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2020年1月

2020/01/31

白鳥の里

昨日はちょっと足を延ばして “白鳥の里” と呼ばれるところに行ってきました.ここは水田が広がる田園地帯.そこへあるとき数羽のコハクチョウが降り立ち,それを数年がかりで餌付けして多数のコハクチョウが訪れるようになり,それ以来数十年も冬季給餌が継続されているそうです.

水田の持ち主の理解はもとより,地元の白鳥を守る会の人たちの献身的な活動が,数百羽の大型水鳥の越冬を助けているわけです.日本各地に似たようなところがあり,例えば新潟県の瓢湖は有名ですが,関東地方ではおそらくこの場所が最も有名ではないでしょうか?

Inzaimotono_jan2020_0007m

稲刈り後に切り株を残さず冬季湛水してある田んぼがあり,ここが給餌をする場所のようですが,日中は二番穂が残っている周囲の田んぼで二番穂を食べたり,寝ていたりしていました.

灰色がかった頭部と黄色みの少ない嘴を持つ当歳子と思われる個体も一定割合で見られ,みにくいアヒルの子がシベリアあたりで育ってはるばる日本まで飛んできたのかと思うと,感無量です.

Inzaimotono_jan2020_0035m

コハクチョウの分類には流動的なところがあり,日本にやってくるのはコハクチョウ (Cygnus columbianus) のうちの亜種コハクチョウ (C. c. bewickii) で,たまに亜種アメリカコハクチョウ (C. c. columbianus) もいるのですが,これらをともに独立種とする意見もあります.

これは日本にやってくるヒシクイ (Anser fabalis) と似たところがあって,従来亜種ヒシクイ (A. f. serrirostris) とされているものが IOC では独立種(A. serrirostris, Tundra Bean Goose, シベリアヒシクイ(推奨和名))に変更されており,ヒシクイの亜種である亜種オオヒシクイ (A. f. middendorffii) よりも格上の扱いとなっています.

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2020/01/29

アオサギ水没

南の暖かい空気をたっぷり含んだ南岸低気圧が発達し,ここ数日日本列島を縦断していきました.おかげで当地にも昨夜はたっぷりと雨が降り,調整池の水位が 40--50 cm 上がったようです.水も茶色く濁っています.

Winteraroundhome_jan2020_0342m

そのあおりを食らったのがアオサギ.水没しています.いつもだったら長い脚を動かしながら浅いところを移動して食べ物を取っているのですが,今日は水が深いうえに濁っているので,なかなか狩りはできないのではないかと思います.

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2020/01/25

IOC List v10.1 Released

IOC World Bird List v10.1 が2020年1月25日にリリースされました.これは2020年最初のリリースで,年内にはもう1度7月ころにリリースが予定されています.前回 v9.2 のリリースが2019年6月22日だったので,今回は約7か月の更新間隔となっており,比較的長期の間隔でのリリースとなっています.感謝祭やクリスマスを挟んでいるからかもしれません.

今回収録されたのはが 40,が 250,が 2,322,現生が 10,770,絶滅種が 158,亜種が 20,005 です.これまでと同様,上目 (Superorder) の PALEOGNATHAE(古顎類)NEOGNATHAE(新顎類)や,系統群であるNEOAVES がリストの最上位の階層に載っています.


今回は日本のバーダーにとって大きな変更はありません.強いてあげると,チュウシャクシギの英名が従来の Whimbrel から Eurasian Whimbrel に変更になったことくらいです.これは,これまでチュウシャクシギ Numenius phaeopus の亜種のひとつであった N. phaeopus hudsonicus が種に昇格されて N. hudsonicus, Hudsonian Whimbrel, ハドソンチュウシャクシギ(推奨和名)となったことに伴うものだそうです.


日本のバーダーにはあまり関係ありませんが,今回はシャコの仲間のうち 16 種の英名が Francolin から Spurfowl に変更されました.ちなみに,日本でも多少関係ありそうなコモンシャコの英名は変更されず,Chinese Francolin のままです.


IOC 本家の Master List(学名と英名を収録)を編集して,Refsort/Ruby 用の辞書ファイルを作りましたので,Microsoft One Drive 上に設けた “IOC List Archive„ にアップロードしました.

この辞書ファイルの正式なエンコーディングは UTF-8 です.従って,Linux 上で使う分には問題は生じませんが,Windows 上で使う際には,入力ファイルは UTF-8 でエンコードされ(辞書ファイルと入力ファイルのエンコーディングを揃える),かつ最初の行に

#!E -*- coding: UTF-8 -*-

というおまじないを書いておかないとエンコーディングの解釈がうまくいきませんのでご注意ください.

しかし,Windows 上でのデフォルトのエンコーディングである US-ASCIIWindows-31J でも手間なく使えるように,エンコーディング指定なしの汎用 US-ASCII 版もアップしておきます.これはどのようなプラットフォームであっても,そのプラットフォームのデフォルトの Locale が無条件で US-ASCII を解釈できることを利用したものです.ただし,欧文のアクセントウムラウトを含む文字は,それらを含まない最も近い文字に置き換えられています.正版はあくまで UTF-8 なので,特に人名を含む種や,種の Authority を見るときにはご注意ください.


このオリジナル版の辞書ファイルに続いて,和名追加辞書 2 種と,IOC Master List(Excel ワークシート)の和名追加版も同時にリリースしました.和名追加辞書についても,UTF-8 でエンコードしてあるものが正版ですが,Windows などでの使い勝手を考慮して Windows-31J でエンコードしたものも同時にアップしてあります.ただし人名や地名のアクセントやウムラウトなどは,それらを含まない最も近い文字に置き換えてありますのでご注意ください.

単に種名を調べるためだけであれば,和名追加版の Master List が最も便利です.ただし長大なワークシートなので,スクロールして探すのは無理.検索メニューからジャンプするのが便利です.

和名追加版の辞書ファイルのうち,UTF-8 でエンコードしてある ioclist_v101ju.ref は,Linux などで UTF-8 でエンコードした入力ファイルをソートするときに使うことを想定しています.Linux 上で使う際には,入力ファイルの最初の行に上記のようなエンコーディング指定を書く必要はありませんが,Windows 上で使う場合には,入力ファイルは UTF-8 でエンコードされ(辞書ファイルと入力ファイルのエンコーディングを揃える),かつ入力ファイルの最初の行に

#!E -*- coding: UTF-8 -*-

というエンコーディングを指定しておく必要があります.

逆に,Windows 上で Shift-JIS や Windows-31J でエンコードされた入力ファイルを,Windows-31J でエンコードされた辞書ファイル ioclist_v101jw.ref を用いてソートする際には,入力ファイルの冒頭にエンコーディングの指定は必要ありませんが,逆にこの辞書ファイルを Linux 上で使う場合には,入力ファイルは Windows-31J でエンコードされ(辞書ファイルと入力ファイルのエンコーディングを揃える),かつ入力ファイルの冒頭に

#!E -*- coding: Windows-31J -*-

とエンコーディングを指定しておく必要があります.要するに,どのような場合でも辞書ファイルと入力ファイルのエンコーディングを揃え,かつそれぞれの入力ファイルのエンコーディング指定を冒頭に書いておくのが無難です.

これらのファイルは前述のとおり,Microsoft One Drive 上に設けた IOC List 専用のフォルダからダウンロードできます.それには,このブログ右側のコラムの最上段の “Archive„ の中の “IOC List Archive„ をクリックしてください.そうすると One Drive のフォルダに入ることができますので,あとは適当に選んでダウンロードしてください.

さて 2 年ほど前から Master List に多国語版が登場し,ちゃんと和名も載っているのですが,最近の種の分割などに対応しているようには見えず,和名の無い種もたくさんあるようです.そういう場合には,今回アップした各種辞書ファイルか,和名を追記した Master List を参照してみてください.


I am pleased to announce that I have posted reference files for Refsort/Ruby compiled directly from the latest IOC World Bird List v10.1. It contains 10,770 extant species, 158 extinct species and 20,005 subspecies, respectively. Please try it out, and enjoy its capability and speed.

Note that the reference file "ioclist_v101u.ref" is encoded in UTF-8 in order to retain all European accents and umlauts with complete fidelity as they are in the IOC Master List. Therefore, your input file should be encoded in UTF-8 as well, and should contain a magic comment on the top of the file such as;

#!E -*- coding: UTF-8 -*-

For those who want to use Refsort/Ruby in universal ASCII environments, I have posted another reference file "ioclist_v101a.ref" encoded in pure US-ASCII. Note that characters with accents and umlauts have been simplified to their nearest neighbors. So please be careful in particular when you refer to authorities of species.

I have also posted two reference files “ioclist_v101ju.ref” and “ioclist_v101jw.ref” (encoded in UTF-8 and Windows-31J, respectively) which include Japanese names. If you want to refer to Japanese names, please refer to those files. In order to sort a list properly using these reference files, you need to align the encoding of the input file to that of the reference file, and you should add a magic comment specifying the encoding of the input file in the first line of the file, such as UTF-8, US-ASCII or Windows-31J.

A master list in Excel format containing a column of Japanese names has been posted as well. This would be most convenient.

You can download an appropriate file from my area of Microsoft One Drive by clicking “IOC List Archive„.

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2020/01/20

オカヨシガモ

今日は気温が上がって3月下旬並みになり,陽射しを浴びながら速足で歩くと暑く感じました.どうも気温が上がると調整池の鳥たちが少なくなる傾向があるようで,今日は鳥影は少なめ.この調整池の常連のひとつがオカヨシガモ.♂と♀のペアのように見えるのですが,ペアになっていない個体も数羽いるようです.

Winteraroundhome_jan2020_0307m

近距離から双眼鏡で観ると,オカヨシガモの♂の胸の模様は,羽毛が複雑に重なり合って生まれているということが良くわかります.着物の江戸小紋のよう.まさに天然のテキスタイル.遠目には大変地味なカモなのですが,よく見ると大変お洒落であることがわかります.

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2020/01/19

ウメがほころんできた

今日は普段足を延ばさないようなところまで歩いて行ったので,いろいろと発見があったのですが,古い集落の片隅でウメがほころんでいるのを発見.春の兆し第1号です.

Winteraroundhome_jan2020_0264m

ここ以外では,まだウメは固いつぼみを閉ざしたままなので,ちょっとこれは早咲きの部類ですかね?きっと季節風から守られて陽だまりのようになっているからではないかと想像しています.

全体としてはようやくツバキが咲き始めたという段階なので,ウメにはちょっと早い.しかし,陽射しはずいぶんと強くなってきたと感じます.1時間ほど歩くと大量に汗をかいてしまいました.

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日光男体山が見えた

小雪がちらついてとても寒かった昨日とは打って変わって,今日は早朝から快晴に恵まれ,風も弱くて絶好の散歩日和.最近長歩きをしていないので,今日は遠出をしてみました.

自宅近くの橋の上から日光男体山が見えるポイントがあるのですが,今日は霞はかかってはいるものの,雪が付いた日光男体山が良く見えました.手前の送電線と鉄塔が邪魔なのが玉に瑕ですが,やむを得ません.当地からは直線距離で 105 km ほどあるので,この程度の展望はまあまあというところです.今日は富士山もよく見えたのですが,富士山までは約 142 km 離れています..

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山岳展望は地表近くの大気の状態に大きく左右されます.冬型の気圧配置で北西の季節風が強いと,富士山は良く見えるのですが,日光の山々は雪雲の中に隠されて全く見えなくなります.かといって冬型が緩むと,今日のように霞がかかって透明度が落ちるので見えづらくなります.しかし,ときどき日光方面が素晴らしく良くみえることもあるので,どういう条件の時に良い展望が得られるのか,少し気を付けて調べてみたいと思っています.

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2020/01/13

カワウ3兄弟,かな?

今日の散歩の後半は小さな川沿いに歩きました.昨年までは見られなかった現象ですが,川沿いの樹上にカワウのねぐらができていて,その下はカワウの糞で真っ白になっています.カワウは冬になると新たなねぐらを作ることがあると聞いていますが,きっとそれなのでしょう.

昼間でも10羽程度が木に留まっていて,ときどき飛び立ったり,どこからか戻ってきたりしています.道理で 1km ほどしか離れていない調整池にも常時数羽のカワウがいるわけです.

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ちょうど3羽が並んで留まっているところを撮ってみたのですが,3羽が同一平面内にいたわけではないので,左側の1羽には焦点が合いませんでした.背中の羽毛の模様と色彩が独特です.

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ベロ出しのアオサギ

昨日は陽射しがなくうら寒い一日だったのですが,今日はうって変わって陽射したっぷり,気温も13度まで上がって3月中旬から下旬の暖かさ.ちょっと長い距離を散歩して汗をかいてしまいました.今年は明らかに暖冬です.

近所の調整池に行ってみると今日はカモ類は少なめ.でもご常連のコブハクチョウとサギ類は顔をそろえていました.近くのヨシの茂みにアオサギがいたので写真を撮ったのですが,よく見ると長い舌が出ています.しかも嘴(くちばし)と同じオレンジ色で逆光に映えています.舌のしまい忘れですね.

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いろいろな動物で舌のしまい忘れを見かけます.代表は犬や猫ですが,鳥の中にもいるのですね.もともと舌が長いと,口の中に納まりきらず,つい外に出してしまうということがあるのでしょう.すると特に長い舌を持つキツツキ類にもその可能性がありそうですが,キツツキは頭骨を回り込むように舌を収納できるので,実際には見られないかも.

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2020/01/12

懐かしのベネット彗星

数年前に実家を整理した時に発掘した古いアルバムの中から,私が中学生の時に撮って,自分で現像・プリントしたベネット彗星の写真が出てきました.

1970年3月末ころだったと思いますが,早朝の犬の散歩に出歩いていた母から彗星が見えると教えられ,起きてみてびっくり!巨大な彗星が明け方の東の空に垂直に突っ立っていました.明るさも十分で,三脚に固定したカメラで十分に写りました.レンズはニッコールS 50mm/F1.4,フィルムはトライX,現像はパンドールだったと思います.

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明瞭なダストテイルだけではなく,うっすらとイオンテイルも写っています.

20世紀で最も明るくなった彗星の一つで,私自身最も印象深く覚えている彗星です.もうこういう彗星を見ることはないのでしょうか?

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2020/01/09

ダイサギも越冬中

自宅近くに造成された調整池には様々な水鳥が来るようになりましたが,特に冬は越冬組が増えます.最も数が多いのは現状ではコガモですが,周年で滞在しているように見えるカルガモ,コガモと同じく渡り鳥としてやってきたオカヨシガモなども群れになっています.

個体数は少ないのですが,コサギ,ダイサギ,アオサギも毎日見られる鳥です.このうちダイサギは冬になると日本にやってくる Ardea alba alba という亜種で,通称ダイダイサギ.口角の切れ込み具合がよくわかります.

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今日は散歩コースのすぐ近くで魚を狙っていましたが,私が見ている間には狩りは成功しませんでした.ちゃんとお昼ご飯にありつけたのでしょうか?

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今日は暖か

昨日は一日中冷たい雨が降り,気温が上がらず暗くて寒い一日だったのですが,夜半から北西の強風が吹いて,今日は朝から快晴.北西の風が吹いている割には気温がどんどん上がり,当地では13度くらいに達したようです.これは3月中旬から下旬の気温.

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近所の調整池でコブハクチョウが大きく羽ばたいていたのが印象的でした.水が温んでいるわけではないのでしょうが,今日は寒さに耐える必要はなかったはずです.

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2020/01/08

寒中お見舞い申し上げます

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喪中につき新年のあいさつは控えさせていただきました.本年が皆様にとって良い年でありますようお祈り申し上げます.例年通り昨年を振り返り,今年の展望について思うところを述べてみたいと思います.

昨年は引退2年目の年となりましたが,引退生活のリズムがある程度確立できたと思います.1月には失業給付の期限が切れ,各種の年金,非常勤の仕事の給料,不定期なコンサルティングの収入という収入ポートフォリオをやりくりしながら生活するようになりました.今年の後半には年金のうち確定拠出年金が期限切れとなる一方,老齢厚生年金がその穴の一部を埋めることになります.

しかし非常勤の仕事もそろそろ打ち切りとなるはずですし,コンサルティング収入はあまりに不安定で当てにはできないため,全体として収入は低位安定となっていくでしょう.現役時代に比べると大幅に少ない収入で生活していかなければならないので,支出の管理を本格的に進めなければと思っているところです.新年早々世知辛い話で申し訳ありません.


昨年のブログで何度か紹介したと思いますが,引退生活の重要な一部である「学び直し」は着実に進めています.昨年まず取り組んだのは熱力学本格的な教科書を通読し,ある程度の手ごたえを得ることができました.私は大学教養課程で学んだ熱力学がどうにも未消化で,永年悶々としていたのですが,この学び直しによって頭の中がだいぶすっきりしました.私が学んだのは現代的に再構成された公理論的な熱力学.ここ20年ほどで勃興してきた新解釈です.特筆すべきは,熱力学なのに熱を陽には扱わない点.詳しくは上記リンクのブログ記事をご覧ください.

それにしても,熱力学は物理学の中でもっと日が当てられるべき分野だと思います.複雑な森羅万象をごく少数のマクロな変数で厳密に記述することに成功した稀有な例です.相対論,量子論と同格に置くべき分野ではないかと思いますが,古臭い分野として統計力学に取って代わられていると誤解している向きも多いのではないでしょうか?

次に余勢を駆って取り組んだのは,一見無謀とも思える一般相対性理論です.これは私にとっては全く未知の分野だったのですが,初学者でも数式を一歩一歩追いながら学べるというのがウリの教科書が出版されて評判だったので,この700ページほどの本に取り組みました.テンソルやリーマン幾何学で苦しみ,最後の重力場方程式の導出にはいまだに納得がいかないものの,一般相対性理論の構成や雰囲気は十分に味わうことができました.

わかったことは,一般相対論は特殊相対論の延長線上に自然に拡張された理論であること.キーワードは等価原理と重力の4元化です.重力を遠隔力ではなく場の性質として扱うために,曲率のある時空を扱うリーマン幾何学を用いる必要があり,この微分幾何学の言語に慣れないと,読み進むことも理解することもできません.接続係数や曲率テンソルなどが次々と出てくるので,普通だとここで挫折してしまうのですが,この教科書のすごいところは,中高生の学習参考書のように懇切丁寧に数式を追えるところです.計量テンソルの中に重力などの効果が自然に埋め込まれてしまうのが美しい.

この本を読む途中で,解析力学の基礎知識が無いことに気づき,量子論への導入も兼ねて,今度は解析力学前期量子論の教科書を読み始めました.この本は理学部の教科書として使われているそうですが,独習するにはやや敷居が高く,数式の展開であちこちつまづき,ときどき Landau-Lifshitz の力学も参照しながら読み進めているところです.この分野は教養課程時代に早々に講義から脱落した分野なので,リベンジの思いを込めていますが,やはり理学部志望の頭の良い人たち向けの教科書のようで,工学部体質の私には結構つらいです.特に演習問題はハードルが高い.

とまあ,こんな具合で楽しんでいるところですが,やはり独習はつらいので,少数の仲間と輪読できないものか,Skype でも構わないので,と考えているところです.輪読の仲間を募るための SNS があってもよいように思います.誰か作ってくれないでしょうか?そういうサービスがビジネスとして成立すればなお面白いと思います.


さて,この辺りで父の介護について書かなければなりません.10年ほど前に脳梗塞を患ってから少しずつ認知症が進み,数年前に老人ホームに入居した直後は異常行動も頻発して,これはいったいどうなることかと危惧していたのですが,処方薬の効果もあってか異常行動は少なくなり,一方体力は徐々に衰えていくという状態でした.しかし昨年夏頃からは特に見当識障害がひどくなって,介護スタッフや私たちの手を焼かせるようになってきました.さらに晩秋に高熱を出して寝込み,持病の心房細動がひどくなってこのまま亡くなるのではないかと思わせたのですが,いったんは回復して食欲も戻り,デイサービスにも出かけるほどでした.

しかし12月に入って間もなく脳梗塞が再発.半身がマヒするとともに意識が戻らず,そのままの状態で1週間後に静かに息を引き取りました.この間,苦しむ様子もなく表情は穏やかなままで,老衰死に近い死にざまだったと思います.火葬と告別式を 1,000 km ほど離れた2カ所で別々に行わなければならず,骨壺の大きさと重さに閉口しながらの旅を終えて今ほっとしているところです.

ここ数年間,心身が衰えていく父と接するうち,当初はいらだちや怒りを覚えることが多かったのですが,次第にどうやったら相手のことを理解できるのか,何が不満で何に悩んであのような行動をとるのか,それを和らげるにはどうすればよいのかと思いを巡らすようになりました.そして最終的には,人間という生き物の複雑さと奥深さを悟るとともに,一人の認知症患者から多くのものを学ばせてもらったという感謝の念に気持ちが変化していきました.

次は我が身ですが,人が衰えて死を迎えるプロセスの間に,どのようなことが起こるのかをつぶさに見てきたことは大きなメリットだと思います.一種の先行体験,予行演習です.これは経験してみなければわかるものではないので,これからの人生の衰退期に生かしていきたいと思います.こういう経験をしていない人たちは,親の介護をせずに済んだと得した気分になっているかもしれませんが,それは大きな間違いです.私は大いに得をさせてもらったと父に感謝しています.


昨年は新年早々に自宅のリフォームを行った年でもありました.目的は耐震補強,窓の断熱化,外壁のサイディング化,さらに水回りの総入れ替えです.

自宅を新築したとき以来久しぶりにハウスビルダーと付き合いましたが,どうも昔に比べてサービスレベルが下がった印象があります.当初のプランに従って見積書を作り,工事をしながらその後の変更点を反映させていくのですが,変更点の現場への指示が口頭のみの場合が多く,部材の色やデザインの変更などがちゃんと伝わっているのか不安でした.施工直前になってこの色の部材は在庫切れなどと下請けから情報が上がってきたため,不本意な色で妥協せざるを得なくなるなど,元請けと現場との情報交換が旧態依然のままであることにも驚かされました.ひょっとして元請けと現場の双方が,タブレット上のアプリで進捗を確認し合うくらい進歩しているのではないか,という私の事前の期待は完全に打ち砕かれてしまいました.

極め付きは,完工して仮住まいから引っ越す当日になって,和室の畳が発注されていないことが発覚したことです.引っ越し後数日して畳屋が寸法取りにやってきて,2週間ほどしてようやく畳が入り,引っ越し荷物の仮置きが解消されました.

今後は今回のような大規模なリフォームを行うことはないと思いますが,よくよく元請けのレベルを見極めてから商談を始めなければならないと思わざるを得ませんでした.会社の規模や知名度は全く当てにならないものです.日本のサービス産業の生産性が低いことはつとに有名で,日本の「おもてなし」は素晴らしいという誤解がまかり通っていることがその証拠ですが,サービスレベルが進歩すらしてないことに暗澹たる気分にさせられました.


一昨年は尿路結石の出産を2度も(*1 *2)強いられて苦しめられたのですが,昨年は石が暴れることは一度もなく,健康面は平穏無事でした.脂質異常症の薬を飲み続けていますが,心配していた副作用などもなく,コレステロールの値は正常範囲内で落ち着いています.

しかし現役時代に比べると明らかに運動量は落ちています.通勤と仕事で社内や近隣を歩き回るだけでも毎日ゆうに 8,000 歩は歩いていたのですが,引退してからは,目標としている 6,000 歩に達するのは週に 2, 3 日ほどしかありません.特に,脈拍数を毎分 80 以上に保って連続 20 分以上歩けと医者が勧める歩き方は滅多にしなくなりました.今年は運動不足解消が一つの目標になりそうです.


趣味の写真については低調に終始しました.昨年,特に後半は天候が不順だったことと,父の介護に時間を取られることが多かったというのが言い訳ですが,単に億劫がっていたのだと思います.強いて言えば,いろいろ気にかかることがあって,気持ちに余裕がなかったということになるのでしょう.

一方,自宅近くに大きな調整池が造成され鳥たちがやって来るようになったので,被写体が豊かになってきました.私は長いレンズは持っていないのですが,機材について考え直そうかと思っているところです.また,これまでに比べると遠出をしやすくなったので,日帰り程度の遠征の頻度を上げようかとも考えています.

街歩きをしながら気に入った建物や店舗などの写真を撮ることもやりたいのですが,東京まで出かけるお金と時間を考えると,どうしても近所の散歩に傾いてしまうのが貧乏性の情けないところです.


PCのハードウェアに関しては,メインマシンのストレージを NVMeSSD に換装したくらいで,ほかに大きな変更はありません.ここ1年間はインテルの CPU の世代交代が停滞し,物量不足で価格も高止まりし,その隙をついて AMDメニーコアの CPU が勢力を伸ばしたことが大きな変化でした.しかしこれは私の買い替えサイクルからはうまく外れていたので,今年か来年,インテルの新しい世代の CPU が潤沢に出そろった時点で,メインマシンの臓物を入れ替えようと思っています.

プログラミングについては匍匐前進を続けているという状態です.辞書参照型ソーティング・フィルタである Refsort/Ruby は成熟の域に達してきており,これ以上いじらないほうがいいのではないかと思います.それを Excel から使うためのインターフェースである Refsort on Excel は改良の余地があるものの,Excel 日本語版と VBA がエンコーディングとして UTF-8 をデフォルトで使えるようになるのを待っている状態です.


今年は引退生活の3年目で内容の進化を図る年.外を出歩く機会と人との交流を増やしていきたいと思っています.皆様も健康第一でお過ごしください.どうかお元気で.

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2020/01/03

右に行くんだよ!

Winteraroundhome_jan2020_0122m

今日でお正月はおしまい.天気が良く気温も上がってきたので,昼食後に近所を散歩してきました.いつもの調整池めぐりをしていると,カワセミが出てきて道路標識の上へ.カワセミの興味は左側の調整池にあるのですが,それが標識の表示と逆方向なのが面白いところ.

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蓮華座

昨日1月2日は新年の恒例となっている大仏へのお参り.この大仏は,近年分派を繰り返した浄土真宗の一派,浄土真宗東本願寺派本山本願寺によって建設された,世界でも有数の大きさのブロンズ製大仏立像.当然,阿弥陀如来です.

周囲に畑や山林しかないという条件を考慮しても圧倒的な大きさで目立ち,近くで見るとますますその巨大さに圧倒されます.しかし表面のブロンズのパネルの仕上げは非常に精緻で滑らかであるため継ぎ目が目立たず,間近に見ても美しい造形を保っています.施工は川田工業.うまいものです.胎内には建設工事の様子を記録した写真が多数展示されています.

Ushikubuddha_jan2020_0009m

私はこの仏像の蓮華座の造形に魅せられており,毎年訪れるたびに蓮華座の写真を撮っています.見るたびに思うのは,表面のブロンズの適度な粗さが独特の風合いと質感を与えていることです.ハスの花びらと言うよりは,竜など架空の動物の体の一部のように見えるのが不思議なところです.

Ushikubuddha_jan2020_0011m

最近は仏教国の外国人観光客の来場が多く,様々な国の言葉が聞かれるようになってきました.中には大仏そっくりの顔かたちと髪の毛の人も!

Ushikubuddha_jan2020_0049m

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2020/01/02

年の初めに白い鳥を見る

Winteraroundhome_jan2020_0039m

年が明けて1月1日は午前中雲が多く,陽射しが乏しくて寒い朝だったのですが,徐々に雲が取れて暖かくなってきました.近所の調整池に行ってみると,今日も2羽のコブハクチョウが羽を休めていました.大きさやくちばしの色の濃さから,片方が♂でもう片方が♀のペアではないかと想像しています.

この池には,他にコサギダイサギアオサギカワウコガモが居着いており,ときどきオオタカがカモを狩る姿も見られます.

今シーズンはまだこの池が凍ることは無いのですが,寒さはこれからが本番なので,この2羽のコブハクチョウとほかの鳥たちが無事に冬を越せるのか,見守っていきたいと思います.

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