文化・芸術

2016/07/18

夏の欧州は野外音楽のシーズン

先週は再び北イタリアへ行っていたのですが,もう夏休みが始まっていて,観光地はどこも大賑わい.私が滞在したのは比較的小さな世界遺産の街なのですが,街の中心部には大きな広場があり,そこで日暮れ時から野外コンサートが開催されていました.その日のオーケストラはスイスのチューリヒからやって来たそうで,そういえば乗り継ぎの空港には楽器を抱えた人もちらほらいましたっけ?

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こういう音楽や舞踏の生のコンテンツを身近に楽しめるところが欧州の良いところの一つです.歴史と文化の厚みが違います.どんなに優秀なオーディオ機材を揃えたとしても,生のコンテンツに接する機会があるのとないのとでは,その人のセンスや鑑賞眼の磨かれ方に差が出てくるのは当然でしょう.子供のころから,こういう一流の生のコンテンツに触れて育つ環境にある欧州から,一流の芸術家が多く出てくるのは必然のような気がします.

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2014/01/05

時代劇のオープンセットを見学

お正月の余興にと,近くにある時代劇撮影用のオープンセットを見学に行ってきました.

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ここは元々は時代劇テーマパークとして地元自治体が設立・運営していたのですが,赤字が続いて経営が行き詰り,どういう交渉が行われたのかは知りませんが,NHK の制作子会社である NHK エンタープライズに安価に払い下げられたものです.

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それ以降はテーマパークとしての運営は行われておらず,基本的には時代劇の撮影が行われているのですが,一般の人もわずかな料金で内部を見学することが出来ます.ただしテーマパークではないのでアトラクションやイベントのようなものは皆無.まるで江戸時代の廃村のような建物群の中を勝手に歩き回って楽しむというところです.オープンセットの利用自体は一般に公開されており,民放の作品やテレビコマーシャルなども制作実績があります.

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内部は江戸時代の長屋あり,江戸城の大手門あり,掘割りに隣接する下町の街並みあり,街道の粗末な宿場町あり,という感じです.中には明治時代の西洋建築もあります.基本はオープンセットなので,建物と言えどもファサードだけというものがあったり,また家の中身は撮影の都度小道具が運び込まれるので普段は何も置かれておらずガランとしています.しかし,さすがに大手門などの建築は堂々としており,また掘割りの造作は本物なので,時代劇の世界に没入して楽しめます.

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ちょうど新しい撮影の準備のために小道具が運び込まれているところだったので,邪魔にならないように遠慮しながらの見学だったのですが,どのような作品の制作なのか,聞けばよかったと後悔しています.エキストラ出演の機会は無いのかなぁ?

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2011/06/26

祝!カンヌ国際広告祭で金賞・銀賞を受賞

カンヌ国際広告祭というものがあるのですね."Cannes Lions" という名称で知られているそうです.そこに出品された "The 250km Wave" という電通の作品がアウトドア部門で金賞メディア部門で銀賞を受賞しました.JR 九州による九州新幹線の全線開業記念イベント "祝!九州縦断ウェーブ" がそれです.

九州新幹線が全線開通したのは東日本大震災の翌日の3月12日でした.そのため各種祝賀行事はすべて中止.開業を祝うこの CM も結局1度しか放映されずに終わってしまいました.しかし,九州を縦断する250kmもの長さのウェイヴ,何とかして目立とうと工夫を凝らした参加者たちのパフォーマンと笑顔,これが乗りの良いマイア・ヒラサワの音楽に乗って延々と続くのを見ていると,胸がジーンとして来るので不思議です.

撮影が行われたのは2月20日.出発点の鹿児島は小雨模様だったようですが,次第に雨は上がっていったようです.撮影のメイキングが福岡 FBS で放映されたそうですが,撮影したディレクターは最後は撮影しながら泣いてたと吐露していました.

九州新幹線はもちろん JR 九州が運航するものですが,大震災の後で,この CM から元気をもらおうと,JR 東日本が再編集した版もありますので,探してみてください.

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2010/09/23

YouTube Playの入選作


ニューヨークのグッゲンハイム美術館(カタツムリのような螺旋形状の建物で,建物自体が現代アートでもある現代美術専門の美術館)と YouTube が2年ごとに共同で開催している YouTube Play が今年開催されました.入選作品はこちらで観ることができます.

その入選作の一つ.日本人アーティストの作品です.こういうコンテンツを作るのは,どのようなツールを使い,どの程度の時間がかかるものなのでしょうか?

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2010/03/23

二重橋

桜田門から城内に入ると,と言っても今ではだだっ広い皇居前広場に出るだけなのですが,お堀に沿って左に曲がるとすぐに二重橋が見えてきます.この橋はなぜか大変有名で,私もご幼少のみぎりに,はとバスか何かの団体で記念写真に納まった記憶があります.

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ところが,このみんなが二重橋と思い込んでいる橋は実は二重橋ではありません.この橋は "正門石橋" という身も蓋もない名前.では二重橋はどれかというと,この石橋の奥にかかっている鉄製の橋のことで,正式名称は正門鉄橋(せいもんてつばし)という,これまた身も蓋もない名前です.この正門鉄橋のさらに向こうに伏見櫓が見え,これが景観上の良いポイントになっています.

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この正門入口の両脇には儀仗兵(日本では軍隊ではなく警察庁皇宮警察本部皇宮警護官)がいますが,英国のバッキンガム宮殿のような観光客向けの仰々しい衛兵交代儀式などは行われていないようです.

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正門石橋の欄干にはライオンの足を持つ欧州王朝風の灯火台が置かれています.これがいかにも極東の新興国だった大日本帝国の列強に伍していこうという上昇志向を表していて,様々な感慨にふけるためのきっかけになっています.でも私はこのような装飾品は大好き.

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2010/03/22

桜田門

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桜田門というのは,当然のことながら江戸城に数多ある門の一つですが,むしろその門の正面にそびえたつ警視庁の代名詞としての意味が強いかもしれません.しかしながら,桜田門はれっきとした江戸城の主要な門の一つ.しかも典型的な桝形門(ますがたもん)の形を今に残すという意味でも貴重なものです.入口は間口の狭い高麗門ですが,中に入るとかなり広い桝形の右手に巨大な渡櫓(わたりやぐら)が見えます.

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桜田門は元々は小田原街道の起点だったのですが,江戸時代のごく初期に小田原街道が東海道となり,その起点が日本橋に移されてしまってからは,東海道の起点としての地位を失ってしまいます.それでもこの地名が有名なのは,幕末の "桜田門外の変" があるからでしょうね.ちなみに井伊直弼のお墓が豪徳寺にあることはこのブログでも紹介しました

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とにかく現存する江戸城の門の中でも屈指の美しさ.明暦の大火で焼け落ちて再建され,その後,関東大震災で被災して修復されたものが現在のものです.高麗門の蝶番の部分が妙に存在感があったので,思わず写真を撮ってしまいました.このあたりの石垣は大変立派で,お堀も見事なものです.

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2010/03/21

明治生命館

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三菱一号館(*1 *2)から一ブロック歩くともう明治生命館があります.このコリント式列柱の建物は,皇居のお堀端にあってひときわ目を惹く建物.第二次大戦後の日本占領時代には,アメリカ極東空軍司令部がここに置かれました.柱頂上部のアカンサスの葉がちょうどいい感じです.ちなみに,連合国軍総司令部,通称 GHQ が置かれたのはここからそう遠くない第一生命館.こちらはモダンで機能的な建物で,マッカーサーはこちらを好んだようです.私は明治生命館のほうがいいな.

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私はこの列柱も好きなのですが,建物外壁に取り付けられている装飾灯火も好き.そのすぐ上の大変簡素な唐草模様も大好きです.欧州のような過剰装飾とはちょっと距離を置いたうえで,このような装飾文化を節度を持って取り入れた明治から昭和にかけての日本の建築家たちに拍手.

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2010/03/20

三菱一号館 (2)

先週の続きです.この建物の周囲はほとんどすべてが高層ビルに建て替わっていますので,この一角だけが妙に空間が空いていて開放感があります.もっとも,この建物の向かい側の旧三菱銀行本店には広い前庭があるので,そこも含めて考えなければなりませんね.実はこれらの写真のほとんどはそこから撮ったものです.

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さて,この三菱一号館の復元に当たっては,レンガの復元が大きな課題だったと思います.何しろその数250万個.この数のレンガを指定された納期で納められるレンガ工場は現在の日本には無いのではないでしょうか?竹中工務店は中国のレンガ工場を使ったそうです.品質管理には大変気を遣ったらしく,建物に組まれたレンガの一つ一つが実に均質で,大きさや形も揃っています.これも大変日本人らしい几帳面さが出ていると思います.レンガの組み方も図面化して管理したそうですから,レンガ職人さんたちも大変だったのではないでしょうか?

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すぐ近くでは,同じレンガ造りの巨大な建築物,東京駅丸の内口駅舎の復元工事が始まっています.こちらはジョサイヤ・コンドルの弟子である辰野金吾の作品で,施工は大林組.レンガの数は800万個ととてつもない数です.レンガを作ったのは日本煉瓦製造.現在進行中の復元工事はドーム屋根の復元が目玉なので,レンガ部分をどのようにするのかわかりませんが,おそらくできる限り再利用するのでしょうね.

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2010/03/14

三菱一号館 (1)

今日は朝からお天気がよく,しかもほどよく暖かくなりそうだったので,一年ほど前に復元工事が終わった丸の内の三菱一号館の写真を撮りに行ってきました.

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三菱一号館はジョサイア・コンドルの設計で,明治時代の丸の内オフィス街のはしりとなったレンガ造りの建物.オリジナルの建物は1968年に丸の内の高層化の中で取り壊されました.これをできる限り忠実に現代に復元するプログラムが計画され,竹中工務店によって施工管理されました.外観はもとより内装に至るまでできる限り当時を再現し,赤レンガ230万個を当時に近い製法で製作し使用するなど,日本では珍しくオリジナリティを尊重しています.日本工業倶楽部の建て替えが薄っぺらなファッサードだけだったのとは大違い.竹中の担当者は田中愛さんという若手の女性社員.女性社員が赤レンガの建物の復元工事を手掛けるのは珍しかったので,メディアでも取り上げられ話題になりました.

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今朝は光線の具合がちょうどよく,また日曜日の午前中早めだったこともあって,交通量も少なく,思う存分たくさんのカットを撮ることができました.撮りながらわかったのですが,暖房用の煙突も含めて当時の設計を大変忠実に復元しています.しかも日本人らしい几帳面さで水平直角を出しているものですから,煙突などが妙に正し過ぎるほど垂直に立っている様は,ヨーロッパの建物を見慣れた人には異様に映るかも.

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2010/02/22

板壁の家

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これも昨日の中村彝(なかむら つね)のアトリエです.この建物は今は珍しくなった板壁.北米の家屋建築では今でも板壁は珍しくないのですが,彼らの場合はカラフルなペンキで塗装してあることが一般的なので,このように地味な防腐塗装だけの板壁はなかなか見ることができません.しかし私が子供のころは,日本の一般家屋のほとんどはこのような板壁で,ちょっと郊外の農村地帯に行くと,農家は土壁が多かったと記憶しています.そのような農家には土間もまだ普通にありました.私の祖父母の家はまさにそのような家でした.

私たちの生活様式はここ50年ほどで劇的に変化しましたね.

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