トンボの羽根の断面形
散歩の途中で見かけたシオヤトンボ.シオカラトンボに似ていますが,胴が短く寸詰まり.春先にシオカラトンボよりも早く出てくるようです.
羽根の断面をよく見ると,羽根は非常に薄く,鳥の羽根や飛行機の翼のような厚みを持ちません.しかも前縁部分がジグザグ形状になっていることがわかります.ジグザグ形状は一つには羽根のスパン方向の強度を上げるのに役立っているのだろうと考えつきます.しかし空気力学の常識からは,翼の断面形に厚みがなく,前縁部分にこんなジグザグがあるのはまずいのでは?と思うはずです.だって前縁で流れが剥離して十分な揚力が得られないでしょ?
ところが,トンボの飛行条件から得られるレイノルズ数 10^3 から 10^4 のオーダーでは,非常に薄くジグザグ形状の翼のほうが,むしろ空力特性が優れているということがわかったのです.私たちが日常的に経験する流れのレイノルズ数 10^5 から 10^6 程度の世界とは異なる流れの世界があることを明らかにしたのは,当時東京大学先端科学技術センターの河内啓二先生が率いた研究プロジェクトです.報告集は例えばこれ.
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