親しき仲にもマスクあり
昨日は年に一度の健康診断で,近隣の総合病院に併設されている健診センターで午前中を過ごしました.以前と異なっているのは,まずマスクをしていない人は病院内立ち入り禁止になっていること,さらに入口にサーモカメラが設置されており,それで入館者の体温を測っていること.
まあ当然の措置とは思いますが,日本では今回のコロナ騒ぎによって初めてこのような本格的な入退管理が始まったといってよいでしょう.ところが台湾や香港では,2003年の SARS 騒ぎのときには空港でもホテルでもデパートですらこのようにやっていたので,現地では「またか」という程度の感覚だと思います.
あの時面白いと思ったのは,香港から瞬く間にカナダのトロントに SARS が飛び火したのに比べると,日本にはほとんど感染が広がらなかったことです.当時の中華圏の人の行き来の濃淡と,トロントがいかにコスモポリタンな街であり魅力的な移住先だったかがよくわかる出来事でした.
さて,米国のドナルド・トランプ大統領が新型コロナウィルスに感染したそうです.マッチョを気取る保守未開派(これは私の造語です)の傾向として,彼とその周辺もマスクを着けることが少なかったと思いますが,その影響があったのかなかったのか?
Juraj VargaによるPixabayからの画像
欧米文化圏では,マスクをするのは医療関係者など限られた人たちのもので,顔の大半を隠すというのは自分の表情,特に笑顔を見せられなくなり,敵意や攻撃性がないことを示す社交的手段がないのは嫌だと考える傾向があります.イスラム教のブルカやチャードルなどのヒジャーブが忌避されるのも同じ理由だと思います.
ところが,欧米圏では逆にサングラスは常用されますし誰も咎めたりはしません.目こそ感情を最もよく表す顔のパーツだと思いますし,人間は白目が見えるので視線の向きもよくわかり,これを見せないことはよほど自分の感情を隠したい場合だと思うのですが,これはまあ文化の違いと言うしかないのでしょう.
いずれにせよ今日は
下着を着けるようにマスクを着けよう,親しき仲にもマスクあり
と言うべき状況だと思います.人々の意識も徐々に変わっていくと期待したいところです.
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