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2026/07/16

趣味を撮るか?趣味で撮るか?

間もなく梅雨が明けそうな当地は連日高温多湿の空気に包まれて難儀しています.いきおいどこにも出かける気になれず,エアコンを点けた部屋に閉じこもっているので,このブログに書くようなネタもありません.それでも埋め草にとときどき思うことを書いてみました.

それは写真を撮る動機についてです.以前どこかで,

写真を撮るのは,趣味を撮るか,趣味で撮るかの二通りしかない

という名言を聞いたことがあります.これを野鳥写真に当てはめてみると,

  1. もともと野鳥を見るのが好きで,最初は双眼鏡で見るだけだったが,見た鳥を識別・記録するために写真を撮り始め,次第に超望遠レンズなどを揃えて本格的な撮影をするようになった
  2. カメラが好きで風景,人物,ペットなどいろいろな被写体を撮るうちに,野鳥を被写体として撮る楽しさに目覚め,超望遠レンズなどを揃えて本格化していった

の二通りです.前者は鳥屋と呼ばれますが,後者は写真屋と呼ばれます.

同じフィールドに両者が混在しているわけですが,珍鳥が出るとどっと繰り出してくるのは後者の人たち.安易に撮るために餌付けしたり木の枝を伐採したりするのも後者.彼らは同類が大勢で砲列を敷いても気にならないらしいのですが,前者の人たちにとってそういう場は居心地が悪く感じるはずです.ただしどんな人にも両者の性質は混在していて,その割合に濃淡があるというのが本当のところでしょう.

鉄道写真にも同じ状況が当てはまるような気がします.鉄道が趣味で写真を撮る人たちと,写真が趣味で鉄道を撮る人たちです.撮り鉄を呼ばれる人たちに占める前者と後者の比率は良くわかりませんが,悪い意味での撮り鉄はほとんど後者なのでしょう.珍鳥ならぬ珍鉄を無理して撮ろうとするのだと思います.中井精也さんは両者を超越した高みにあると言うべきでしょう.

モータースポーツの世界はどうか良くわかりませんが,航空写真に限って言うと,ほとんどの人たちは趣味で撮る人たちでしょう.ヒコーキが趣味な人たちは自分で飛ぶこと,作って飛ばすことが第一なので.航空ショーで戦闘機のデモフライトを撮っている人たちの中には,サーキットでモータースポーツを撮っている人たちもいるので,これは間違いなく動きモノを『趣味で』撮っている人たちです.

『趣味を』派も『趣味で』派も良い写真が撮れたら人に見せたくなるのは自然な感情だと思います.以前だったら雑誌の読者コンテストに応募して入選しなければ日の目を見なかったような写真が,誰でもいつでもSNSで世界中に見せられるようになった今日,この展示環境の革命が特に『趣味で』派を増やす原動力になったことは間違いありません.

私自身を振り返ってみると,子供のころは『趣味で』派でした.父親のカメラをいじくり回すのが好きで,そのうちDPEも自分でやるようになりましたが,天体観測を趣味としていたこともあって一時は天体写真の『趣味を』派に.コダックのトライXと富士フィルムのパンドールがキーワードの世界でした.しかし子供の分際では暗い夜空のある高原に車で出かけることもできず,この趣味は次第にしぼんでいきました.

大人になって野鳥を観るようになってもほとんどは双眼鏡のみ.しょぼいカメラは持っていますが,『趣味を』の範囲にとどまっています.本格化させるには重たい機材が必要なのですが,それを調達するための財力とそれを持ち歩くだけの体力は両立しないらしく,そろそろ諦めモードに入りかけています.

最近セミプロの野生動物写真家の一人に行き当たり,プリントを一枚購入して部屋に飾っていますが,やはりレベルの高い作品には感動させられます.良い作品のコレクターになるという道もあることに気付き始めました.

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