COVID-19 によって世界中でリモートワークが流行り,そのためのツールとして特に企業や教育機関などの組織で使われてきたのが Microsoft Teams.以前は Skype for Business と呼んでいたものなのですが,実はこれは長い歴史を持つ個人ユーザ用の Skype とは全く別のソフトウェアで,もともと Lync というブランドで呼ばれていた社内コミュニケーション用ツール.私も仕事で長らく使っていました. Lync 以前には Office Communicator と呼ばれていたものです.リモート会議では Zoom を使う場合も多いと思いますが,大企業ではセキュリティ上の理由で Zoom は原則禁止されていることが多く,ファイル共有を含めて Microsoft のツールを使うことが多くなっています.Microsoft の法人営業が頑張っているということなのでしょう.
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と,ここまでが前置き.現在の Teams は実は 2 つの異なるソフトウェアの総称で,一つは組織内ユーザ向けの組織用 Teams で, Skype for Business をリブランドしたもの.もう一つは個人ユーザー向けの無料のメッセージングサービスを Teams とリブランドしたもの.このいずれもが同じ Teams という名前で呼ばれ,異なるがよく似たアイコンを持っているため混同されがち.さらにややこしいことに Skype for Business は個人ユーザーが Web ブラウザ上で使うこともできます.
もっとやややこしいことに,2021 年 10 月までは, Microsoft Account を持った個人ユーザーは,個人向け Teams だけではなく,組織用 Teams を自分でインストールして利用できたのです.私もその一人でした.しかしこれは 2021 年 11 月からは利用できなくなりましたので,個人用 Teams に移行せざるを得なくなりました.
さらにさらにややこしいことに個人用 Teams には実は 2 種類あり,Microsoft Account を持っていれば無料で使える無料版と,Microsoft 365 Personal/Family という Office スイートのサブスクリプションに含まれる有料版とがあり,グループ会議の許容時間に大きな差があります.
このあたりのややこしい区別を Microsoft 自身が丁寧に解説したものは,実はありません.何と不親切なのでしょう.私はつい最近ようやく分かりやすい解説を見つけて納得することができました.そのサイトはこちら.これくらい丁寧に解説してもらいたいものです.現在私は Microsoft 365 Family のサブスクリプション契約を結んでいるので,個人用 Teams のうちの有料版を使っていることになります.同じブランディングの Microsoft 365(無印)は個人事業者や小企業向けなので,こちらは組織用 Teams が利用可能です.これも非常にややこしいですね.
私が会議を主催することはできますが,ややこしいことに,以前は個人用 Teams のユーザーとしかグループ会議を開けませんでした.最近は私が主催する会議に組織用 Teams のユーザーがログインしようとすると,自動的に個人用 Teams が立ち上がって会議に参加できるようになったそうです.
組織用 Teams のユーザーが主催する会議に個人用 Teams のユーザーが参加するときには,個人用 Teams アプリケーションでは参加できませんが,Web ブラウザから参加すれば可能ですので,ここ 1-2 年ほどは私はそうやって企業の会議に参加することが多いです.
Zoom のほうがはるかにシンプルで,個人ユーザーとしては使いやすいのですが,ファイル共有や共同編集などをやりだすと Teams の威力が発揮されるので,優劣については何とも言えません.しかしこのような複雑な仕様や制約条件を, Microsoft 自身がタイムリーに整理して説明できていないことは大問題です.
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