トンガの海底火山が大規模噴火
すでにニュースで報道されていますが,トンガの海底火山 Hunga Tonga が大規模な爆発を起こしました.下は気象衛星ひまわり 8 号の日本時間 14 時 20 分の画像です.この前後の画像を連続して見ると,衝撃波のようなものが広がっているのも見えます.ひまわり 8 号の高解像度画像はこういうときにも威力を発揮するのですね.おそらく世界各所で空振を観測できたことでしょう.
提供:情報通信研究機構 (NICT)
トンガ周辺のプレート構造は,インド・オーストラリアプレートに太平洋プレートが東側から潜り込んでいるそうなので,そのプレート境界で火山活動が起きていると思われます.日本の東北地方と似た構造です.
とりあえず日本には津波は来ないようですが,本当に心配すべきは火山灰による気象への影響です.今回の噴煙は成層圏にまで達したという報道があります.すると火山灰は長期間成層圏に滞留し地表への日射を弱めます.現在南半球は真夏ですが,これから冷夏になりはしないか?あるいは火山灰が北半球にも広がって,今年の夏季がいつもと違ったものにになるのではないか?今後の注意深い観測と予測が必要です.
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コメント
その後,状況が大きく変化しました.気象庁は当初津波の心配はないと判断しましたが,日本各地で津波の到達予想時間の遥か以前に大きな潮位変化が観測されたので,発生メカニズムはわからないまま,津波警報を発令しました.実際,岩手県と奄美大島では 1m 30cm 程度の大きな潮位変化が見られています.
ウェザーニューズの推測によれば,日本全体を 2 hPa 程度の振幅を持つ圧力波が通り過ぎて行ったことが観測されており,爆発の衝撃波が日本まで伝播する途中で,海水面を変動させ,それが長波長の潮位変化として観測されたのではないか?としています.これならば,津波よりもずっと速い伝播速度も説明がつきます.
これが事実だとすると,19世紀末のクラカタウ火山以来の現象が見られたということになり,この火山の噴火の規模が大きかったことを改めて認識させられます.
一方,火山のすぐ近くのトンガでの津波の映像が配信されていますが,こちらは大したことはありません.つまり,噴火による津波自体は小規模なものだったのです.従って,空気中を伝播する衝撃波によって大規模な潮位変化が生じたという説が説得力を持つのですが,それにしても,それを生み出すだけのエネルギーが本当に大気中に放出されたのか,今後の分析を待つ必要があります.
投稿: 俊(とし) | 2022/01/16 07:33