強烈な日差しには露出補正を
この連休は好天に恵まれ,戸外での活動が増えたことと思います.たくさん写真が撮れたという人も多いことでしょう.しかし,日差しは強烈なので,デジカメで写真を撮る際には,気を付けておいたほうが良いことがあります.
それは露出を控えめに補正すること.デジカメでの露出はカメラ任せという人がほとんどだと思いますが,カメラの露出は画面の隅々まで緻密に面倒を見てくれているとは限りません.ところどころハイライトの部分が飽和して白トビしていませんか?
RGBの三原色すべてが飽和すると白トビですが,その一部が飽和していると,彩度が若干下がった程度に見えてしまい,それに気づくことは難しいものです.いったん飽和が起きてしまうと,飽和を取り除いたり修正したりすることは不可能です.音の波形でいうと,最大レベル以上に達した波形はクリップされてしまうので,その先を推測するのは不可能だということと同じです.
下の作例は,露出補正を-0.7EVかけて色飽和を防ぎ,撮影後にレタッチで明るさとコントラストを調整したものですが,被写体の淡黄色を忠実に再現できています.しかし露出補正をかけていないと,花のハイライトの一部が色飽和を起こし,淡黄色が白っぽくなってバランスが崩れてしまうのです.
下の作例は青色で色飽和が起こりやすい被写体ですが,ここでも-0.7EVの露出補正をかけて,色飽和を防ぎ,カラーバランスが崩れるのを防いでいます.実際,Photoshopでヒスとグラムを見ながら明るさの調整を行ってみると,あとわずかに明るさを増やすだけで,青が飽和してしまうことがわかりました.それ以上に明るさを増すと,青色が飽和して青の彩度が徐々に低下するということになります.
最新のデジタルカメラでは,数万画素のセンサーを使って露出制御を行い,三原色のいずれでも飽和が起きないようにしているものもありますので,このような心配は無用かもしれませんが,それでも飽和に気を付けて露出を制御するに越したことはありません.
強烈な日差しの下のナノハナのような,特定の色の花の群落とか,特定の色の構造物とか,色飽和が起こりやすい被写体の場合には,試し撮りをしてRGB各色のヒストグラムを確認し,飽和が起きないように露出補正をかけることを心がけましょう.
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