« 春が進行中 | トップページ | ちょっと早めのお花見 »

2025/04/02

やはり名作「夜の大捜査線」

夜の大捜査線 [Blu-ray] - シドニー・ポワチエ (出演),ロッド・スタイガー (出演),ノーマン・ジュイソン (監督)

数年ぶりで観ましたが,やはり名作は名作です.出演者たちがみなとても上手い.シドニー・ポワティエの表情がインテリぶって硬いのが気になりますが,他の白人俳優たちがみないいのです.南部の黒人差別が強い地域の白人たちを非常に上手く演じています.演技指導が相当入ったのかもしれませんが,撮影が 1960 年代という公民権運動が盛り上がっていた時期だったことも影響しているのかもしれません.

役者たちをクローズアップで撮るとき,特に逆光気味のときの照明がきつめなのが今となっては気になるのですが,当時はこれが普通の撮影ルーチンだったのでしょう.「熱いトタン屋根の猫」を観るとそれがよくわかります.一方,夜のシーンはすでに高感度フィルムがあったせいか実に自然です.

この映画の中には何カ所か名シーンと呼ばれるものがあるのですが,まず最初はタイトルロールの長距離列車のシーン,次は警察署長のギレスビーがシドニー・ポワティエ演じるティッブスを駅のプラットフォームで引き留めるシーン,そして最後は帰っていくティッブスをギレスビーが駅で見送るシーンです.ギレスビー役のスタイガーの演技は素晴らしいもので,アカデミー賞の主演男優賞をとったのもうなずけます.これらのシーンから,当時はアメリカ国内でも長距離旅行は鉄道が一般的だったことがわかります.ビジネスマンが飛行機で出張するようになったのはもう少し後の時代です.

ちなみに,シドニー・ポワティエの有名な出演映画,いつも心に太陽を招かねざる客,そしてこの夜の大捜査線はすべて 1967 年の作品.これは偶然なのでしょうかね?私は中学生の時に地元の映画館で,いつも心に太陽をを観て感動したことを覚えています.

この映画の音楽はすべてクインシー・ジョーンズの作で,タイトル曲はレイ・チャールズが歌っています・・・とくると,USA for Africa が思い出されるのですが,案の定 USA for Africa の収録スタジオにはシドニー・ポワティエが招待客として顔を出していました.絆は深いのですね.

| |

« 春が進行中 | トップページ | ちょっと早めのお花見 »

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 春が進行中 | トップページ | ちょっと早めのお花見 »