科学

2016/05/07

重連名種を調べる

IOC List v6.2 がリリースされ,和名追加版をリリースしたばかりですが,辞書ファイルを編集いていると,いろいろと気づきがあります.その中の一つが,名前の連なりです.どういうことかというと,属名と種小名が全く同じものがけっこうあるのです.さらに,その種に亜種がある場合には,当然のことながら種小名と同一の基亜種名があるので,属名,種小名,基亜種名という3つの名前がすべて同一という亜種が存在します.これらを “重連名種” と呼ぶことにしましょう.

IOC List v6.2 でそのようなものをリストアップしたものが以下です.

基亜種の学名 種の英名 種の和名
Anhinga anhinga anhinga Anhinga アメリカヘビウ
Milvus milvus milvus Red Kite アカトビ
Buteo buteo buteo Common Buzzard ヨーロッパノスリ
Jacana jacana jacana Wattled Jacana ナンベイレンカク
Gallinago gallinago gallinago Common Snipe タシギ
Limosa limosa limosa Black-tailed Godwit オグロシギ
Alle alle alle Little Auk ヒメウミスズメ
Bubo bubo bubo Eurasian Eagle-Owl ワシミミズク
Apus apus apus Common Swift ヨーロッパアマツバメ
Amazilia amazilia amazilia Amazilia Hummingbird チャムネエメラルドハチドリ
Coeligena coeligena coeligena Bronzy Inca ブロンズインカハチドリ
Colius colius colius White-backed Mousebird セジロネズミドリ
Suiriri suiriri suiriri Suiriri Flycatcher スイリリハエトリ
Manacus manacus manacus White-bearded Manakin シロクロマイコドリ
Tchagra tchagra tchagra Southern Tchagra マユジロヤブモズ
Pica pica pica Eurasian Magpie カササギ
Pyrrhocorax pyrrhocorax pyrrhocorax Red-billed Chough ベニハシガラス
Riparia riparia riparia Sand Martin ショウドウツバメ
Regulus regulus regulus Goldcrest キクイタダキ
Troglodytes troglodytes troglodytes Eurasian Wren ミソサザイ
Calliope calliope calliope Siberian Rubythroat ノゴマ
Phoenicurus phoenicurus phoenicurus Common Redstart シロビタイジョウビタキ
Oenanthe oenanthe oenanthe Northern Wheatear ハシグロヒタキ
Cinclus cinclus cinclus White-throated Dipper ムナジロカワガラス
Petronia petronia petronia Rock Sparrow イワスズメ
Quelea quelea quelea Red-billed Quelea コウヨウチョウ
Amandava amandava amandava Red Avadavat ベニスズメ
Coccothraustes coccothraustes coccothraustes Hawfinch シメ
Pyrrhula pyrrhula pyrrhula Eurasian Bullfinch ウソ
Chloris chloris chloris European Greenfinch アオカワラヒワ
Carduelis carduelis carduelis European Goldfinch ゴシキヒワ
Icterus icterus icterus Venezuelan Troupial ムクドリモドキ
Curaeus curaeus curaeus Austral Blackbird ミナミムクドリモドキ
Melanodera melanodera melanodera White-bridled Finch ノドグロシトド
Diuca diuca diuca Common Diuca Finch ジュウカチョウ
Cardinalis cardinalis cardinalis Northern Cardinal ショウジョウコウカンチョウ

これらのうち,タシギカササギは有名なので,学名のトリビアとして知っている人も多いと思いますが,中には IOC の新しい分類で属名が変更になり,重連名となったものもありますので,戸惑う向きもあるのではないかと思います.

学名はラテン語の文法に従わなければならないため,語尾の格変化などけっこうややこしく,IOC List でも語尾変化の誤りを訂正するための変更がいまだに続けられています.重連名になるためにはラテン語としての文法上の条件も整わなければならないため,やたらに数が出るわけではないのは,こういうところに制限があるからだと私は考えています.

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2016/04/16

ドウダンツツジ開花

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ようやくソメイヨシノの花が終わり,これからはヤマザクラが咲き始めるなぁと思っていたら,いつの間にか庭のドウダンツツジが咲いていました.生垣にしているお宅も多いこの植物は,可憐な花がびっしりとたたわに咲く今頃の時期と,小さな葉が真っ赤に紅葉する晩秋の二度の楽しみが味わえる人気の庭木です.

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一方,熊本では激しい地震活動が続いています.あのあたりから九州山地の断層帯(日奈久断層帯と呼ばれることを初めて知りました.しかもこの断層は正断層!)の岩石は,層状の節理が激しく,また砕けやすく非常にもろいのが特徴です.いわゆるザレやすいので,山の斜面を歩くと足元から斜面がザレていくのがわかるほどです.いわゆる破砕帯の一種と言ってもよいと思います.

今回の地震が,東北太平洋沖地震に始まるプレート間にかかる力の変化の一環だとすると,これからほかの地方でも地震活動が活発化してくるのではないかと思えて,非常に暗澹たる気分になります.

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2014/02/16

求む!Predicted Antwrenの和名

二週間ほど前にリリースした IOC List v4.1 日本語版ですが,ポストした記事のコメントに追記したように,一種だけ新種に和名を付けそびれています. "Herpsilochmus praedictus " ("Cohn-Haft & Bravo, 2013") という種で,英名は "Predicted Antwren" という妙な名前です.

この英名の由来については,この記事に詳細が記されていますが,要するに存在が十分に予想されていて,ついにその存在が確認されたことで新種として登録されたということのようです.最初のきっかけは,姿は既存種に似ているが声が違っていたという発見だったそうです.

さてこの種の和名ですが,どうにもよい和名を思いつかないので,どなたか提案していただけないかと思います. "何々アリサザイ" になることだけは間違いないと思いますが,その前半部分が非常に難しい.私の試行錯誤の記録を書かせていただくと,"ウタチガイアリサザイ","コエガワリアリサザイ","ヤッパリアリサザイ" などですが,どうにもうまくありません.

どなたかよい名前をご提案ください.お待ちしております.

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2013/07/29

ホテルの床にアンモナイト?発見

先週は駆け足で東南アジアを回ってきたのですが,とあるホテルのバスルームで妙なものを発見.大理石のタイル張りの床だったのですが・・・あれー?これってひょっとしてアンモナイト?慌てて何枚も写真を撮ったのですが,あいにくと照明の条件が非常に悪く,あまり良い写真は撮れませんでした.

Myanmar_thai_jul2013047m

本当にアンモナイトかどうかは判断がつきませんが,いずれにせよ何らかの巻貝であるのは間違いありません.大理石は再結晶した石灰岩なので,化石が残ることは少ないはずなのですが,これは良く残っています.ひょっとしてよく研磨しただけの石灰岩なのかもしれませんが.

どうせだったら三葉虫が入っていたらもっと良かったのにとは思いましたが,贅沢は言わないこととしましょう.

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2013/02/17

IOC 鳥類リスト v3.3 和名追加版リリース

IOC List v3.3 が1月30日にリリースされましたが,オリジナル版に和名を追加し,Refsort/Ruby の辞書ファイルとして編集しなおしたものをアップロードしました.前回,IOC List v3.2 準拠の辞書ファイルをアップロードしたのが2012年11月25日なので,さほど日が経っていません.

相変わらず和名のない種がオリジナル版に追加されていくので,仕方なく暫定的に和名を創作して追記しています.本当に冷や汗ものです.IOC List は亜種名を含むようになったので,総数が 31,600 を超えるようになりました.そろそろ個人の手に余るようになってきたというのが実感です.

さて,このファイルのエンコーディングは UTF-8,改行コードは LF です.Windows ユーザーにとって使いやすい Windows-31J (CP932) のエンコーディングへの変換を行った版も同梱しておきますが,これはあくまで簡易版と考えてください.欧文のアクセントやウムラウトを含む文字は,最も近い文字,または ? 記号で置き換えてありますので,特に Authority を引用する場合には正版である UTF-8 版をお使いください.

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IOC List v3.3 for Refsort/Ruby Released

IOC List v3.3 の Master List を編集して Refsort/Ruby の辞書ファイルとしたものをアップしました.IOC World Bird Names の Web サイトは未だに v3.3 への遷移中と表示が出ていますが,内容はもう固定されているようなので,アップしてしまいます.

IOC List v3.2 準拠の辞書ファイルをリリースしたのが2012年11月11日なので,前回の改訂からさほど日をおかずに次の版がリリースされたことになります.この改訂のスピードにはいつも恐れ入ります.なにしろある属がごそっと移動したりするので,十分に検討を加えられているのか心配な時もあります.

さて,今回も辞書ファイルの正式なエンコーディングは UTF-8 です.従って Linux 上で使う分にはさほど問題が生じないでしょうが,Windows 上で使う際には,入力ファイルは UTF-8 でエンコードされ,かつ最初の行に

#!E -*- coding: UTF-8 -*-

というおまじないを置いておかないとうまく動きませんのでご注意ください.

しかし,そうは言っても Windows 上では相変わらず Windows-31J がデフォルトのエンコーディングなので,このエンコーディングに対応した版も同梱しておきます.ただし,この版では,欧文のアクセントやウムラウトを含む文字は最も近い文字か ? 記号で置き換えられています.正版はあくまで UTF-8 版なので,日常的な簡易版としてお使いください.

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2013/01/06

日本鳥類目録第7版の Refsort 辞書ファイルを更新

昨年10月の7日10日に,日本鳥類目録第7版を Refsort/Ruby の辞書として編集しなおしたものをアップしました.それに対して,わずかにあった誤植を取り除き,またあまり意味のなかった不詳亜種のレコードを取り除き,そして最新の IOC List v3.2 に記載の英名をできる限り取り入れるという改訂を行いました.

最も難しい判断を迫られたのは,IOC List との整合性です.IOC List はの分割をかなり積極的に認めているので,日本鳥類目録では亜種扱いのものが種として英名も与えられています.この英名を日本鳥類目録の亜種の英名として採用すべきか迷いましたが,採用するという判断を下し,できる限り収録しました.

厄介なのは,分類の学説が定まっていない種や亜種の扱いです.特に古い学説の種に対してすでに和名が付いていて,その種の日本で見られる亜種が新しい学説では種に格上げされたりすると,分岐元の種は日本には分布しないグループが残っているので,これを元の和名で呼び続けることは不合理です.しかし新しく生まれた種には和名を付けるのは・・・学会などの権威付けが無いとまずい.困った私は,以前より "recommended jname by …" という逃げを作ってとりあえずの和名を提案するという立場を取っています.

IOC List の改訂スピードは非常に速いので,こういう種が徐々に増えています.次第に個人の手に負えなくなることは明白です.IOC List とのリンクなど無視してしまうのも一つのやり方ですが,できる限りつながりを保ち,何とか和名の体系との折り合いをつけていきたいと思っています.

さて,今回のリリースでは同時に UTF-8 版と Windows-31J 版をアップしました.UTF-8 版のほうが基準となる版で,Authority に含まれるアクセントウムラウトなども忠実に収録してあります.Windows-31J 版では,それらのアクセントやウムラウトをそれらに最も近い文字または ? 記号で置き換えた簡易版です.厳密には UTF-8 版が正しいので,必要に応じて参照してください.

ネット上の探鳥記録を見ても,日本鳥類目録第7版に沿ったリストをまだほとんど見かけません.これまで頭に叩き込まれた分類順はそう簡単に崩せないのは当然ですが,新しい分類順になれるためにも,Refsort/Ruby とこの辞書ファイルをご活用いただければ幸いです.

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2012/11/25

IOC 鳥類リスト v3.2 和名追加版リリース

IOC List v3.2 が10月15日にリリースされてから,まずオリジナル版を Refsort/Ruby 辞書ファイルに編集してアップロードしたのが11月11日でした.次にやるべきことはオリジナル版に和名を追加することです.

これは簡単なようで実は大変な作業.かなりの部分は古い版の辞書ファイルを参照して自動的に和名を追記するようにしているのですが,今回は日本鳥類目録が第7版に改訂されたばかりなので,その改定内容を取り込むだけでも相当の時間を要してしまいました.しかし,日本鳥類目録の最新版によって,最新の種や亜種の和名が権威づけられたので,大変安心できます.

一方,相変わらず和名のない種がオリジナル版に追加されていくので,仕方なく暫定的に和名を創作して追記しています.本当に冷や汗ものです.IOC List は亜種名を含むようになったので,総数が 31,500 を超えるようになりました.そろそろ個人の手に余るようになってきたというのが実感です.

さて,このファイルのエンコーディングは UTF-8,改行コードは LF です.Windows ユーザーにとって使いやすい Windows-31J (CP932) のエンコーディングへの変換は残念ながら不可能なので,もう覚悟を決めて UTF-8 に親しむことを始めてください.すでにたいていのエディタでは UTF-8 は標準でサポートされています.

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2012/11/11

IOC List v3.2 for Refsort/Ruby Released

少し前の記事で予告したのですが,IOC List v3.2 の Master List を編集して Refsort/Ruby の辞書ファイルとしたものをアップしました.IOC World Bird Names の Web サイトではいまだに v3.2 に遷移中と表示が出ているのですが,Master List は10月中旬以来変化が無いようなので,見切り発車して Refsort/Ruby の辞書ファイルを作ってしまいました.

繰り返しになりますが,この辞書ファイルのエンコーディングは UTF-8 です.従って Linux 上で使う分にはさほど問題が生じないでしょうが,Windows 上で使う際には,入力ファイルは UTF-8 でエンコードされ,かつ最初の行に

#!E -*- coding: UTF-8 -*-

というおまじないを置いておかないとうまく動きませんのでご注意ください.Windows もそろそろ UTF-8 をデフォルトにしないものかと思います.そうすれば多言語処理が一気に進むのではないかと思います.

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2012/10/21

IOC List v3.2 Almost Released

約四半期ごとに更新を続けている IOCWorld Bird List ですが,遅れていた v3.2 へのアップデートがリリースされようとしています.すでに本体のリストは北米時間で10月15日アップされているのですが,最終確認を取っている最中のようです.今回のアップデートはやや控えめなもので,種数は 10,466 と v3.1 からほとんど増えておらず,亜種数も増減が相殺して 20,983 とほとんど変わりません.その分,付随情報が充実してきたという感じです.

早速,このマスターリストをダウンロードして Refsort/Ruby の辞書ファイルを作成してみました.まだ本家が正式リリースをしていないので,これをリリースするのは控えていますが,もう間もなくリリースできると思いますのでお楽しみに.ただし,本家もそうですが,もはや文字コードは UTF-8 のみです.

また,このリストに和名を付けた辞書ファイルは準備中ですが,こちらはつい先ごろリリースされた日本鳥類目録第7版の和名との整合性を確認するのに時間が取られそうなので,リリースにはしばらく時間がかかると思います.

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