IOC List v5.4 の変化点
先ほど IOC List v5.4 のリリースをお知らせしましたが,その内容について少々コメントします.
今回のリリースは比較的おとなしい印象で,種の追加が30種ほどあったこと以外は,亜種の廃止が数件あった程度にとどまりました.種の追加では,パプアニューギニア地方のミツユビカワセミ属 (Ceyx) Dwarf Kingfisher が10種以上も追加になっています.ちょうど戦前・戦中,旧日本軍が基地を設け,軍隊を駐屯させ,そしてアメリカと激戦を繰り広げたあたりの島々では,島ごとに多様なカワセミの種の分化が起きているようです.
今回もう一つの大きな変化点は属の異動で,これまで Puffinus に属していたハイイロミズナギドリ,ハシボソミズナギドリなど7種が,ハイイロミズナギドリ属 (Ardenna) に移りました.IOC List のコメントをそのまま引用すると,"The genus Puffinus is polyphyletic; separate pacificus, bulleri, griseus, tenuirostris, creatopus, carneipes and gravis to Ardenna (Penhallurick & Wink 2004, Christidis & Boles 2008, H&M4, SACC)"
これはかなり一大事なのですが,こういうダイナミックな異動を躊躇なく行うのが IOC List の面白いところですが,付いていくのがなかなか大変であることも確かです.
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