アインシュタインの誕生日に
本日 3 月 14 日は,アルベルト・アインシュタインの誕生日.生年は 1879 年,没年は 1955 年です.彼が晩年を過ごした米国プリンストンでは,この日をパイの日としてパイを食べて祝っています.そう円周率 3.14 にかけているわけです.
と,こういう日ですが,ひな祭りの日の記事に書いたように,ロシアはウクライナへの侵攻の手を緩めていません.首都を包囲し,市街地を破壊して降伏を迫るという戦術だと思われます.私は,ウクライナとしてはそろそろ降伏を準備すべきと思います.これ以上,兵士と市民の犠牲者を増やしたり,近隣国への避難民を増やすことは得策ではないと思います.
それよりもいったん降伏して傀儡政権を作らせたのち,辛抱強くレジスタンス活動を行うべきです.ウクライナのような広大な土地で,仮に 2 万人がレジスタンスに参加すれば,ロシアはそれを取り締まるのに 10 万人以上の兵士と警察組織をウクライナ国内に維持しなければなりません.しかし経済制裁を受けているロシアにはその余力は持てないでしょう.兵士の給料が払えなくなる,さらには物資の補給もままならなくなる,現地部隊は不満を募らせ,本国でもクレムリンの中枢でプーチンの斬首(首を切り落とすのではなくチャウシェスクのように権力の座から引きずり下ろすという意味)が計画されるというシナリオです.
いや外国からの武器弾薬の補給や義勇兵が続けばまだまだ戦える,歩兵携行の対戦車ミサイル「ジャベリン」や,これも歩兵携行型の対空ミサイル「スティンガー」が威力を発揮しているではないか,という意見もあるでしょう.しかしジャベリンはミサイル一発が 2,000 万円もする大変高価な兵器なのです.スティンガーは一桁安いですがそれでも 1 発が約 400 万円.いくら効果的ではあってもこのような兵器を大量・長期に補給してくれる国などありません.
pixabay より転載
米国海兵隊のライブラリより転載
あと 10 日ほどで双方の兵力や武器弾薬は補給制約の状態におちいり,双方が手詰まりの状態に入ります.それを見越して停戦や降伏の交渉を行うのがこれからの最も重要な戦術ではないかと思います.ロシアはそうならないようにここ数日で集中的に攻撃の手を強めるかもしれませんが,ロシア軍も指揮系統に怪しいところがあるので,それができるかどうか?このあたりが戦況の分かれ目になるような気がします.
pixabay より転載
とにかく双方の犠牲者を少なく,避難民を少なく.かつてロシアがナポレオンからモスクワを守ったように,非常に地味な戦略ではありますが,ロシアの衰えを待つことが最善ではないかと思います.
| 固定リンク | 0
「経済・政治・国際」カテゴリの記事
- ガソリン価格(2023.08.23)
- HEV v.s. BEV(2022.07.05)
- DX,無謬主義,ベストエフォート(2022.06.30)
- 梅雨明けの猛暑と電力ひっ迫(2022.06.27)
- 定期的に自然のアンロックを(2022.05.19)
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- ケンローついに帰らず(2024.07.31)
- 謹賀新年 2024(2024.01.01)
- ガソリン価格(2023.08.23)
- メディアの貧困(2023.07.23)
- 深夜の漏電(2023.05.26)
コメント
ロシアの戦力に関する別の方向からの見方として,最近極東でのロシア艦船の動きが活発化していることがあげられます.
ロシアはヨーロッパでの兵力の不足を補うために,極東から陸軍の師団規模の兵力をシベリア鉄道経由でウクライナに送り込みました.つまり極東の陸上戦力は現在手薄なのです.それが気になるのか「変なことを考えるんじゃないぞ!」と海軍が威嚇して回っているのだと思われます.
この機に乗じて何かを仕掛ける国があると発想するほうが変な考えだと思うのですが,自分だったらきっとそうするから心配になるのでしょう.
ロシアでさえも兵力と弾薬の補給制約にまもなく達する,あるいはすでに達しているのは間違いないと思われます.
投稿: 俊(とし) | 2022/03/14 20:53