天文・宇宙

2023/07/07

酷暑の果てのずっと先

暑いので自宅に引きこもっています.引退するとこういうことができるのが素晴らしい.現役のころは早朝から夜まで汗のかきどおしでした.偉かったんだねぇ.

今日のお天気は最高気温 35 度コースなので今も気温が上昇中.どうりで朝から暑かったわけです.まだ梅雨明けしていないのですが,このまま梅雨が明けたりしたらえらいことです.来週は分厚い雲が空を覆って太陽の光を遮ってくれないかなぁ.冷たい北東気流が入ってくれると最高.梅雨明けは7月末でいいです.

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Gerd AltmannによるPixabayからの画像

地球温暖化がこの先どのような様相を呈してくるのは分かりませんが,長期的には地球はこれからも氷期を迎えるでしょうし,現在 260 万年ほど続いている氷河時代が終わって今以上の温暖期を迎えることもあるでしょう.これらは地球の過去の歴史から明らかだと思います.

氷期になれば,北ヨーロッパや北米大陸の北半分は分厚い氷床に覆われてしまいます.その厚さは 2,000 - 3,000 m というとてつもないものです.一方,温暖期になれば地球上には天然の氷というものは無くなり,今のアラスカにも亜熱帯性の植物が生い茂るようになります.

こういうサイクルがまだ 2, 3 億年は続くのですが,実はその先はありません.なぜならば太陽の熱出力が徐々に上がってくるからです.今からたった 5 億年ほどで,少なくとも地上には生物は住めなくなり,水中でも熱に強い微生物くらいしか生きていけなくなります.最終的には地球は灼熱の岩砂漠の惑星になって死の星となります.さらに数10憶年後には,膨張する太陽大気に焼かれて蒸発してしまうかもしれません.地球の火葬です.一方,太陽の質量が減少して重力が弱まるため,地球軌道が外側に移動して蒸発は免れるという説もあります.

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WikiImagesによるPixabayからの画像

こう考えると,地上に生き物が住んでいられる期間というのは,過去から将来も含めてせいぜい 10 憶年程度しかありません.意外に短いですね.ってことで,今を有意義に生きよう!と引きこもりながら考えたのでした.

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2023/02/22

地球照,宵の明星,木星

今日は少し早めに退勤したのですが,だいぶ日が伸びてきたのでまだかなり明るい空.渋滞につかまりながら家路をたどっていくうちに,日が暮れて冬晴れのきれいな西空に細い三日月が輝き始めました.すぐ近くに明るく輝く金星.そしてそのやや上方(東側)に木星が見えていました.

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帰宅後すぐに写真を撮ったのですが,慌てていたので良く設定を合わせずに撮ってしまい,地球照がうまく撮れませんでした.

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2022/11/09

掩蔽直前の天王星とターコイズフリンジ

直前にアップした記事に書きましたが,あれからいろいろ調べたうえで,皆既蝕の終了間際に見えたものはターコイズ・フリンジ (Turquoise Fringe)だったと確信しました.先ほどの記事の最後の写真をレタッチして青味を多少強調した画像を再度載せておきます.これなら間違いようがありません.

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掩蔽直前の天王星とターコイズ・フリンジが同時に見られたというのは,人類史上初でしょう!

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皆既月蝕と天王星蝕

昨晩は皆既月蝕と天王星(昔は掩蔽と言っていました)が同時に見られるということで,メディアでも事前に十分に情報を流していました.写真に撮った人も多かったと思います.特に天王星は,天文ファンでもまじめに探して見たことがある人はそう多くないと思います.暗くて地味な星なので.

しかし,土星までは明るい惑星で古代から知られていたのに比べると,天王星は近代的な望遠鏡が発明され,きちんとした観測が行われるようになって初めて惑星として「再発見」された星なので,人類の英知が探し当てた惑星という事になります.この後,天王星の軌道のふらつきからさらに外側に巨大惑星があるはずだと予測され,実際に発見されたのが海王星です.軌道天文学(摂動理論)が成熟した証となりました.

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デジカメですべて手持ち撮影したので,ブレた写真がほとんど.特に天王星は点像でブレが明確に分かるので没ショットを量産したのですが,中にはマシなものもありました.蝕の直前まで撮りました.最後の写真は青味がかかって見えますが,皆既蝕が終わるころなので,ひょっとするとターコイズ・フリンジかも.

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2021/11/08

月と金星が接近

今日の夕方,久しぶりに酒でも飲もう,その前にカーテンを閉めようと南側の窓に行ってみてびっくり.三日月宵の明星が非常に近い位置に見えます.夕暮れの空の非常に美しい光景です.早速カメラを持ってきて何枚か写真を撮ってみました.

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こういう被写体の場合は,フォーカスもさることながら露出補正が最も重要です.今日は -3.0 EV まで露出を切り詰めて,月面に対してはほぼ適正な露出でした.しかし金星に対してはこれでも露出オーバー.像が白トビを起こしているので,もっと露出を減らさないといけません.

拡大してよく見てみると金星は月齢でいえば 10 程度.道理で円盤像が小さいわけです.

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2021/09/08

木星を背景にツバメが乱舞

昨日は久しぶりに一日中陽ざしに恵まれ,気温も上昇して肌寒さが解消しました.お天気が良かったことと,終息時期に興味があったので,またもツバメのねぐら入りを見に行きました.

日を替えて数回見に行った感想として,鳥たちの様子は毎回違います.ムクドリの大群が飛び回ってヨシ原に入る一方,ツバメがほとんどねぐらに入らない日があるかと思えば,その逆があったりします.この変動はどうしてなのだろうと思いますが,なかなか良い仮説を思いつきません.

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昨日は最盛期なみにツバメの数が多く,大群が乱舞してはヨシ原に急降下していきました.乱舞する間に双眼鏡を覗いていると,ちょうど東の空に高く昇ってきた木星とツバメの群れが重なって見えて,面白い光景でした.ちなみに双眼鏡でもガリレオ衛星が 3 個まで見えました.

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写真で確認すると, 4 個のうち 2 個が非常に接近していて 3 個に見えていたことがわかりました.

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2020/12/20

土星と木星の四大衛星

冬至の前日,最接近を迎えた木星土星の写真を,デジカメの手持ち撮影でぎりぎり狙ってみました.35 mm 換算の焦点距離は 600mm なのでそれほど解像できるわけではありませんが,それでも,木星の円盤像,土星と輪の円盤像,そして木星の四大衛星を捉えることができました.もちろん思い切り露出補正をかけ,さらにフォーカスの試行錯誤のために何十枚も撮った中でたった一枚の成功です.

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本来であれば,三脚に据えたもう少し長い望遠レンズ,または天体望遠鏡の直焦点に一眼カメラを取り付けて撮るべき対象ですが,毎日散歩に持ち出しているカメラでここまで撮れるとは,よい時代になったものです.

子供のころ,買ってもらったばかりの天体望遠鏡で土星を視野に入れ,リングが見えたときの感動は今でも忘れられませんが,あの時の感動が戻ってきた感じです.

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2020/12/17

木星,土星,月

明日,明後日ころに木星土星が見かけ上非常に接近します.木星の4大衛星の軌道の内側に土星が見えるはずで,こういうことは200年ぶりだとか.

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今日はその前夜祭ということで,細い月と木星,土星が近づいています.寒く風の強い冬の夕方ですが,明日こそは身支度をして木星と土星を狙いたいと思います.

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2020/01/12

懐かしのベネット彗星

数年前に実家を整理した時に発掘した古いアルバムの中から,私が中学生の時に撮って,自分で現像・プリントしたベネット彗星の写真が出てきました.

1970年3月末ころだったと思いますが,早朝の犬の散歩に出歩いていた母から彗星が見えると教えられ,起きてみてびっくり!巨大な彗星が明け方の東の空に垂直に突っ立っていました.明るさも十分で,三脚に固定したカメラで十分に写りました.レンズはニッコールS 50mm/F1.4,フィルムはトライX,現像はパンドールだったと思います.

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明瞭なダストテイルだけではなく,うっすらとイオンテイルも写っています.

20世紀で最も明るくなった彗星の一つで,私自身最も印象深く覚えている彗星です.もうこういう彗星を見ることはないのでしょうか?

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2019/11/29

冬の夕暮れに惑星が大集合

このところぐずついて寒い日々が続いていたのですが,冬型の気圧配置となって今日はようやく冬晴れ.午前中は北風が強かったのですが,午後からは穏やかになりました.

夕方,西の空は冬晴れ特有のオレンジから紺色へのグラデーション.非常に美しいです.月齢 2.7 の細い月とともに,月の右下には明るく輝く金星,さらに右下に明るい星.ん?水星にしては高度が高すぎるし,明るすぎる,何なんだろうと思って調べてみると,なんと木星でした.星座はいて座.こんなところにいたのですね.

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実は月の左上には土星もいたのですが,トリミングしたので上の写真には写っていません.これで火星でも近くにあったら “惑星直列!” だったのですが.

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