が家は家族数も少なく節電にも努めているので,真夏でもこの程度の電気料金で済んでいるのですが,これが育ち盛りの子供が二人いるような家庭だと,ひと月の電気料金はゆうに1万円を超えるはずで,それに 6% もの賦課金が加わることは決して無視できる金額ではありません.

日本で FIT が始まった時に,そのあまりに高額な買取料金に業界が色めき立つと同時に,太陽光パネルを設置して売電できる金持ちが得をして,パネルを持てない貧乏人に賦課金を払わせることの不公平を非難する意見がありましたが,こうやって毎月賦課金を払っている身になってみるとこれは確かに理不尽な制度だと感じます.何より電力会社が買い取り価格を最終需要者にパススルーして自分は痛くもかゆくもない,という事業者寄りの制度には納得ができません.地域独占と総括原価方式によってぬるま湯経営に浸かってきた電力会社こそ,二酸化炭素の排出を減らす負担を需要者と分かち合うべきです.

FIT そのものは,そのままでは導入のインセンティブが働きにくい再生可能エネルギーを社会に導入するために考え出された優れたアイデアであることは間違いありません.90年代のデンマークではこれで風力発電が非常に急速に導入されました.しかし,社会各層の負担の重みは一様ではなく,従来方式の発電事業者,送配電事業者,最終需要者のそれぞれが異なる形で負担を分かち合って再生可能エネルギーへの移行を促す制度であるべきではないかと思います.発電事業者には大規模な再生可能エネルギーの導入を促し,送配電事業者には不安定な再生可能エネルギーを受け入れられる電力網の整備を促すことも必要だからです.最終需要者だけに負担を強いても,再生可能エネルギーが経済的に持続可能なエネルギー源になるとは思われません.

ドイツではこの賦課金がすでに一世帯当たり 1,000 円を超えており,これ以上の負担は世論が受け入れないそうです.そこで太陽光発電の電気は電力網に戻して買い取るのではなく,自家消費するほうが得になる料金体系を導入しつつあるとのことですが,このような小規模の発電と蓄電への設備投資が社会全体にとって効率の良いことなのか,疑問ではあります.

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2015/08/16

ようやくスマートフォンを導入

私はモバイル通信に関してはいわゆる “Late Majority” に属するほうで,初期の試行錯誤がほぼ終わり,技術や商品が十分にこなれてから手を出すくちです.固定通信ではこれとはかなり異なっていて,ISDN もかなり早期に導入したくちですし,xDSL はすっ飛ばしていち早く光ファイバーを自宅に引き込んだりもしてきました.

内省してみると,最も直接的な動機は料金にあるように思います.初期の導入期にはかなり高額の固定料金,あるいは高率の従量料金が課されていたとしても, “Early Adoptors” はそれにめげずに新しいものに挑戦し,試行錯誤のゲームに飛び込んでいくのですが,私はケチな性質なのでそのような踏ん切りはつかないことが多いのです.

スマートフォンに関しては iPhone 発売直後に(日本では発売前)知人がアメリカから買ってきたのを見て仰天し,しばらくは欲しくて仕方がなかったのですが,月額 7,000 円ほどの固定料金を払い続けるつもりは全く無かったため,流行をしり目にじっと時が来るのを待っていました.もっとも,会社支給の携帯電話はある時点で Blackberry から iPhone に切り替えていたので,iPhone を知らないわけではありませんでしたが,業務用ですのでがんじがらめのセキュリティ対策や各種制限に縛られるものですから,楽しめる端末とは程遠いものでした.

今年になって,SIM フリーの波が本格的になり,MVNO 各社からもかなり低廉な料金体系が提案されるようになりました.それに歩調を合わせて,性能と価格のバランスの取れた SIM フリー端末が東アジアの各社から発売されるようになりました.このような条件が整い,しかもちょうどこの秋にガラケー2 年縛りの更新月が訪れる機会をとらえて,プライベートの端末をスマートフォンに切り替えることにしたのです.

まず端末ですが,当初は ASUSZen Fone 2 に決めていました.しかし店頭で手に取って操作してみると,いかにも大ぶりで私の手には余ります.また高性能なのは良いのですが,電力消費も激しいらしく,電池の持ちに関しては良い評判を聞きませんでした.

これよりもちょっと遅れて日本で発売された Huawei P8lite に目を移すと,これと言って特徴のないハードウェアなのですが基本はすべて押さえられており,薄くて手に持った感じもしっくりきます.価格も Zen Phone 2 に比べるとだいぶ安いので,この中華端末に決めてしまいました.

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次は MVNO 選びです.こちらはだいぶ難航しました.当初はいったん IIJmio に決めたのです.理由はファミリーシェアという料金プランがあること.SIM を 3 枚までもらえて,10 GB/月という十分な通信容量が得られます.しかしここで利用シーンをあれこれと考えてみると,家人と私で 10 GB/月というのは多過ぎるように思えました.当初は 3 枚目の SIM はモバイル Wi-Fi ルーターを購入して旅行中に使おうなどと思っていたのですが,モバイル Wi-Fi ルーターは結構高額ですし,レンタルで済ますことも,スマートフォン本体でテザリングすることも可能だと気付きました.

さらに,キャリアメールが無くなる代替を考えると,デフォルトでは Gmail を使うことになるのですが,すでに持っている Gmail アカウントとの使い分けや,Google クラウドの管理が面倒なので,新たに Push通知ができるシンプルなメールアカウントが欲しくなってしまいました.そのためには Microsoft ActiveSync という仕組みに対応していることが望ましく,これに対応したメールアカウントを無償で提供しているのが OCN モバイル ONE という MVNO です.実はこちらが日本のトップシェア.ただしこちらはファミリーシェアのプランはありませんので,家人と私はそれぞれが契約し,それぞれが自分の分の通信容量管理を行うことになります.

さらに,この MVNO では,IP 電話の 050 番号をもらうことができて,その月々の基本料金がタダ,かつ IP 電話で消費するパケットは月々の通信容量にカウントされないということも魅力でした.家人と私は IP 電話で話すことにすれば,これまで同様の家族割などと同じように通話をタダにできます.

ということでようやく機材とサービスの選定が終わり,家電量販店で機材を購入すると同時に SIM の契約と購入も済ませ,家に帰ってセットアップです.Android OS はこれまで全く未経験だったので,何度かつまづきました.最も苦労したのは何と電話帳の移行です.古いガラケーの電話帳を microSD カードにエクスポートし,新しいスマートフォンでインポートしたのですが,文字エンコーディングが異なっているようで文字化けの嵐.いったん PC に取り込んでエディタで UTF-8 に再エンコーディングするとうまく読んでくれることがわかりました.それでも全角カタカナになってほしいフリガナが半角カタカナになってしまったり,Google クラウドと同期しようとしてもいくつかの項目が同期されなかったりと苦労の連続です.

仕方がないので,Google クラウドとの同期はあきらめ,本体内のみで電話帳で運用することにして,その他のセットアップを完了させました.新しいメールアドレスの動作を確認し,IP 電話でも送受話ができることを確認し,さらに LINE のアカウントを作ってトークする時のための短文登録をしたりと,やることはいくらでもあるのですが,試行錯誤を含めて丸二日程度でようやくセットアップ完了です.

安いケースも調達したのですが,サイズの精度が非常に良く,色やデザインもまあまあで使っていけそうです.私のように,平日の昼間にメールチェックと LINE トークでの家人とのやり取りをする程度であれば,電池も二日くらいは十分に持ちそうです.これでしばらくは試運転をやっていくつもりです.

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2015/08/14

古代の闘技場でオペラ

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これも一昨日ポストした街の風景.何と古代ローマ時代円形闘技場です.円形闘技場とは,その中で剣闘士(Gladiator)どうし,あるいは剣闘士と猛獣を戦わせ,それを大勢の市民に見物させるというもので,古代ローマでは広く親しまれた娯楽です.従ってローマ帝国の域内はおろかその属国においても数多く建てられ,中には今でも残っているものがあるというものです.

映画 “グラディエーター” を見るとその様子がわずかにわかりますが,闘技場の地下が準備室になっており(歌舞伎でいうところの奈落),剣闘士や猛獣はそこから木製の人力エレベーターで闘技場に現れる仕掛け(歌舞伎でいうところの迫(せり))になっていたようです.これはローマ市内のコロッセオを見るとよくわかりますが,そこまで残っている闘技場はほとんど無いでしょう.

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ちょうど夏のオペラ・シーズンを迎え,二日に一度の割合で円形闘技場の中でオペラが上演されています.これを目当てにやってくる観光客が多く,空港にも巨大なポスターが掲示されていました.夕暮れ時から開場され,暗くなりはじめるころに開演します.終わるのは夜もかなり遅め.闘技場の周囲にはたくさんの大道具が無造作に置かれ,まるで何かのテーマ・パークのようでした.

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2015/08/12

橋と城壁の風景

過酷な旅の締めくくりは,楽しい街歩きのご褒美.もう何度か訪れた街なのですが,街の中をゆっくりと歩く機会は今回が初めて.ただし晴天の酷暑の下での街歩きなので,ホテルから近いところに狙いを付けて,短時間でのお散歩です.

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目指したのは,この世界遺産の古い城壁の街の中で,川にかけた橋 (Ponte di Scaligero) が城壁代わりになっている部分.川が街とその外を分ける境界になっているのですが,街側の橋の入口はお城 (Castelvecchio) になっていて,橋そのものがまるでお城の外壁のように作られています.まだ朝も早めだったので,光が斜めからあたり,城壁の影が長く伸びて写真を撮るには非常に好都合です.

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旅行かばんに忍ばせて持って行ったカメラはいつもの相棒で,小さいながらも光がたっぷりある場合には抜群の描写力を見せてくれる頼もしいやつです.今回も煉瓦の一個一個,瓦の一枚一枚を良く解像してくれ,また石壁の表面のテクスチャも非常によく描写してくれて満足でした.露出制御が保守的で,めったにシロ飛びを起こさないのも見事.レタッチが楽です.

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しばらく撮り歩いたのですが,どうにも暑くなってきたので,大勢の観光客をしり目にホテルに退散.シャワーで汗を洗い流し,シャツも洗って荷造りをし,1時間後にはチェックアウトして空港に向かいました.

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2015/08/09

3泊7日の過酷な旅

先週はタイトルの通りの旅を経験してきました.全行程7日のうち,ベッドの上で寝ることができたのはたったの3日.あとはすべて移動中に飛行機の座席で仮眠をとるという過酷なものです.しかも,今回は盛夏の時期に暑い地方ばかりを回ったので,ちょっとした自由時間に出歩くにしても,摂氏40数度という暑さに耐えながら,短時間室外に出るという細切れのものにならざるを得ませんでした.

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異国のものながら食事はまあまあのものをいただくことができたのですが,睡眠時間の不足はいかんともしがたく,帰国した日は布団に横たわるとほぼ同時に入眠してしまうほどでした.

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今回の旅の一つの収穫は日本航空の新しいエコノミークラスです.機材は 787-8 だったのですが,“新・間隔エコノミー” と謳っているだけに,確かに座席の前後はわずかながらも広がり,また足元に機器がまったく置かれていなために広々としており,これならば何とかなるかなぁ?と思えるほどです.しかし同じキャビンの “プレミアムエコノミー” の座席を見てしまうと,ああやはりこっちが良いなと思えてしまいます.

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せっかく座席が良くなったにもかかわらず,今回は睡眠不足の状態で帰国便に乗ったため,食事が終わると睡魔に襲われ,不覚ながらも数時間寝てしまいました.目が覚めて気が付くと,右ふくらはぎに鋭い痛みが.またしても深部静脈血栓ができてしまったようです.慌ててマッサージをしたり歩き回ったりしたのですが回復せず.結局これから数日間はこの痛みに付き合わなければなりません.

もう,このような旅は終わりにしたいと思いました.

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