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2024年1月

2024/01/27

乏しい食べ物

寒気の流入で嵐のような風が吹き荒れた 3 日間でしたが,今日はようやく風も弱くなり,日差しの強さもあいまって温かみを感じられる一日でした.

自宅周辺の散歩コースに出かけたのですが,調整池からコガモが消えていました.常連のカルガモはいつも通り日陰で休んでいるのですが,コガモが一羽も見当たりません.オオタカでもやって来たので嫌気がさして他へ移ったか?

小さなヨシ原ではシジュウカラメジロウグイスヨシの葉鞘をめくりあげては,ビワコカタカイガラモドキというカイガラムシの一種を食べているようでした.秋の実りはもうなくなっているので,彼らの命をつなぐのはこういう食べ物しかありません.

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もう一方でそろそろ早春の花も咲き始めています.来月になれば春の便りも届いてくるはず.それまでは手近な食べ物で何とか生きながらえてほしいと思います.

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2024/01/12

脂肪を再蓄積中です

今朝は当地の今季一番の冷え込み.屋外の水栓は凍っているため,車の窓の霜を溶かすためにはお湯を使わなければなりません.しかしこの程度の冷え込みで良かった.さらに冷え込みが厳しくなると,給湯器の配管が凍ってお湯が出ないこともあります.

さて今日は遠出をして冬の水鳥を見に行きました.農業用のため池におびただしい数のカモとコハクチョウが滞在しています.おそらく夜間は周辺の田んぼに出かけて落ち穂を拾っているのだと思いますが,昼間はこのため池で休息.カモのうち圧倒的多数はオナガガモマガモも比較的多く見られます.またトモエガモが見られることも知られています.ごく少数ながらホシハジロもいました.カモは総数でいうと優に万を超えていると思いますが,ちょっと見当がつきません.コハクチョウの数は千のオーダーだと思います.

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彼らは遠くシベリアや,場合によってはアラスカからやって来たもの.出発時には体にたっぷりと脂肪を蓄えているのですが,ノンストップで飛んできたときは脂肪の大部分を使い果たしてガリガリに痩せていたはずです.また飛翔筋などのタンパク質も燃やしてエネルギーに変えます.飛行距離にもよりますが,出発時の半分程度の体重になって到着するのです.ボクサーの減量よりもはるかに厳しい.

春になると再び北へ帰るわけですが,そのためには越冬地でたっぷりと脂肪を蓄積しておかなければなりません.そのための餌が十分に取れることが越冬地の必要条件です.そしてこのため池はその条件を満たしているのでしょう.

ため池の次は田んぼの中に人為的に作られたコハクチョウの越冬地に向かいました.数十年前に飛来したコハクチョウに根気強く給餌して越冬地として定着させた所です,また田んぼを冬季湛水して鳥たちを誘引しています.コハクチョウは千羽を超える数が越冬しているのですが,水面だけではなく隣接する田んぼでも多数が羽根を休めています.

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彼らを見るたびに良く飛んできたなと思います.飛行経路上には危険がたくさん待ち構えています.低気圧,前線,捕食者,そして飛行コースの判断.繁殖地を飛び立ったうちの何%が無事に越冬地にたどり着き,それから再び何%が無事に繁殖地に帰って行けるのか?春になったら無事に繁殖地への北帰行を果たしてほしいと願わずにいられません.

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2024/01/11

寒い一日

昨日の朝は当地ではこの冬一番の冷え込みで,車にもびっしりと霜が降りていたのですが,今朝は明け方から強い北風が吹いたせいで冷え込みは弱め.霜も降りませんでした.しかし日中も日差しがなく,北風が吹き続けて寒い一日.こういう日は長い距離を散歩して体を暖めるにうってつけです.

と思って出かけたのはいいのですが,収穫には乏しい一日でした.今シーズンは北国の寒さが厳しくないらしく,冬鳥があまり下りてきていないのです.特にカモ類が少なめ.調整池の隣の耕作放棄地ではご常連のタシギを確認.どうやら居着いてくれたようで,連日5, 6羽を確認することができます.

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川に出てみるとご常連のコブハクチョウ.給餌している人がいるので人間を見るとオオバンとともに寄ってくるのですが,私が何もあげないことがわかるとそれ以上近づきませんでした.

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すぐ近くの木の上にはノスリが待機中.この木は猛禽の止まり木として人気があるようで,ノスリかオオタカが止まっていることが多いです.

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2024/01/02

大きな魚を獲りました

今日は朝から厚い雲に覆われて日差しがなく,ときどきパラパラと小雨が降るようなうら寒いお天気.おせち料理にも飽きてきたので,ラーメンを作って体を温め,それから散歩に出かけました.今日はいつもよりも大回りのロングコース.

調整池はいつものメンバー.コガモが忙しそうに餌を探していました.休耕田ではタシギを7羽確認.今シーズンの最高記録に並びました.

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しばらく住宅街を通って川に降り,コブハクチョウなどを眺めて歩いていると,常連のカンムリカイツブリに遭遇.この鳥は潜水が上手で,いったん潜るとどこに浮上してくるのかなかなか読めない忍者のような鳥です.それでも川の上流に移動していると見極めてやや上流で待ち伏せていると,出てきたかと思うと,口に大きな魚をくわえています.やりました.大物ゲットです.

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川の周囲はススキオギが冬枯れていました.

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2024/01/01

謹賀新年 2024

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明けましておめでとうございます.皆様にとって昨年はどのような一年だったでしょうか?私も昨年を振り返り,今 年の展望について思うところを書いてみたいと思います.

昨年は新型コロナウィルス SARS-CoV-2 によるパンデミック COVID-19 はようやく収まり,マスク無しでの生活が戻ってきました.ただし会議室や通勤電車の中では今でもマスクをするのがマナーとなっているようなので,外出するときにマスクは手放せません.私自身に関しては元々田舎で引退生活を続けているので,マスクをするのは病院へ行くときやスーパーマーケットへの買い出しのときくらいのもので,パンデミック時からマスク無しの生活を続けています.皆様はマスクとの付き合いはどうされていますか?

昨年は引退 6 年目でした.産総研での派遣の仕事を続けており,順調にいけば今年 4 月からの新年度も週 2 日の勤務を続けることになると思います.仕事の内容は少しずつ変化していますが,おおむね若いころからの専門分野内の仕事なので,楽しみながら働いています.難があるとすれば朝晩の通勤時に渋滞に巻き込まれることで,特に夜の車の運転はストレスの元です.田舎の道路は明るい照明が無い割には交通量が多いので,ギラギラしたライトに目を眩まされながら,歩行者や自転車がいないか注意して運転しなければなりません.特に雨が降っていると最悪です.


日課となった学び直しは,独習に限界を感じながらもよたよたと進展中です.昨年はまずちょっと変わった量子力学の教科書を読んでみました.うたい文句が「シュレーディンガー方程式を解かない量子力学の教科書」ということでちょっと期待していたのですが,残念ながらハズレ.密度行列を公理の中心において理論を組み立てていくのですが,わかっている人向けの教科書で,初学者向けではありませんでした.それでも「同時測定」の定義と意味を厳密に与えてある箇所は非常に参考になりましたし,エンタングルメントの部分も同様によかった.しかしスピンの章は説明が簡潔すぎてついて行けず,グリーソンの定理以降はわかっている人向けの簡潔な説明で,私には歯が立ちませんでした.

気を取り直して今度は以前から興味があった量子力学の諸解釈を俯瞰的に扱った本を読んでみました.こちらは厳密な論理を展開するのではなく,各種の解釈の本質的な部分を概説するものなので,比較的気軽に読み進められます.基本的な対立軸はコペンハーゲン解釈実在論的解釈です.直感的には実在論的解釈を支持したいのですが,実験結果が示すのはコペンハーゲン解釈.それを何とかなだめて実在論的解釈に引っ張ろうと多くの物理学者たちが苦闘してきたのですが,形勢はなかなか不利です.コペンハーゲン解釈は実用性の高さもあってその地位は揺らいでいません.私自身のぼんやりした感覚では,因果律の制約を取り外すことができれば,実在論的な解釈が可能になるようか気がします.過去が未来を決定するのではなく,過去も未来も互いに影響し合って現在を作っているという考え方です.因果関係は生物の意識が作る幻想ではないかと.

昨年の夏の終わりころ,ひょんなことから中生代の翼竜に興味が湧いて論文を読んでいるときに鳥の飛行を扱った教科書があることを知り,さっそく購入して読み始めました.航空学を鳥の飛行に応用したものですが,工学だけではなく,骨格や筋肉などの解剖学,筋肉の生理学などを学際的に網羅している稀有な本だということがわかりました.自分だけ読むのはもったいないと思い,日本語への翻訳を試しに始めたところ,まんまと沼にはまり込んでしまい,ヒマさえあれば読んでは翻訳という生活を続けています.このため他の物理の教科書は現在おあずけになっています.原書で 500 ページほどのかなり長い本なのでまだ半分も訳せていません.またすこし長めの訳者注も挿入しています.これは本文のわかりにくい部分を補足するのが主な目的ですが,私自身の考え方を述べる機会にもなっています.日本の出版社に出版を打診しているのですが,断られ続けています.私としては印刷製本せずに電子出版で良いと思っているので,どこかの出版社が手を差し伸べてくれないかなあ?翻訳作業では初めから LaTeX を使い,ハイパーリンクを張りまくっていますので,電子出版でなければ十分にその価値を発揮できません.まあ現実にはこのままボツになってしまう可能性が高いと思いますが,私としては今年前半までには翻訳を完成させたいと思っています.


健康面では尿路結石の再発は無し.コレステロールの値も正常値の範囲内です.平穏な一年間でした.白内障も経過観察中.進行が遅いので医者も手術しましょうとは言い出せないようです.いずれは多焦点眼内レンズを入れたいと思っているのですが.

ところで一昨年に続いて昨夏もダイエットを敢行したおかげで,秋の定期健診では体重や腹囲は正常範囲のままでした.ただし血圧が高めだったのは不本意.ダイエットのコツはわかってきたので,今年も基礎代謝が落ちる夏場には実行しようと思います.


趣味の写真については夏前に APS-C のミラーレス一眼を買ったのが変化点ですが,これに取り付ける超望遠ズームをどうしようかと迷っているうちに他のカメラに目移りしてしまい,非常に中途半端な状況に陥っています.日常的には相変わらず SONY の高倍率ズーム・デジタルカメラを使っています.年を取って腕力が衰えていると思うので,いまさら一眼用の大きく重い超望遠ズームを振り回すことができるのか?値段も高いし.非常に迷っています.

一方,昨年は良い知り合いに恵まれて,近海航路で海鳥を見ることができました.一回目は低気圧の通過後で波が荒かった三宅島航路.アホウドリ 3 種をコンプリート.帰路では東京湾内で カツオドリ の漁を見ることもできました.二回目は大洗ー苫小牧航路.これは長時間の二泊二日の船旅でしたが,クロアシアホウドリを飽きるほど見ることができましたし,カマイルカの群れにも何度か遭遇しました.ミズナギドリ類もたくさん見ましたが,識別がなかなか追いつきませんでした.今年はもう少し頻度を上げて鳥見に励みたいと思います.


PC のハードウェアを昨春に更新しました.CPU を当時最新の 13700K にして空冷で頑張っています.ただしビデオカードは取り付けていません.ここ2年ほどでハードウェアの価格が2倍ほどに上がり,とくにマザーボードの値上がりには困り果てました.昨春の更新では,ピンポイントで希望のスペックかつ安価なマザーボードが発売されたので飛びついたのですが,来年あたりに次の更新をおこなうときに,手ごろな価格でマザーボードが入手できるのか非常に不安です.冷却は空冷を堅持したいのですが,巨大なクーラーは巨大なケースを要求するので,これもどうしたものか.もういっそのこと自作は止めて,超小型のデスクトップに移行してしまうのも手かなと思い始めています.

OS に関しては Windows 11 を 1 年以上使い続けていますが,特に大きな不満はありません.気嚢や安定性は十分ですし,新旧のアプリケーションも問題なく走ります.昨年は生成 AI が爆発的にヒットして,生成 AI が作った架空の美人の写真集まで発売されたのですが,ちょっと触った限りではまだまだ完成度に難ありです.この記事の最初に年賀状の図案を載せましたが,これは実は生成 AI に作らせたものです.なかなか希望通りのものが出来なくて難儀しました.今後少しずつ改善されていくのでしょうが,質にこだわると実用化はもうちょっと先のような気がします.

昨年は仕事の上で必要になったため,とうとう Python を使い始めました.しかしライブラリの管理やパッケージへの依存度合い,またメソッドの統一感の無さなどに戸惑っています.まるで建て増し建て増しで大きくなった山あいの温泉旅館のよう.ついRuby と比べたくなるのですが,Ruby の簡潔さに比べると言葉数が多くかつパッケージごとの訛りが強いという印象です.たいていのことはパッケージからメソッドを拾ってくれば出来るようになっているところはさすがなのですが,Web 上で検索してコードの断片を切り張りするとコーディングが完成するというスタイルは好きではありません.ま,しかし仕事で必要な最小限のリテラシーは身に着けたいと思います.

翻訳に明け暮れているせいで,読書はそれ以前に読んだ本で止まっています.面白かったのは塩野七生さんのベネチアに関する本.ルネサンス著作集の中の上下 2 巻を Kindle で読みました.この政治的にも経済的にも特異な都市国家が,どのように発展し衰退していったのかおおよその感じをつかむことができたと思います.やはりアドリア海貿易から抜け出せずに強大化するオスマントルコの影響をもろに受け,大航海時代に大西洋に出ていけなかったのが致命傷だったと思います.しかし政治体制としてはなかなか良いものを持っていたのではないかとも思います.

再びベネチアを訪ねてみたいとの思いは強いし,ベネト州のおいしいプロセッコ(発砲ワイン)も飲みたいのですが,コロナ明けの観光ラッシュはすごいらしく,私のような貧乏旅行者にはなかなか近寄りがたい雰囲気です.また周辺の島々にも行ってみたい気がします.映画「ベニスに死す」の舞台となったリド島にはぜひ行ってみたいです.


昨年観た映画は本数が少なくてたったの 41 本.その中で何を上げるかというと,ジュディ・ガーランドの晩年を描いた「ジュディ 虹の彼方に」がいち推しです.あの「オズの魔法使」の主役を演じて大スターになったものの,ハリウッドに心も体も蝕まれて晩年は幸せだっとは言い難い人生を,レネー・ゼルウィガーが見事に演じました.しかも全ての歌唱シーンを吹き替え無しで彼女自身が歌っています.これは見もの聴きものです.華やかさの影にこんな悲しい物語があったなんて.芸能界あるあるの一つなのかもしれませんが,ハリウッドのいやらしさや闇の部分も垣間見た気がします.彼女のエピソードは NHK の映像の世紀でも取り上げられていました.MGM の社長から強烈なセクハラを受けていたことも.

もう一つ印象深かった映画は,ウィンストン・チャーチルの伝記映画「ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男」です.これと併せて NHK の映像の世紀でもチャーチルのことを学びましたが,非常に特異な政治家だとわかりました.一言でいうとヒットラーと対決し打ち負かすことに特化し,そのことに生きがいを感じていた政治家でした.それ以外の政策は成功したとは言い難く,今日のパレスチナの混沌もイギリスが蒔いた種で,チャーチルにも責任の一端があります.ただしヒットラーにだけは完勝した.イギリス国民は結果的にはチャーチルに感謝すべきだったのでしょう.下手にヒットラーと講和などしないで本当に良かったと.戦時に強い政治家でしたが,平時には向かず,また長期的な世界観や歴史観を持っていたかというと疑問に思います.それがよくわかる映画でした.

翻って,ロシアの侵略に対して徹底抗戦を続けているウクライナですが,いつまで人命の損失と国土の荒廃に耐えていくのか,指導者たちの胸の内はなかなか読めません.しかしチャーチルと同じくゼレンスキー氏も,結局はアメリカ頼みの抵抗を続けるしかないのが現実です.かたやロシアは僻地の低所得層を徴兵して戦場に駆り出す一方で,都市部の富裕層は今でも海外旅行三昧.どのように戦争に決着をつけるべきか,チャーチルのエピソードは参考になるのかならないのか,考え出すと悩みは尽きません.


今年は引退生活の 7 年目に入ります.旅行に出かけたり人との交流を増やしていきたいと思っています.そのためにお金も使うつもりです.生きているうちに使わねば.皆様も健康第一でお過ごしください.どうかお元気で.

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