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2009/08/25

緊急地震速報の誤報

今朝は普通に起きたのですが,朝食を済ませ,そろそろ会社に出かけようかとしているそのときに,家人の携帯電話に緊急地震速報が入電.テレビをつけていたのですが,NHK の地上波デジタルでは衆議院選挙の政党 PR 放送が続いており,速報が入りません.民放に変えてみると,いくつかの局では緊急地震速報を流しています.NHK でも衛星第2放送では速報が流れていました.

震源は千葉県東方沖とのこと.地震の P 波S 波(地表に被害をもたらすのは厳密には主として表面波)の伝播速度の違いは2倍ほどあるので,その差を利用して警報を出す仕組みです.今回は震源までの距離が短いのでとっくに強い揺れが伝わってきているはずですが,いっこうにその気配がありません.数分経っても何事も無いのでこれは誤報だろうと判断し,いつもどおり出かけました.都営地下鉄は一時電車を止めたために遅れが出ていると電車内に運行情報が表示されていました.

その後気象庁が誤報と認めましたが,その原因はまだ不明.房総半島館山近くに設置されている地震計が異常に大きな揺れを検知したので,自動的に警報が出たようです.

マスコミは,気象庁がまた誤報を出したといって非難めいた報道をしていますが,マスコミ自体の誤報や偏向報道,重要な事実を伝えない不作為に比べればはるかにましです.本当は地震が発生していないのに発生していると警報を出す第一種の過誤は,本当は地震が発生しているのに発生していないとして警報を出さない第二種の過誤に比べるとはるかに望ましいものです.この種の誤報を完全に無くすことはあきらめるべきで,システムを常に安全側で作動させるための社会的なコストと割り切るべきでしょう.

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2009/05/19

パンデミックへの備え

前回に引き続き新型インフルエンザの話題ですが,問題はウィルスの検査法に留まりません.インフルエンザのワクチンを作るには非常に長い期間がかかります.日本ではワクチン接種が政策の影響で抑制気味であり,インフルエンザ・ワクチンの生産は商業ベースに乗らないほど少量です.すなわち生産設備の容量はわずかなものでしかありません.従って,いざ豚や鳥のインフルエンザのワクチンを大量に作ろうと思っても,全国民に行き渡るだけの量を迅速に生産することは出来ません.これで国家安全保障が成り立つのだろうかと思われるほど心もとない体制です.

アメリカでは鳥インフルエンザに備えて,プレパンデミック・ワクチンだけではなく,重症患者向けに多数の人工呼吸器が用意され,しかもそれを使用する優先順位が国民的議論を経て決定されているなど,パンデミックへの備えが進んでいます.それに比べると日本の対応は先進国とは思えないほど遅れています.鳥インフルエンザのパンデミックは確実に起こり,人口の 1% 以上が死亡するという恐ろしい警告もあります.そうなると今の経済危機とは比較にならないほどの大恐慌を世界にもたらします.

私が危惧するのは,今回の豚インフルエンザの比較的軽い症例によって,鳥インフルエンザへの対処がおろそかになってしまうということです.今回の豚インフルエンザは H1N1 亜型という型で,私たちの体の免疫機構にとってある程度馴染みがあります.しかし鳥インフルエンザは H5N1 亜型という未知の型.特に高病原性のままヒトに感染するよう変異すると,私たちの知っているインフルエンザとはかなり異なる症状となり,内臓から出血したり,重度の呼吸器障害を起こしたりと,よく誤解される "風邪の一種" では済まされません.特に若年健常者がサイトカイン・ストームというヒト免疫系の変調により重症化することが指摘されています.

そうなる前に,考えられるあらゆる備えが必要です.社会インフラを預かる電力会社やガス会社では,パンデミック時の対応計画の策定が既に始まっています.例えば社員の通勤手段の確保や会社への篭城の準備など.さすがですね.一方,わが家では昨年秋にはマスク一か月分を確保しましたが,自宅篭城に備えての食料は備蓄が全く足りません.パンデミック時には8週間の自宅篭城が必要で,しかもパンデミックの波は3回ほど起きるということです.本当にそんなことが出来るのだろうかと思いますが,マスコミが騒ぎ出してからでは売り切れて間に合わないのも確か.どの程度の備えをしておいたものか悩むところです.

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2009/05/17

PCR法が有名になった

ついに日本国内でも2009年新型インフルエンザのヒト-ヒト感染が始まったようです.これで WHOPhase 6 の発動を真剣に考えざるを得ないでしょう.今のところ鳴りを潜めている中国や東南アジアではどうなっているのでしょう?パンデミックの中心になりそうな地域なのですが,情報が出てくるのが遅いのでしょうか?メキシコみたいになってからでは手遅れなのですが.

成田空港での水際検査や,今回の神戸や大阪での確定診断で一躍有名になったのがいわゆる "遺伝子検査" です.これはウィルスの遺伝子が,確かに新型インフルエンザのものであると判断するために無くてはならない方法.これまで一般にはあまり知られていなかった検査方法です.

まず,インフルエンザウィルスの遺伝子は RNA という高分子です.これが環境中では大変分解されやすいことはあまり知られていません.私たちの唾液や汗には RNA 分解酵素が含まれており,RNA と見るとこれをウィルスと見なして攻撃・分解するよう私たちは進化してきました.この RNA を注意深く採取し,分解されないように保存して,さらに RNA の特定部位の断片について "PCR 法"や類似の方法で数桁倍ものコピーを作ります.これを遺伝子を "増幅する" と言いますが,こうやって十分に濃度を高めた遺伝子について,その配列が想定したものに合致しているかどうかを蛍光標識で調べるのです.

PCR 法は数回にわたって温度を上下させて遺伝子を増幅するのですが,これには結構な時間がかかります.また相手が RNA なので,安定な分子である DNA の遺伝子検査とは異なり,RNA を想定したバイオ・クリーンルーム,RNA を想定した機材,そして RNA に熟練した技能が要求されます.これらを全て備えた施設はそう多くは無く,市町村の保健所で RNA の遺伝子検査が出来るところは限られているはずです.そんなわけで,インフルエンザの確定診断には手間取るのです.もっと迅速に確定できる診断法の開発が望まれますね.

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2009/03/28

"舞水端里(ムスダンリ)"でアクセス急増

3日ほど前からこのブログへのアクセス数が急増しました.これまでにもたまに急増することはあったのですが,その原因を追究してアクセス数を増やそうという努力はしてきませんでした.しかし今度ばかりは気になって調べてみました.このブログサイトは普段は一日に60アクセス程度(一日にいくつの異なるIPアドレスからのアクセスがあったか,同じIPアドレスから何度アクセスしてもそれは1回と数える)です.それがいきなり300弱のアクセス数になったものですから,これはいったい何だ?ということになります.ココログのアクセス解析ページで調べてみると,アクセス数の推移は以下の通りです.

Accesslogmar20091

次にこのブログのどのページにアクセスがあったのかを調べてみたのが以下のデータです.

Accesslogmar20092

これでただちに原因は判明.念のため,どのキーワード検索でこのブログにアクセスしたのかを調べたのが以下のデータ.

Accesslogmar20093

もうこれで十分に明らかなのですが,3年前に書いた記事 "舞水端里ミサイルサイト"が検索に引っかかっていたのです.試しに Google で "舞水端里" というキーワード検索をしてみると,1位の Wikipedia の記事に次いで堂々の2位!これではアクセスが増えるのも無理ありません.3年前の記事投稿時にも多少アクセスは増えましたが,今回ほどではありませんでした.今回はミサイル発射が事前に予告され,日本のミサイル防衛網が実際に稼動しそうだという緊張感がメディアを通して繰り返し煽られているので,このキーワードに興味を持つ人が増えたのでしょう.

いずれにせよ,北朝鮮がミサイルを発射しないことと,たとえ発射したとしてもそのカケラが落ちてこないことを祈ります.日本にミサイル防衛網を売り込んだロッキード・マーチンレイセオンなどのアメリカ軍産複合体制にしても,"目一杯緊張が高まって自分たちの製品をニュース映像で露出してほしいけど,迎撃に失敗して評判を落とすと困るから実際にはミサイル発射は成功して欲しい" と思っていることでしょう.

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