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2018/07/07

Gentle on My Mind が出色のでき

WINDY CITY [CD] - Alison Krauss

本当に久しぶりに音楽 CD のレビューを書きたいと思います.今回は昨年発売の Alison Krauss の久々のアルバム “Windy City” です.ここ数年間は AKUS としてのアルバムを出しておらず,ファンとしては音楽性の変遷も感じられて大変気になるところではあるのですが,しかし AKUS としてのツアーは毎年精力的に行っています.スケジュールを見ると全米をくまなく回っており,非常にタイトなものです.これはものすごい負担になっていると想像します.まあ,AKUS くらいの大物になると,ミュージシャン自身は悪臭漂うツアーバスではなくて,ビジネスジェットで移動しているかもしれませんが,スタッフと機材は当然ツアーバスでの移動でしょう.アメリカのステージミュージシャン稼業は過酷ですね.

さて,このアルバムはブルーグラス色を抑え,どちらかというとカントリー・バラード風の曲が多く,ニューグラスの旗手の復活を願うファンとしてはちょっと残念.また,レーベルが Rounder ではなく Capitol に替わっています.しかし,収録された曲はいずれも素晴らしく,安心して聴いていられるものばかりです.録音エンジニアはまたしても Gary Paczosa のようで,これも安心できる要因の一つ.

実は私が最も気に入り,繰り返しそればかり聴いているのは第7曲に収録された少し古めのスタンダードナンバー “Gentle on My Mind” です.オリジナルは Glen Campbell でしたね.とにかく曲のアレンジが素晴らしく,この曲にはこういう魅力があったのかと再発見させられること請け合いです.特にピアノの間奏がとても素敵です.

アルバムタイトルになっている第3曲の “Windy City” と,第1曲の “Losing You” も素晴らしい曲です.これら2曲がこのアルバムの性格をよく表現していると言ってもいいくらいだと思います.Alison Krauss のヴォーカルは全く衰えを知らず,実に安定した美しさを保っています.いったいどれくらいのヴォイストレーニングや日常生活の節制を強いられているのか知る由もありませんが,とにかく天使の歌声は今も健在です.

私としては,そろそろ AKUS 本来のニューグラスのアルバムが欲しいところです.“So Long So Wrong” や “New Favorite” のような名アルバムが再びリリースされることを願っています.

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