鳥影の自動計数(続き)
昨日ポストした記事の自己コメントに書きましたが,どうも昨日の方法では誤差が大きすぎる,もっと良い処理手続きはないものかと試行錯誤を楽しんでいます.
まず,テスト画像として百羽程度の鳥影を含む小さな領域を切り出しました.そして Photoshop のカウントツールを使って,鳥影の一つ一つに手動で番号をつけていきます.このとき 2 羽のシルエットが重なっていても,人間はそれを 2 羽と認識できるので,異なる番号を振っておきます.結果,合計 87 羽が写っていることがわかりました.
次からがいろいろな試行錯誤です.正解はわかっているので誤差がすぐに分かるところがミソです.
まず鳥影は黒いので,Photoshop のレベル補正とトーンカーブを使って,できるだけ鳥影と背景のコントラストが明確になるように調整します.
次に,自動選択ツールで鳥影を選択します.このときの許容値は試行錯誤で調整します.前処理でコントラストがうまく調整できていれば,許容値を小さくすることで背景ノイズの影響を受けにくくできる可能性が高くなります.またたくさんの鳥影を一度に自動選択したいので,隣接ピクセルのオプションは外します.一方,アンチエイリアスはかけておきます.
そうしてできた選択範囲を目視でチェックすると,この画像の場合は, 2 羽が重なっているシルエットが一つの選択範囲になっている箇所が一つ.逆に,1 羽のシルエットが 2 つに分裂して 2 個の選択範囲が作られている箇所が一つあることがわかりました.これらは互いに逆方向の誤差となります.
この状態で Photoshop にカウントさせると,上記の誤差がちょうど相殺して 87 羽という数が得られたので,まずまず合格です.
テスト画像でうまくいったので,もっと大きな画像で試行中です.昨日の記事で 2,485 羽,その後のコメントで 1,411 羽と報告した画像は,現在のところ 1,530 羽という値が得られています.ただし,選択範囲を子細にチェックすると,上に述べたように 2 羽のシルエットを 1 羽と数えているものが相当数あるので,実際にはこれの 10% 増しくらいが妥当ではないかと思います.
ノイズなどの影響は最小限に抑えられたので,重なり合うシルエットによる過小評価分をどう補正するかという問題になったと思います.しかしこれは画像ごとに異なるので,なかなか一筋縄にはいかないでしょう.
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