« 稲が育ってきた | トップページ | エゾウコギには毒があるのか? »

2021/07/13

IOC List が大変なことに!

7月10日に世界鳥類目録 IOC List v11.2 のドラフト版が公開されました.現在はすべての形式のリストのドラフト版が閲覧可能になっています.内容に重大な欠陥がなければ,おそらく7月15日には正式リリースされるだろうと思います.私は Refsort/Ruby の辞書ファイルの元データとすべく,早速マスターリストをダウンロードして辞書ファイルを作り始めました.

と,ここでアップデートの内容を精査してみてびっくり.今回は非常に大きな変化があります.特に重大なものを箇条書きで示します.

  1. ヨタカ目 (Caprimulgiformes) が4つに分割されて,新しく3つの目が作られました.すなわち,アブラヨタカ目 (Steatornithiformes)タチヨタカ目 (Nyctibiiformes)ガマグチヨタカ目 (Podargiformes) です.これらは語尾を見るとわかるようにれっきとした目です.ちなみに,アブラヨタカ目は1科,1属,1種しかない目です.
  2. 同じくアマツバメ目 (Apodiformes) が2つに分割されてズクヨタカ目 (Aegotheliformes) が新設されました.
  3. 多くの科で,属名が変更されたり,種のシーケンス(掲載順序)が変更されたりしています.
  4. 少数ではありますが英名が変更されています.特にややこしいのは,亜種が種に昇格して種が分割されるとき,古い英名が新しい種(すなわち新設された学名)に引き継がれ,新しい英名が古い種(すなわち元々ある学名)に割り当てられる場合です.このときの和名の扱いは毎回頭を悩ませるところです.

もともと,ヨタカ目とアマツバメ目は統合が構想されていたはずなのですが,それとは逆に細分化されてしまいました.ひょっとすると統合前の一過程なのかもしれません.進化系統がよくわかっていないのでこのような変更があるのだと思いますが,ズクヨタカ科の Wikipedia の記事に載っている系統樹がわかりやすくて参考になります.

以下は日本のバーダー向けの情報です.

  1. リュウキュウアオバト (Treron permagnus) がズアカアオバト (T. formosae) から独立して種に昇格しました.
  2. カモメ (Larus canus) の英名がおなじみの Mew Gull から Common Gull に変更されました.
  3. 上記カモメの一亜種であったコカモメ (L. brachyrhynchus) が種に昇格しました.いろいろと長い議論があった末のことのようです.
  4. タイワンツグミ (Turdus niveiceps, Taiwan Thrush) がハイガシラツグミ (T. poliocephalus, Island Thrush) から独立して種となりました.これに伴い和名をこのように修正することを提案します.
  5. ホントウアカヒゲ (Larvivora namiyei, Okinawa Robin) が種に昇格しました.しかし絶滅が危惧されます.
  6. リュウキュウキビタキ (Ficedula owstoni, Ryukyu Flycatcher) が種に昇格しました.

ざっと以上のような改訂内容ですが,今回は変化の量が非常に多く,特に目が新設されたり,種のシーケンスが数多く変更されているので,慣れるまでには時間がかかりそうです.

和名を追加した辞書ファイルは作成中なので,完成しだい別の記事をアップしたいと思います.

| |

« 稲が育ってきた | トップページ | エゾウコギには毒があるのか? »

自然」カテゴリの記事

科学」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 稲が育ってきた | トップページ | エゾウコギには毒があるのか? »