2021年4月,今月のトリ
いつの間にか4月も末.今月のトリは,毎日声を聞き姿を見ているキジです.
私の散歩コースには 3 羽のオスがそれぞれ縄張りを持っており,ある人の呼び方でそれぞれキジ A,B,C と呼んでいます.写真のキジはキジ B で,我が家に最も近い縄張りを構えているヤツです.毎日田んぼの畔をトコトコ歩いては羽根をドドドツと打ち鳴らして縄張りの維持に余念がありません.ときどきメスが近くの藪の中を歩いています.
キジの羽毛は日本の鳥にしては珍しく派手できらびやか.トサカは赤に黒い斑点で,これまたなかなかおしゃれです.日本のキジにはいくつかの亜種があるはずなのですが,亜種の地域性をあまり考慮せずに狩猟鳥として養殖・放鳥されてきたため,亜種間の交配によって遺伝子汚染が進んでいるそうです.メダカなどの淡水魚やゲンジボタルなどの昆虫でも同様の問題があります.カルガモのアヒルとの交雑(交雑個体でも外見上カルガモにしか見えない)も元はといえば人間がもたらしたものです.一方で東アジアに範囲を広げると,キジの分類学はまだ確定したものではなく,遺伝子レベルや個体群動態の研究による検討が必要なようです.
これからメスが抱卵して子育てをするのですが,草刈り作業の人間が近づいてもギリギリまで逃げないため,巻き込まれて命を落としたりケガをしたりする事故が後を絶ちません.フランスでは,広大な麦畑の真ん中に作られた猛禽の巣を,NPO がヒナごと一時的に避難させて収穫作業との両立を図るような取り組みが行われています.ドローンを使えばこのような対策が効率的に行えるのでは?と思います.
ところで当地は北アメリカプレートに潜り込んでいるフィリピン海プレートの先端部分の真上に当たるので,しばしば震源深さ 60 km 程度の,表面波を伴わない上下動だけの地震が起きます.キジは初期微動に敏感に反応し,ゴーという地鳴りすなわち初期微動が聞こえるとすぐに鳴くことがしばしばです.しかし,キジは人間が感じないような微動にも敏感に反応するという説は怪しく,私の経験では人間にも感じる程度の地鳴りがしてキジも鳴くことがほとんどです.
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