2022年2月
2022/02/28
2022/02/27
2022/02/26
2022/02/24
嘴を操るテクニシャン
私の散歩コースで見かけるタシギの群れは年末以来完全に居着いており,当地で冬越しをするのはこれで 2 シーズン目.住宅地の隙間の元谷津田だったところなのですが,ここだけは季節ごとに自然の営みが続いています.
泥水の中に長い嘴を突っ込んで餌を探し,無いとわかればすぐに引き抜いては次の地点に嘴を突き立てるという行動をせわしなく繰り返しています.嘴はある程度柔らかで触覚もあるようなので,それで餌となるミミズなどをまさぐっているのだろうと想像しています.
このとき,嘴を垂直にぶすっと刺すこともあり,斜めに突っ込んだり,あるいは首をひねって水平に近い角度で軟泥をすくったりもしています.まあ考えてみれば当たり前なのですが,餌を探すにはいろいろな工夫をしているということなのでしょう.
さらに,タシギの眼窩は頭の中心よりも後方上部に寄って出っ張り,眼球も飛び出し気味なので,両眼を合わせれば非常に広い視界が得られるはずで,タカなどの外敵を監視しながら餌探しをすることができるのではないかと思います.
2022/02/23
冬のスズメは群れる
ここ数日間は寒気の吹き出しで北西風が強く,雪国は豪雪で大変なことになっています.日本海には長大な距離を直線状に積乱雲が連なり,いわゆる線状収束帯を作って雷の放電が頻繁に起こります.そのとき光核反応が起こり,電子の対生成と対消滅が起きているそうです.これは本当に驚きですね.雷様ってすごい!金沢市内では各所に小型の観測装置を置いて観測が行われています.
Pixabayより転載
当地でも西風が強いのですが,今日はスズメが田んぼの際でたくさん群れていました.スズメは留鳥と思われがちですが,意外と長距離を移動しているようで,特に冬にはどこからともなく集まってきて,数百羽程度の群れを作って行動しています.
どういうわけか今日は彼らに落ち着きがなく,枯れたヨシやガマの茎に止まっていたかと思うと一斉に飛び立って別の繁みに移動することを繰り返していました.近くに数羽のモズがいたので,狙われているとでも思ったのでしょうか?
2022/02/20
2022/02/19
泥水ぶちゅぶちゅ
昨日までは北風が強く,日本海側は大雪に降られていたのですが,今日は南岸低気圧が接近中で,太平洋側で雨が降り始めています.当地も夜から雨の予報.かなりたっぷりと降るようで,お天気のモードがだいぶ春っぽくなってきました.
散歩コースの鳥たちも,繁殖羽が伸びてきたもの,雄と雌が追いかけっこなどの繁殖行動をとっているもの,雄が盛んに囀り始めているものなど,春が近づいていることを思わせます.
今日は散歩路のすぐ近くの水たまりで,コガモが泥水の中に嘴を突っ込み,ぶちゅぶちゅと食べ物をまさぐっていました.一体何を食べているのか全くわからないのですが,プランクトンなのか,小さなミミズのようなものなのか,それとも何か植物質のものなのか?
昨シーズン,コガモがこの行動をとることに気が付いて,それから注意して見ているのですが,雨水が溜まった泥水の中に嘴を入れては一心不乱に何かを食べている姿はとても健気に見えます.シベリアまで飛んで帰れるだけの栄養を付けなければならないのですから.
私がビールを飲みながら食べこぼした煎餅のかけらを,ちまちまと拾っては食べるのとはだいぶ真剣さが違いますね.
2022/02/17
真冬のウグイス
冬至から8週間ほどが経ち,日がどんどん長くなってきているのが実感できます.日中の太陽高度が高くなり,日射しも強くなり,下手をすると顔が日焼けしてしまいます.
散歩で調整池の周囲を歩くと必ず出くわすのがウグイス.ただし冬はチャッチャッと地鳴きしかしないので,これがウグイスの鳴き声と知らなければウグイスがいることに気づかない人も多いと思います.
藪の中にいてせわしなく移動しながら鳴くことが多いので,姿を捉えるのはなかなか苦労します.ましてや藪の奥で移動している姿に焦点を合わせて写真を撮るには,数を打つしかありません.この写真は真正面を向いた瞬間に運よく焦点が合った一枚.
東アジアのウグイスの分類は流動的で,日本のウグイスは現在では Horornis diphone の亜種の一つ H. d. cantans とされていますが,近縁には H. canturians や H. c. borealis などもあって,何を亜種としてどこまでを種に含めるのか,議論があるようです.
2022/02/14
雨,上がる
このところお天気のモードが変わって,南岸低気圧がちょくちょくやって来ては雨や雪を降らせるようになってきました.厳冬期から早春へ移行する途中なのかなと思いますが,気温はなかなか低いままなので,まだ春を感じるようなことはありません.それでも日照時間はだいぶ伸び,日没が目に見えて遅くなってきました.
昨日は夕方から冷たい北風を伴った雨.夜半に一時雪に変わったようですが朝方には雨に戻り,大事には至りませんでした.日中は薄日が射して気温も上昇.
散歩に出かけてみると,調整池のメンバーに特に変化はなくいつも通りでした.アオサギが枯れガマの繁みの中でじっとたたずんでいましたが,瞬膜を閉じている時間が長かった..餌はちゃんと取れているのでしょうか?ダイサギの美しい飾り羽が長くなってきましたが,アオサギも繁殖羽が伸びてきたような感じです.
2022/02/10
Refsort/Ruby v3.70 released
辞書参照型ソーティング・フィルタ Refsort/Ruby (新しいほうから *1 *2 *3 *4 *5)の改訂版 v3.70 をリリースしました.今回の改訂では,辞書ファイルや入力ファイルのエンコーディングを指定するコマンドラインオプションを新設しました.意味的にやや大きな改訂なので,サブバージョンを 0.1 上げて v3.70 としました.
少し詳しく説明します.Refsort はその生い立ちからコマンドプロンプトでの操作とフィルタとしての機能を基本にしているため,ロケール以外のエンコーディングを扱うことは例外とし,その場合には辞書ファイルや入力ファイルの先頭に埋め込みオプションでエンコーディングを指定することにしていました.
しかし Windows において Windows-31J や Shift_JIS だけでなく UTF-8 も広く使われるようになり,Excel のワークシートから直接 UTF-8 の CSV ファイルを書き出せるようにもなって,ロケールを前提にすることに無理が生じてきました.そこで扱うファイルのエンコーディングをコマンドラインオプションで指定できるようにしました.オプションの書式は “-E encoding” または “--encoding encoding” です.“encoding” に与える文字列としては,Windows-31J,Shift_JIS,UTF-8,EUC-JP などの ASCII 互換エンコーディングが可能です.
エンコーディングを指定する複数の手段の間の優先順位は,
埋め込みオプション > コマンドラインオプション > ロケール
となります.つまりロケールが何であろうと埋め込みオプションがあればそれが使用され,埋め込みオプションが無くてコマンドラインオプションがあればそれが使用され,エンコーディングに関するオプションが何も指定されていなければデフォルトのロケールが使用されるということになります.
今回の改訂によるメリットは,例えば Windows 上では,従来 UTF-8 のファイルを使うにはわざわざファイルの先頭に埋め込みオプションを書かなければならなかったのに対して,今後はコマンドラインオプションで “-E UTF-8” と指定するだけでよく,扱うファイルに破壊的変更を加える必要がなくなったということです.これは運用上大きなメリットになると期待しています.従来の手法もそのまま残してあり,今回の改訂が上位互換となる建て付けなので,移行は円滑にできるはずです.
ただし辞書ファイルに関しては従来通り埋め込みオプションを書くことを推奨します.なぜならばユーザーにエンコーディングの選択を意識させずに済むからです.
また従来と同じく,エンコーディングをどのような手段で指定しようとも,辞書ファイルと入力ファイルのエンコーディングは同一でなければなりません.これが一致していなければ Refsort はエラーを吐いて停止します.ユーザーは自分がどのエンコーディングを選択しているのか,よく意識する必要があります.
Refsort/Ruby とそれに関するコンテンツのアーカイブを Microsoft One Drive に置いています.画面右側コラムの Archive の中の Refsort/Ruby Archive をクリックしていただくと,私の OneDrive 上に設けたライブラリが開きますので,そこから過去分も含めてファイルをダウンロードすることができます. Refsort 本体の refsort.rb は refsort_v370.rb というファイル名でアップロードされていますので,ダウンロード後に refsort.rb に変更するとよいでしょう.改行コードも CR/LF になっていますので,適宜変更してお使いください.エンコーディングは US-ASCII ですので,そのままでよいでしょう.ユーザーズガイドも若干改訂されています.
2022/02/09
お久しぶりのクイナ君
明日の関東地方は南岸低気圧が接近するのと寒気が下りてくるのがうまく同期して大雪になる予想です.しかも 1 月の降雪時よりも降水量は 2 倍以上とか.ということは湿った雪が積もる上に簡単に融けてくれなさそう.覚悟が必要ですが,もう地面はカラカラに乾いているので,良いお湿りが来たと思えなくもありません.
そういう予報が出ているにしては,今日は暖かく穏やかな好天.気温も 10 度を超えたと思います.いつものように散歩に出かけましたが,後半は手袋をしていると暑く感じるほどでした.
調整池のヨシの小さな繁みでクイナを発見.この繁みで見かけるのは久しぶりです.テニスコートほどの小さな繁みなのですが,この中にはクイナが 1 羽,ヒクイナが 1 羽,そしてバンが 1, 2 羽は隠れていることがわかっています.しかし,毎回目を凝らして探すのですが,滅多にお目にかかることはできません.
今日は暖かな日射しに誘われて出てきたのかもしれません.ヒクイナよりもクイナのほうが人との距離に頓着しないように思います.たくましい趾(あしゆび)にご注目.これはヒクイナも同様です.逆光のうえにうまくハレ切りができていないので,コントラストの低い画になってしまったのが残念.
2022/02/08
ジョウビタキ三態
今朝は未明から空が雲に覆われたようで朝の冷え込みが弱かったのは良かったのですが,午前中は暗い曇り空で寒さがこたえました.しかし昼過ぎには日が射すようになり,風もなくて散歩は快適でした.
相変わらず鳥の数も種類も少ないのですが,今シーズン居着いた鳥はほぼ毎回顔を出してくれます.つまりご常連しか顔を出さない場末の居酒屋みたいなものです.下の写真は調整池の際に必ず出てくるジョウビタキの♀.いろいろなしぐさをして楽しませてくれます.
2022/02/07
タシギの警戒視線
このところ寒く乾燥した日が続いています.散歩で見かける鳥たちは数も種類も少なく,昨シーズンのような高揚感はありません.しかし毎日顔を合わせている鳥たちとは,適切な距離感が生まれてきたように思います.
タシギは休耕田の奥のほうにいることが多く,双眼鏡で丹念に探す必要があるのですが,ときどき数メートル先の水たまりで餌を探していることもあり,そういう時には急な動作を慎み,タシギを飛ばさないようにゆっくりと歩きます.
もちろん彼らは私たちから見られていることは先刻承知なのですが,餌探しに忙しいので人間に視線を向けることはほとんどありません.しかしときどきジロリとこちらに目をやって,こちらの距離と動作を見定めているように思います.
2022/02/06
久しぶりにキジと遭遇
今朝は良く冷え込み,当地の最低気温はマイナス 5 度程度.さらに日が昇るにつれて風が強くなってきて,雪雲も流れ込んでくるようになりました.
散歩に出かけてみたものの,風が強くて小鳥たちの姿はまばら.それでも一通り回ってみると,アズマネザサの藪の中にうずくまっているキジのオスを発見.ここ 2 か月ほど声を聞くだけで姿を見ていなかったので少々心配していたのですが,何とか生きているようです.
日本のキジは従来ユーラシア大陸に分布するコウライキジの一亜種 Phasianus colchicus robustipes "Kuroda, 1919" とされていたのですが,今年 10 年ぶりに改訂される予定の日本鳥類目録改訂第 8 版で独立種 P. versicolor "Vieillot, 1825" となる予定だそうです.IOC List は遅くとも 2009 年の v2.1 ですでにこの独立種説を採用していましたが,日本鳥学会もようやくこの説に従うようです.
ただし国内のキジは狩猟鳥としていろいろな系統の亜種が元々の生息域を無視して養殖・放鳥されて遺伝子汚染が進んでいるため,実態はかなりぐちゃぐちゃだという話もあります.過去の学説は再検討が必要でしょう.
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