環境水族館を楽しみました
鳴り物入りの GoTo トラベルを利用して小旅行に行ってきました.初日は港の一角に建てられたガラス張りの水族館.環境水族館と銘打っているだけあって生態展示に大変力を入れており,水の中だけではなく岸辺の植生までもできるだけ自然に忠実に再現してあるのが特徴です.例えばマングローブ林の再現では,水中の小魚ばかりではなくシオマネキや貝なども見ることができて大変参考になりました.学芸員さんたちの発想と努力が偲ばれます.当日,園内のタッチプール周辺の植生を世話をしている学芸員のかたにお話を伺いましたが,植生を含めた環境丸ごとの再現と維持に並々ならぬ問題意識と覚悟を持っておられることに感激しました.
館内最大の水槽ではマイワシとカツオの群れを見ることができたのですが,こういう回遊性の魚を展示するのは大変難しいと改めて思いました.マイワシはともかくカツオにとってはこのような巨大な水槽でも小さすぎるのだろうと思います.またマイワシはカツオから逃れるように水面近くをかたまって泳いでおり,自然界を再現しているとは言え,マイワシに常時かかるストレスを思うと,もう少しマイワシが伸び伸びと泳ぐ姿も見たかったと思いました.
たくさん写真を撮ろうと思っていたのですが,水槽表面への写りこみが思いのほか強く,カメラを構えた自分自身が写りこんだ画を大量に作ってしまったので,ここでご紹介できるものはほとんどありません.たまたま良く撮れたものを数点載せておきます.慣れた観客の中には,特製の巨大レンズフードを水槽に押し当てて,写りこみが無いようにして撮っている人がいましたが,あれは必需品ですね.
イルカのショウなどが無いことは大変良いと思います.これは欧米の水族館や動物園ではすでに当たり前になっているのですが,日本ではまだまだイルカやアシカのショウを客寄せに使っており,それを紹介するメディアや観客も問題意識がないのが残念です.この水族館は日本で唯一 WAZA(世界動物園水族館協会)に加盟している水族館であり,世界レベルの水族館として倫理指針の認証を得るためにも必要なことだった思います.
この水族館は東日本大震災で津波の被害を受け,魚類のほとんどを失った後で再建されたのだそうです.入館者数があまり伸びていないのが気がかりですが,環境教育との接点を増やしていくのが良いのではないかと思います.
GoTo トラベルのおかげで旅費はだいぶ節約できたとともに,地域クーポンをホテルの追加費用やお土産代などに充てることができたので,大変お得な旅行ができました.
| 固定リンク | 0
「旅行・地域」カテゴリの記事
- パリ・オリンピック開会式に寄せて(2024.08.31)
- バラの花を見てきました(2024.05.15)
- 牡丹園で花を賞でる(2024.04.19)
- 嵐に残ったサクラを楽しむ(2024.04.10)
- ガソリン価格(2023.08.23)
「自然」カテゴリの記事
- 枯れ葉(2024.12.11)
- 師走入り(2024.12.01)
- 秋の顔ぶれいろいろ(2024.11.16)
- ムラサキシキブ(2024.11.15)
- ダイサギがやって来た(2024.11.04)
コメント