自衛隊ヘリコプターの墜落原因
宮古島から陸上自衛隊の師団長の視察のために飛び立った UH-60JA Black Hawk が墜落したと思われるのに,機体や遺体が見つからないのは一種のミステリーです.自衛隊は総力を挙げて周辺海域を捜索し,ソーナーまで繰り出してサンゴ礁の海底を捜索しているそうですが,日数を経てもほとんど何の手掛かりも見つかっていません.
https://lockheedmartin.com/ より
謎です.海面から水しぶきが上がり,その後 20 分以上も黒煙が上がり続けたという目撃情報もあるのですが,レーダーから機影が消えたという時刻とは 2 時間もずれています.
私は以下のような可能性を考えてみました.
- ダウンバースト.地元漁師によるとこの地域この季節には急に風向きが変わり海が荒れる「二月風廻り(ニングヮチカジマーイ)」という現象が起こることがあるのだそうです.それを晴天ダウンバーストと解釈してみます.すると低空を飛んでいたヘリはあっという間に海面に叩きつけられて破壊されることになります.当時,付近には雹を降らすような積乱雲は無かったはずなのでこの解釈には無理がありますが,しかし高空では晴天乱流は珍しいものではありません.何らかの強い突風が吹いてヘリが墜落したと考えることは十分合理的です.
- 爆発物を仕掛けられた.次は破壊工作があったと仮定してみることです.なにしろ第 8 師団の師団長が乗っていたわけですから,破壊工作を仕掛ける側からすれば格好の獲物です.自衛隊の基地内部でこのような工作ができる余地がどれくらいあるのか部外者には全くわかりませんが,おそらく自衛隊はこの可能性も真剣に検討し捜査しているはずです.
- 機内でのいざこざ.これは可能性としては低いと思いますが,新任の師団長が張り切りすぎて,何か余計なことを言ったり大げさな身振りをしたりして,本人あるいは別の搭乗者が飛行安全に関係する何らかの装置に意図せず触れて墜落に至ったという,なんとも情けない可能性です.
- 整備不良や操縦ミス.これが意外と可能性が高いかもしれません.ヘリコプターは頻繁な整備が必要な航空機です.とくにメインローターのピッチ制御機構には入念な整備が必須です.これを怠ると重大な事故につながります.今回は師団長を乗せるということで十分な事前整備が行われていたはずですが,一般的に言ってヘリは事故率が高い航空機なので,この可能性は否定できません.
早く機体や遺体が発見され,事故原因が究明されるよう祈っています.
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