気象
2023/08/23
2023/08/09
なぜ「ゲリラ」雷雨と言うのか?
今日は長崎原爆の日.小学生のときの修学旅行で長崎の原爆資料館を見学したとき,人の手の骨がガラスと溶け合った遺物を見たのですが,これはその後何年にも渡ってかなり重症のトラウマとして心に残りました.今でもときどき高い空にプロペラ機の爆音を聞くと,原爆が落ちてくるのではないかと怖くなる時があります.
さて二つの台風が日本の近くにあって暑く湿った空気を送り込んでくるものですから,そこここに雲が湧いてときどきザっと雨が降っては止むということを繰り返しています.ちょうどシンガポールにいるようなものです.
メディアではこれを「ゲリラ」雷雨と呼んでいるようですが,なぜ「ゲリラ」などという戦争用語を使うのでしょうか?ウェザーニューズの Web サイトの説明によれば,これは気象用語ではなく,明確な定義づけもないとのことです.予測困難で,積乱雲による突発的,局地的豪雨を指すとされているそうです.今日すでに 10 回以上もテレビのニュースで聞きました.報道部門のライターが好むのは,自分たちがゲリラによって被害を受けているという連想語感が好まれるからでしょう.
ゲリラとは不正規戦闘を行う民兵や反政府組織のことで,スペイン語の guerra(戦争)から派生し,スペイン独立戦争時に使われだした言葉のようです.しかしこの戦術自体は古代から存在していました.強大な正規軍に対抗するための弱者の戦術の一つで,現代ではテロ組織が行う自爆テロなども包含します.
私はこういう戦争用語を日常用語に使うのは好ましくないと思います.せっかく「驟雨(しゅうう)」という美しくかつ気象用語として定義された日本語があるのですからこれを使うか,昔ながらの「にわか雨」で十分だと思います.英語では昔から単純に shower,にわか雪の場合は flurry です.
2023/08/06
雲が湧いて驟雨
沖縄・奄美地方を長時間痛めつけている台風の影響が関東地方でも出てきました.昨日あたりから湿った南風が吹いて雲が湧くようになり,今日は午前中に北上してきた積乱雲によって激しいにわか雨に見舞われました.30 mm/h 程度の雨が 30 分ほど続いたので,総雨量は 15 mm 程度かな?我が家の前の道路は川のようになっていました.
ここ 1 週間は雨が降っておらず,毎日の高温で草木が水を欲しがっていたようなので,ちょうどよい水分補給にはなったのですが,雷で停電するようになるのは勘弁してほしいと思います.
北海道では秋雨前線が活発で大雨が降っているようなので,台風通過後にこれが下がってくるようだと,意外に秋の訪れは早いかもしれません.
2023/05/28
蒸し暑くなってきた
はや 5 月も月末.引退して給料日がなくなった身にとっては,月末といってもなんの感慨も湧きません.それよりも気温と湿度がじわじわ上がってきたことのほうが気がかり.大型で強い台風がフィリピン東海上にあり,そこからの暖湿流が日本列島に吹き込んでいるそうです.これが梅雨前線に莫大な量の潜熱と水蒸気をもたらし,早々と梅雨入りするのではないかと言われています.いやな季節が早くやってくるので憂鬱です.
散歩コースの調整池では熟したクワの実にムクドリとスズメが群がってにぎやかです.とくにムクドリは巣立ちびなが親の後にくっついて鳴きながら餌をねだるので,普段よりもよけいにぎやか.
今日はヨシ原で合計 4 羽のオオヨシキリを確認.一か所では 3 羽が狭い範囲で縄張りを競っていました.メスももう到着して巣にこもっているのでは?と思いますが.
下の写真はそこから離れた場所でさえずっていたもう一羽のオオヨシキリ.今のところ近くにライバルはいないようです.
2023/04/06
2022/10/19
2022/09/19
散々なお天気
せっかくの秋の三連休というのに台風が上陸して西日本は荒天.我が家がある関東でも暖湿流が吹き込んで積乱雲が発達し,断続的に強い雨が降ったり青空が出て日が射したり.まるでシンガポールのようなお天気.
雨が降り込むので南側のガラス戸を開けたり閉めたり忙しかったのですが,雨戸と網戸の隙間にアマガエルが潜んでいました.体色がアルミサッシの色になっていました.二階のここまでどうやって上がってきたのか?雨戸を閉めるようなことになると,轢死させてしまいそうなので,バルコニーの手すりに避難してもらいました.
遠くには積乱雲の黒い雲が湧いていますが,雨雲レーダーで見る限り遠くをかすめて通過しそう.昨晩は蒸し暑くて大変寝苦しかったのですが,今日はどうかな?
2022/08/12
台風 8 号 MEARI 接近中
ちょうどお盆の休暇中に弱いながらも台風が接近中です.このままいけば確実に上陸するでしょう.下に本日 16 時 30 分のひまわり 8 号の衛星画像を転載します.
提供:情報通信研究機構 (NICT)
この台風の特徴は,台風の前面には大した雨雲はないのですが,後面には分厚い雲があって,そこで積乱雲が沸々と湧き上がって発達している様子が見て取れることです.動画で見ると何とも不気味です.この雨雲がやって来ると,その下では大雨に見舞われる恐れがありますので,要警戒です.
今年は日本に接近する台風は数が少なめで,かつ強いものはないように思いますが,中心気圧が高くて風が弱かったとしても,上に述べた台風本体の雨雲による大雨と,東北北部に停滞している秋雨前線に大量の暖湿流が流れ込むことによる集中豪雨の両面からの備えが必要です.大きな被害が出ないように祈ります.
2022/07/04
熱波去る
ここ一週間ほど熱波が居座って酷暑が続きました.例年だと今ごろは梅雨後半の分厚い雨雲が空を覆ってくれるので,強い日差しに曝されずに済むのですが,いったん雨雲が無くなってしまうと,夏至の太陽がこれほど強いものかと改めて思い知らされます.
昨日夜から小雨が降って気温が下がり始め,今日は真夏日にはならず.日中晴れて日差しが届くこともありました,おおむね曇り空で気温は 30 度くらいまでしか上がりませんでした.ただし湿度は高く,ちょっと体を動かすとじっとりと汗をかきます.
夕方,思いのほか晴れ間が広がってきれいな夕焼けが見えていました.もう梅雨明けは発表されたのですが,これはあくまで人間社会の「都合」の話.これからどれくらい雨が降るのか,台風くずれの低気圧が近づいているので予断を許しません.
2022/06/27
梅雨明けの猛暑と電力ひっ迫
昨日早朝にフィールド調査のために里山を歩いた以外は,猛暑のために家に引きこもっています.これが私の真夏の過ごし方.お陰でこのブログの更新もネタが無くてさぼり気味です.
今年の夏は電力がひっ迫しているそうで,昨日あたりから騒がしくなってきました.電力不足に関しては 3 月にこの記事とこの記事で意見を述べたのですが,今日はもう一つ昔から思っていることを.
今回の電力不足は,原子力発電所の再稼働が遅々として進まない中で,脱炭素の風潮の中で発電事業者が老朽火力の設備更新を行わなかったり,場合によっては廃止したりすることが原因と説明する記事を多く見ます.まあ一つの説明としてはその通りなのでしょうが.
まず原子力発電についてですが,私は原子力規制委員会からダメ出しを食らっている柏崎刈羽(通称 KK )のようなプラントの再開を急がせることには反対です.そもそも国有化以降の東電はどうもおかしい.よほど現場の声を聞かなくなっているのか,それとも現場が腐っているのか,こんな記事も出てくる始末です.
東京電力社員が明かす柏崎刈羽原発の実態
経産省やエネ庁は共同責任の与党も巻き込んで深く省察すべきでしょう.
しかし再稼働ができたとしても,日本の原子力発電の宿痾である使用済み核燃料の再処理と高レベル放射性廃棄物の長期保管は全く見通しが立っていません.前者に関して言えば,メーカーではない動燃や原燃という中途半端な研究開発組織に任せたことがそもそもボタンの掛け違いだったでしょう.またたとえメーカーに任せたとしても,現実にはイギリスとフランスからの技術導入に頼らざるを得ず,動燃や原燃より速く進行していた保証はありません.しかし日本が原子力発電を始めてすでに 60 年以上.いまだにそういう技術がないとは,過去の原子力政策の再点検が必要です.
後者の高レベル放射性廃棄物に関しては政治の無責任と不作為のたまものです.行政に任せてどうにかなる話ではありません.過去のように札束と一升瓶を並べれば原子力プラントの立地が出来たこととはレベルが違いすぎます.この辺りの政治家のセンスと覚悟の無さには呆れるばかりです.そもそも覚悟が持てないのであれば原子力発電を諦めるべきです.政治家が仕事をしていません.
さて火力発電に関しては, LNG への先行投資と長期契約の恩恵を受けている日本は, LNG の価格高騰の影響はまだ小さいままです.ここは欧州の惨状を知ったうえで冷静に評価する必要があります.ただし火力プラントの更新や保守が滞りがちというのは見過ごせない状況です.特に最近になって金融の世界が火力プラントへの融資を行わなくなりつつあることは由々しき事態です.
ベース電源となる原子力発電が脱落してしまった日本において,ベース電源の役割を果たせるのは火力発電しかなく,そのベース電源の上に変動の大きな再生可能エネルギーをうまく乗せざるを得ません.またベース電源が何であろうと,再生可能エネルギーの変動を吸収できるのは火力プラントだけです.しかもそのためにはプラントを待機運転させておかねばならず,プラントの利用効率が悪いことも覚悟しなければなりません.
Samuel FaberによるPixabayからの画像
従ってそういう役割を課せられた火力プラント設備には余裕がなければなりません.そのためには火力プラントへの継続的な投資が必要なのです.ここで政治や行政が動かなければなりません.現状では企業にとって火力からの撤退は経済合理的だからです.
蓄電池を変動吸収のために使うことができればよいのですが,それには莫大な投資が必要なので,送電網の建設と同様,投資は極めて緩慢です.これも政治や行政が覚悟できないことの一つです.投資回収のために電力料金が高くなるので産業界からの反対は目に見えているからです.しかし EV 用の蓄電池があふれ出てくるようになれば条件は変化します.そしてそのためにはここでも先行投資が必要となるのです.
ということで,KK の再稼働が当分見込めないここ数年間,東電管内の電力ひっ迫は避けられそうにありません.企業は自家発を活用できても高騰した燃料代に苦しみ,家計は物価高騰と節電の圧力に苦しむでしょう.今後 10 年程度は長期ビジョンを欠いた過去の政策の後始末を強いられるわけです.
そんな中でも少しずつ変革が進むことを祈りたいと思いますが,そういう事を参院選で主張している政党や候補者がいないように見えるのは,単に私が知らないだけなのでしょうか?
より以前の記事一覧
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- 冬のスズメは群れる 2022.02.23
- トンガの海底火山が大規模噴火 2022.01.15
- 雪が積もった 2022.01.07
- 雨の合間に散歩 2021.08.16
- 目覚めたら眼前に巨大な虹 2021.08.10
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- ツバメのねぐら入りとかなとこ雲 2021.08.05
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