Photoshop と Bridge の困ったところ
今週,業界標準の画像処理ソフトウェア Adobe 社の Photoshop が v.24.0 にメジャー・ヴァージョンアップしました.だいたい秋の今ごろの恒例行事です.ソフトウェアのヴァージョンの小数点以上の部分の数字が一つ上がって新機能の提供が行われます. Photoshop のコンパニオン・ソフトウェアである画像の整理・ブラウザである Bridge も同時に v.13.0 という新版が提供されました.
ヴァージョンアップしろと通知が来たので素直に従って使い始めたのですが,これがいけません.昨年のメジャー・ヴァージョンアップのときもそうだったのですが,お約束のように重大なバグが入り込んでいます.それも新機能に関係したバグというよりも,これまで問題なく使うことができていた馴染みの機能に,バグやユーザーに不便を強いる仕様変更が入り込んでいることが多いのです.
昨年の Bridge では,画像の取り込み機能に番号付けの順序がそれまでとは逆になるという,かなり重大なバグが入り込み,これが直されるまでひと月程度かかりました.業務用のソフトウェアでこれは許しがたいことです.
今年の Bridge ではテキストサイズの選択肢がそれまでの 4 段階から 3 段階に減らされ,私の環境ではちょうどいいサイズを選べなくなってしまいました.これは作業性に強く影響するので,新しいヴァージョンはさっさとアンインストールし,古いヴァージョンを再インストールして使っています.
Photoshop においては,目玉機能のはずの「オブジェクト選択ツール」に時間がかかりすぎるというバグ(あるいは無理な仕様)が入り込んでいます.これは旧版でもさんざん指摘されていたことですが症状は一段とひどくなっており,この機能を使うたびに待ちきれなくなってタスクマネージャで Photoshop 自体を終了せざるを得ず,こちらもさっさとアンインストール.ひと月かふた月か待ってみるしかありません.これ自体は Adobe 社のエンジニアのレベルを窺い知る良い事例になっています.
Adobe ほどの大企業で,世界中に多数のユーザーがいる業界標準のソフトウェアで,なぜこのようなことが起きるのか理解しがたいことです.私の邪推では,他にライバルとなるソフトウェアがないので胡坐をかいて開発している,サブスクリプションで着実に日銭を稼げるようになったので,製品の完成度に対して気が緩んでいる,ベータテスト版を製品としてリリースし,その後 1 年かけてユーザーの力も借りてバグ出しと修正を続けているのではないか?とすら思えてきます.
社内での徹底的なテストが必要なのはもちろんですが,ユーザーコミュニティの中のパワーユーザーにもベータテストを依頼したりしているのでしょうか?多数のユーザーの中には,開発側が想定していない使い方をする人たちも少なからずいるはずで,そういう状況でバグが顕在化したり,仕様が不適切だったと分かることも多いはずです.
開発プロセスの改善が必要だと思います.
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コメント
その後11月中旬になって,Photoshop のほうは修正版 v24.0.1 がリリースされたのでインストールしてみました.今のところ大きな不具合はなく,「被写体の選択」機能もまあまあ使えるようになっています.
Bridge のほうはまだ修正版が出てこないので,旧版を使い続けて様子見しています.
投稿: 俊(とし) | 2022/11/19 08:10