今シーズンも越冬しちゃった
気候の温暖化は確実に進んでいるようで,特に今年の1月後半からの気温は暖冬そのものと言ってよいでしょう.桜の開花が過去30年間の平均よりも2週間早まっているので,その傾向は顕著です.もっとも,このまま温暖化が進めば過去30年間の平均値もどんどん変化していくので,やがては今言うところの暖冬が将来の平年並みになります.これがいわゆる茹でガエルというもので,変化を見る基準を直近の過去の平均だけに置くのではなく,絶対的な基準からの変化も見ていく必要があるでしょう.
長い前置きになりましたが,散歩コースの途中に珍しい鳥がいます.ヒクイナという湿地に住む鳥で,夏鳥として飛来し,冬は西日本の暖地以南で過ごすとされていた鳥なのですが,現在では関東地方でも越冬の報告が相次いでおり,越冬地が北上しているのではないかと言われています.温暖化の影響なのか?観察眼が増えたからなのか?
私の散歩コースでは2か所で越冬していることを確認しており,うち1か所では昨シーズンに引き続き2冬目,もう1か所は過去の実績は不明ながらも少なくとも2羽が越冬中です.
ぽっちゃりした体形でひょこひょこ歩いては,土をほじっては何かを食べています.頭からお腹にかけての赤茶色と,目の虹彩が赤く趾(あしゆび)が長く大きいのが特徴的です.普段はヨシの茂みの中にいるので,なかなか見ることはできないのですが,運が良ければ採餌する姿を見ることができます.
かつては「水鶏(くひな)」と呼ばれ,源氏物語,更級日記,徒然草にもその特徴的な鳴き声が登場する鳥で,古くから日本で親しまれてきた鳥です.我が家では夏の夜によく田んぼのほうから「くひな叩く」と言われた鳴き声が聞こえます.
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