IT関連情報

2026/08/01

Refsort/Ruby v3.80 released

辞書参照型ソーティング・フィルタ Refsort/Ruby (新しいほうから *1 *2 *3 *4 *5 の改訂版 v3.80 をリリースしました.開発を休止して3年も経っていたのですが,今回は緊急のバグ修正です.

今回の修正内容は以下の通りです.

  1. 世界統一鳥類リスト AviList のマスターファイルには一例だけ記号 '#' を含むフィールドがあり,それから作成した辞書ファイルにおいて,この記号を Refsort がコメントと判断していることが発覚しました.具体的には各フィールドが,
    0: Tityra leucura
    1: White-tailed Tityra
    2: オジロハグロドリ
    3: "Pelzeln, A, 1868"
    4: "Rio Madeira-Rio Tapajós interfluvium, south-central Brazil"
    5: 
    6: "Tityra leucura is recognized as a valid species based on available evidence. Sometimes treated as a synonym of T. inquisitor, or considered to be of hybrid origin (inquisitor x albitorques), differences in plumage and bill size are more consistent with species status (Whittaker 2008). Genetic analysis of the type specimen would provide additional perspective on the species status of T. leucura. A recently photographed and videotaped individual summarized in SACC proposal #1035 strongly supports its specific status."
    7: avibase-8B9C1238
    というレコードの中の,第6フィールド(Refsort ではフィールド番号はゼロから始まります)の最後の方 “#1035” というのがそれです.このハッシュ記号は英米圏では number という意味で使われるので特に間違いというわけでもなく,今後もこのようなケースに遭遇する可能性は十分にあります.
    これを救済できるよう苦肉の策でスクリプトを修正しました.辞書ファイル中,フィールド内部の記号 '#' をバックスラッシュでエスケープして '\#' とし,コメント記号と見なされないようにしました.そのフィールドを出力する場合にもエスケープしたまま '\#' と出力されますが,出力の再利用を考えるとその方が合理的なので,エスケープを解除してはいません.この手続きは入力にも適用されるので,入力中に '\#' が含まれていればそれもコメントとはみなされずそのまま出力されます.
  2. この修正に関連して, AviList v2025b に対応した辞書ファイルも差し替えますので,今後は新しい辞書ファイルをお使いください.
  3. オプションの処理に関して細かな最適化を行いました.

このスクリプトは最新の Ruby 4.06 で動作することを確認しています.

Refsort/Ruby とそれに関連するコンテンツのアーカイブを Microsoft One Drive に置いています.画面右側コラムの Archive の中の Refsort/Ruby Archive をクリックしていただくと,私の OneDrive 上に設けたライブラリが開きますので,そこから過去分も含めてファイルをダウンロードすることができます. Refsort 本体の refsort.rb は refsort_v380.rb というファイル名でアップロードされていますので,ダウンロード後に refsort.rb に変更するとよいでしょう.改行コードは LF になっていますので適宜変更してお使いください.エンコーディングは純粋な US-ASCII ですので,そのままでよいでしょう.

なお Refsort の開発自体はすでに終了しており,今回のようにバグが見つかった場合にのみ修正版を出すことにしています.現在は IOC List や AviList などのデータに対して分類学上の Query (問い合わせ)を行えるようなツールの開発を進めており,ある程度目鼻が付いたら早いうちに紹介したいと考えています.

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2026/06/25

AviList v2025b released

世界の鳥を網羅したチェックリストAviListは2025年6月に最初の版v2025がリリースされたのですが,それから1年たった2026年6月10日に微修正された版v2025bがリリースされました.内容の変更はほんのわずかで,分類体系や学名,英名の変更は無く,周辺の情報のみが微修正されただけです.従来と同様AviListのWeb siteから自由にダウンロードできます.

この微修正版にもとづくRefsort/Rubyの辞書ファイルを作りましたが,基本的な情報は本年5月にアップロードしたものと同一なので,無理に置き換える必要はないでしょう.ただしAviListのワークシートはフォントと背景色が改良されてだいぶ見やすくなったので,それに和名を追加したものは使い出があると思います.これもアップロードしておきます.

AviListをもとにしたRefsort/Rubyの辞書ファイルのエンコーディングUTF-8のみです.AviListのワークシートを見ればわかりますが,Authorityや参考文献に非英語圏の単語が多く出現しており,これをUS-ASCIIだけで表現するのは無理だと判断したからです.

Windowsで利用する場合は標準のエンコーディングをUTF-8に変更してお使いください.変更方法はWeb空間に多数アップされていますので検索すればすぐにわかります.複数のやり方があり,適用範囲と副作用も異なるので,自分に合った方法を選択することをお薦めします.もちろん入力ファイルもUTF-8でエンコードされている必要がありますが,最近はWindowsのメモ帳ですらデフォルトのエンコーディングはUTF-8ですし,世の中のほとんどすべてのエディタもUTF-8に対応していますので,これを機会にUTF-8に移行してはいかがでしょうか?

ダウンロードするにはここから入ってください.このブログ右側のカラムArchiveにもAviListという項目を追加しておきます.

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2026/05/07

AviList に準拠した辞書ファイル

つい先日IOC List v15.2に準拠したRefsort/Ruby用辞書ファイルをアップしましたが,その時に言及したようにIOC Listはこれで打ち止めとなり,今後はAviListという業界統一チェックリストに移行されます.このチェックリストは2025年6月にリリースされたものが最新版で,AviListのWeb siteから自由にダウンロードできます.この新しいチェックリストに基づいたRefsort/Rubyの辞書ファイルを試作しましたので,アップロードしたいと思います.

今回アップするのはAviList (short) から作成したRefsort/Ruby用辞書ファイルと,AviList (short) に和名を追加したものです.AviListはご多分に漏れずMicrosoft Excelのワークシートとして作成されているのですが,構造がIOC Listのマスターファイルとは異なっているため,辞書ファイル用の情報を抽出するためのRubyスクリプトを書き直しました.このスクリプトが完全に動いているか十分に検証ができていませんので,今回アップロードしたものは試作品という扱いにしたいと思います.

Refsort/Rubyの辞書ファイルとしての形式は従来とあまり変わりませんが,ファイルの冒頭にフィールド構成を書いておきましたのでフィールド番号を指定する際に参照してください.AviList (short) にはコメントとしてBibliographic detailsとDecision summaryというフィールドがあるのですが,辞書ファイルではBibliographic detailsは省略しDecision summaryのみを収録しています.従来と大きく違うのはAvibase IDが加えられていることで,これによって迅速にAvibaseで該当種を検索することができます.

AviList v2025とIOC List v15.2との差異をチェックしながら編集作業を進めたのですが,すぐに気がついたことは,IOC Listでは亜種を種に格上げして主を分割することが積極的に行われてきたことに対して,AviListは保守的でIOC Listが種に格上げしたものを亜種に戻したケースが散見されました.これはTaxCommという委員会で議論し投票するというプロセスを経て決められていったようです.

典型的なものはアメリカコガモです.IOC List v15.2ではAnas carolinensis, Green-winged Teal, "Gmelin, JF, 1789"と独立種だったものが,AviListではAnas crecca carolinensisと亜種に引き戻されています.AviListのWeb siteではこのケースをCornell Labの写真付きで説明しています.ちなみに日本鳥類目録改訂第8版では亜種として収録されています.ところが日本鳥類目録で種として収録されたばかりのChloris kittlitzi, Bonin Greenfinch, オガサワラカワラヒワ, "(Seebohm, 1890)"はAviListではChloris sinica kittlitziと亜種に格下げされています.これはちょっと残念ですね.AviListのCore teamに日本人の名前はありませんので,今後は日本の鳥類学者の参画や意見の提出があるといいなと思います.

AviListのワークシートは分類クラスごとにセルの背景色が付けられているのですが,この色がちょっとどぎついと感じたので,私なりに淡色系に変更しています.非常に大きなワークシートなので,目的の種を探すにはスクロールしたりせずに検索メニューから入るのが良いと思います.

ダウンロードするにはここから入ってください.このブログ右側のカラムArchiveにもAviListという項目を追加しておきます.

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2026/05/01

IOC List final v15.2 released

IOC World Bird List v15.2 が予定よりも半年以上遅れてリリースされました.本来は2025年7月頃にリリースされるはずだったものが,2026年4月末になって,しかもひっそりとリリースされたのです.

それにはわけがあります.もともと7, 8年前から世界に数種類ある鳥類のチェックリストの大統一の議論が進められていて,それが昨年6月頃に初めて形を成して AviList v2025としてリリースされたのです.IOC Listは統一チェックリストの中核を担っていますので,役割を終えてAviListに移行することになったのです.乱立?していたチェックリストが統一されたので,今後はAviListが事実上唯一の権威あるチェックリストとして機能していくと思われます.

この統一作業のためIOC Listの編集者たちは大部分の時間と労力をAviListのほうに注がざるを得ず,そのためIOC Listの改訂は遅れに遅れて,最終版はマスターリストのみがひっそりとアップロードされたというわけです.従来リリースされていた種や英名や分類体系の変更点リストは今回はリリースされていません.

このような環境変化に合わせて,Refsortの辞書ファイルの元となるデータベースをIOC ListからAviListに切り替えるつもりです.従ってIOC Listベースの辞書ファイルは今回リリースするものが最後となります.今後はAviListをベースにした辞書ファイルの作成を進めていくつもりです.

今回収録されたのはが 44,が 251,が 2,389,が 11,227(うち絶滅種が 163),亜種が 19,797 です.

日本のバーダー向けに重要と思われる変更点を書こうと思ったのですが,今回は上記のように変更点リストがリリースされなかったので,変化を網羅的に拾うことができませんでした.目立ったものとしてはクイナ類の属レベルの異動が多かったという印象です.例えばヤンバルクイナHypotaenidia属からGallirallus属へ異動されています.これはAviList統一作業の中で生じた変化です.


IOC 本家の Master List (学名と英名を収録した Excel ファイル)を編集して,Refsort/Ruby 用の辞書ファイル(拡張子が .ref のテキストファイル)を作りましたので, Microsoft One Drive 上に設けた “IOC List Archive” にアップロードしました.エンコーディングは UTF-8US-ASCII の 2 種類です.正版は UTF-8 版で US-ASCII 版は簡易版ですが,詳細についてはユーザーズガイドをご覧ください.

このオリジナル版の辞書ファイルと併せて,全ての掲載種に和名を付与した辞書ファイル 2 種と, IOC Master List の和名追加版( Excel ファイル)も同時にリリースしました.これら和名追加辞書についても,UTF-8 でエンコードしてあるものが正版ですが,Windows などでの使い勝手を考慮して Windows-31J でエンコードしたものも同時にアップしてあります.詳細についてはユーザーズガイドをご覧ください.

単に種名を調べるためだけであれば,和名追加版の Master List( Excel ファイル)が最も便利です.ただし長大なワークシートなので,目的の名前をスクロールして探すのは非効率です.検索メニューからジャンプするのが良いでしょう.


これらのファイルは前述のとおり,Microsoft One Drive 上に設けた IOC List 専用のフォルダからダウンロードできます.それには,このブログ右側のコラムの最上段の Archive の中の IOC List Archive をクリックしてください.そうすると One Drive のフォルダに入ることができますので,あとは適当に選んでダウンロードしてください.


I am pleased to announce that I have posted reference files for Refsort/Ruby compiled directly from the latest and final IOC World Bird List v15.2. It contains 44 Orders, 251 Families, 2,389 Genera, 11,227 species including 163 extinct ones, and 19,797 subspecies, respectively. Please try it out, and enjoy its capability and speed.

Note that the reference file "ioclist_v152u.ref" is encoded in UTF-8 in order to retain all European accents and umlauts with complete fidelity as they are in the IOC Master List.

For those who want to use Refsort/Ruby in universal ASCII environments, I have posted another reference file "ioclist_v152a.ref" encoded in pure US-ASCII. Note that characters with accents and umlauts have been simplified to their nearest neighbors. So please be careful in particular when you refer to authorities of species.

I have also posted two different reference files "ioclist_v152ju.ref" and "ioclist_v152jw.ref" (encoded in UTF-8 and Windows-31J, respectively) which include Japanese names for all species. If you want to know Japanese names, please refer to those files.

In order to sort a list properly using these reference files, you need to align the encoding of the input file to that of the reference file, and you should add a magic comment specifying the encoding in the first line of these files, such as

#!E -*- coding: UTF-8 -*-

or, add an option "-E UTF-8" into your commandline.

You can skip this process if your iput file is encoded in the default encoding of your platform, e.g., US-ASCII or Windows-31J for Windows, UTF-8 for macOS or Linux.

A master list in Excel format containing a column of Japanese names has been posted as well. This would be most convenient for quick reference.

You can download appropriate files from my area of Microsoft One Drive by clicking “IOC List Archive”. Enjoy, and bon appétit.

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2025/08/08

GPT-5 を試してみた

ChatGPT-5 がリリースされたと大々的に報道されています.博士号取得者レベルの知能を持っているという触れ込みです.本当かなぁ?疑い深い私は早速試してみました.

まず Google のアカウントでログインし,質問を投げます.

夏季の日本周辺での対流圏界面の高度はどれくらいでしょうか?

GPT-5 が考え始めました.しかしなかなか答えが出て来ません.5分くらい経ってようやく,

Something went wrong while generating the response. If this issue persists please contact us through our help center at help.openai.com.

なーんだ,ダメじゃん.あまりに大々的にリリースしたので世界中からアクセスが殺到し,サーバーが追い付かないだけかもしれませんが,それならそうと回答するのが「博士号取得者レベル」でしょう.

しかたがないので再試行してみると,今度はわずか 2 秒程度で次のように回答が来ました.


夏季における日本周辺の対流圏界面(対流圏と成層圏の境界)の高度は、一般的に以下のようになります:

  • 日本周辺の対流圏界面の高度(夏季)
    • 高度:約13〜17 km
    • 平均値:約15〜16 km程度
  • 詳細補足
    • 緯度依存性:
      • 赤道付近では18〜20 kmまで上昇します。
      • 極域では8〜10 km程度と低くなります。
      • 日本は**中緯度(北緯30〜45度)**に位置するため、その中間の高度となります。
    • 季節依存性:
      • 夏季には太陽高度が高くなり、対流活動が活発になるため、対流圏界面の高度も上がります。
      • 冬季は対照的に低くなり、12〜14 km程度に下がることもあります。
    • 気象条件によって変動あり:
      • 台風や積乱雲の発達など、局地的な要因で一時的に上昇・下降することもあります。

もし具体的な地点(例:沖縄、東京、北海道)や、高層気象データの利用希望があれば、それに応じてもっと正確な情報もお伝えできます。


うーむ,これはなかなか良いですね.日本語も非常にしっかりしています.

 それでは次の質問.

国際標準大気での対流圏界面をジオポテンシャル高度で教えてください.

1秒程度で回答が来て,


国際標準大気(International Standard Atmosphere, ISA)における 対流圏界面(tropopause) は、以下のように定義されています。

  • 国際標準大気での対流圏界面(トロポポーズ)
    • 高度(幾何高度):11 km
    • ジオポテンシャル高度:約11.0 km

ジオポテンシャル高度とは?

ジオポテンシャル高度(geopotential height)は、重力の変化を考慮して定義された高度で、気象学などでは実際の幾何高度の代わりによく使われます。

ジオポテンシャル高度 Z は、以下の式で近似されます:

ただし、ISAでは地表からの高度が比較的小さい(〜11 km程度)ため、地球の重力加速度を一定と見なせるため、幾何高度 ≒ ジオポテンシャル高度とされます。


結論

ISAにおける対流圏界面のジオポテンシャル高度:11.0 km(正確には 11,000 m)

必要であれば、さらにこの高度での温度・気圧などの標準値も提供できます。


うーむ,いろいろ間違っています.国際標準大気では対流圏界面はジオポテンシャル高度で 11,000 m と定義されているので,幾何高度に直すと 11,019 m になります.

次に,ジオポテンシャル高度の定義式が間違っています.人間ならば,g0 / g > 1 はすぐにわかるので,ジオポテンシャル高度が幾何高度よりも大きいというのはおかしい,と気づくはずなのですが,GPT-5 でもそのような咄嗟の推論はできないようです.

GPT-5 は幾何高度 Z とジオポテンシャル高度 h を取り違えて覚えているようですね.

もっといろいろ試してみようと思っています.

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2025/03/12

IOC List v15.1 Released

IOC World Bird List v15.1 が予定よりもだいぶ遅れてリリースされました.これは 2025 年 1 回目のリリースです.遅れてとはいうものの,前回 2024 年 8 月 27 日のリリースからちょうど 6 か月経ってからのリリースなので,リリース間隔としては通常通りです.移行完了日は 3 月 9 日とされているのですが,Master List が公開されたのは 2 月 28 日だったので,私としてはその日をリリースの日としたいと思います.

今回収録されたのはが 44,が 256,が 2,396,が 11,250(うち絶滅種が 164),亜種が 19,774 です.

今回は過去に独立種とされた種が亜種に格下げされる例が多く,そのために種の数が減少し,代わりに亜種の数が増加しています.また属や科の中でのシーケンス(掲載順序)が大幅に変更されたものがありますが,これはリストを見て確認してもらうしかありませんので,ここでの説明は省略します.

日本のバーダー向けに重要と思われる変更点を書こうと思ったのですが,今回は特に記すべきことはありません.英名はそれなりの数の変更がありましたので,興味のある方は Updates の English names を見ておくとよいと思います.


IOC 本家の Master List (学名と英名を収録した Excel ファイル)を編集して,Refsort/Ruby 用の辞書ファイル(拡張子が .ref のテキストファイル)を作りましたので, Microsoft One Drive 上に設けた “IOC List Archive” にアップロードしました.エンコーディングは UTF-8US-ASCII の 2 種類です.正版は UTF-8 版で US-ASCII 版は簡易版ですが,詳細についてはユーザーズガイドをご覧ください.


このオリジナル版の辞書ファイルと併せて,全ての掲載種に和名を付与した辞書ファイル 2 種と, IOC Master List の和名追加版( Excel ファイル)も同時にリリースしました.これら和名追加辞書についても,UTF-8 でエンコードしてあるものが正版ですが,Windows などでの使い勝手を考慮して Windows-31J でエンコードしたものも同時にアップしてあります.詳細についてはユーザーズガイドをご覧ください.

単に種名を調べるためだけであれば,和名追加版の Master List( Excel ファイル)が最も便利です.ただし長大なワークシートなので,目的の名前をスクロールして探すのは非効率です.検索メニューからジャンプするのが良いでしょう.


これらのファイルは前述のとおり,Microsoft One Drive 上に設けた IOC List 専用のフォルダからダウンロードできます.それには,このブログ右側のコラムの最上段の Archive の中の IOC List Archive をクリックしてください.そうすると One Drive のフォルダに入ることができますので,あとは適当に選んでダウンロードしてください.


I am pleased to announce that I have posted reference files for Refsort/Ruby compiled directly from the latest IOC World Bird List v15.1. It contains 44 Orders, 256 Families, 2,396 Genera, 11,250 species including 164 extinct ones, and 19,774 subspecies, respectively. Please try it out, and enjoy its capability and speed.

Note that the reference file "ioclist_v151u.ref" is encoded in UTF-8 in order to retain all European accents and umlauts with complete fidelity as they are in the IOC Master List.

For those who want to use Refsort/Ruby in universal ASCII environments, I have posted another reference file "ioclist_v151a.ref" encoded in pure US-ASCII. Note that characters with accents and umlauts have been simplified to their nearest neighbors. So please be careful in particular when you refer to authorities of species.

I have also posted two different reference files "ioclist_v151ju.ref" and "ioclist_v151jw.ref" (encoded in UTF-8 and Windows-31J, respectively) which include Japanese names for all species. If you want to know Japanese names, please refer to those files.

In order to sort a list properly using these reference files, you need to align the encoding of the input file to that of the reference file, and you should add a magic comment specifying the encoding in the first line of these files, such as

#!E -*- coding: UTF-8 -*-

or, add an option "-E UTF-8" into your commandline.

You can skip this process if your iput file is encoded in the default encoding of your platform, e.g., US-ASCII or Windows-31J for Windows, UTF-8 for macOS or Linux.

A master list in Excel format containing a column of Japanese names has been posted as well. This would be most convenient for quick reference.

You can download appropriate files from my area of Microsoft One Drive by clicking “IOC List Archive”. Enjoy, and bon appétit.

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2024/10/13

日本鳥類目録第8版に準拠したRefsort/Ruby用辞書ファイル

日本鳥学会による権威あるチェックリストで,日本で確認された野鳥を体系的に網羅した「日本鳥類目録」の改訂第 8 版がようやく出版されました.前回の改訂が 2012 年のことだったので,実に 12 年ぶりの改訂です.本来は 2022 年の出版をめざしていたようですが,COVID-19 にぶち当たって作業が停滞してしまったようです.また今回は事前に広くパブリックコメントを募集し,その内容を反映させることも行ったので,余計に時間がかかったのだと思います.

ところが出版されたのは何と印刷製本された紙の本だけ.一体 Excel のワークシートや XML 版のデータベースはどうしたのでしょう?世界のチェックリストはとうの昔に電子データのみの提供に移っているのに.これでは使い勝手が悪くて実用に供されないのではと心配になります.ひょっとすると,まず印刷製本されたものを売って費用を回収してから電子データを提供するつもりかもしれません.

ただし印刷版を見て驚きました.常識的な組版規則が守られていないからです.項目がページ最下行から始まっている箇所が多数.これを出版関係者が見たらかなり首をかしげるはずです.しかし関係者が費やした時間と苦労は大変なものだったものと想像されるので,苦言はここまで.

日本鳥類目録が新しくなったので,Refsort/Ruby用の辞書も新しくしなければなりません.というわけで,昨年リリースされたドラフト版の電子データを使って試作品は作ってあったのですが,今回の正式版リリース後に修正作業を始め,ようやく完成したところです.

今回のチェックリストには,25 の目,91 の科,299 の属,681 の種,439 の亜種が収録されています.これらを忠実に反映させ,さらに目録に記載されている通し番号と,目録中のページ番号もデータフィールドに加えました.またIOC List との大きな差異がある場合はコメントを追記しました.

ちょっと気になったのは命名者表記です.命名者に同姓の人物がいる場合はイニシャルを追加して区別できるようにするのが普通なのですが,イニシャルが付いている命名者は皆無でした.従って,Charadrius placidus イカルチドリの命名者は IOC List だと Gray, JE & Gray, GR, 1863 なのですが,日本鳥類目録では Gray & Gray, 1863 とだけ書かれています.JE Gray とは John Edward Gray というイギリスの動物学者.GR Gray はその弟の鳥類学者 George Robert Gray です.博物学者には兄弟や親子の例が多いので区別は必要なはず. ご多分に漏れず彼らの父親 Samuel Frederick Gray は植物学者でした.


辞書ファイルのエンコーディングは UTF-8 と Windows-31J (SJIS) で,前者が正版,後者は簡略版です.理由は後者では命名者表記に含まれるウムラウトやアクセントを最も近い文字に簡略化しているからです.またこの改訂に合わせてユーザーズガイドも改訂しました.これらのファイルは Microsoft One Drive 上に設けた専用フォルダからダウンロードできます.それには,このブログ右側のコラムの最上段の Archive の中の Japan Bird List Archive をクリックしてください.そうすると One Drive のフォルダに入ることができますので,あとは適当に選んでダウンロードしてください.

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2024/10/05

Windows11 24H2 にアップデート

10 月 1 日から一般向けにも配布が始まった Windows11 24H2 が私のマシンにはなかなかやって来ません.まあこれは当たり前で,普通は 1, 2 週間ほど待っているうちに勝手にダウンロードされていて,ある日突然「再起動してアップデートしろ」と表示が出てから気が付くのですが,今回はちょっと試してみたいことがあって早めにアップデートしたかったのです.

しかたがないのでアップデートのサイトに出向いて手動でアップデートをかけます.マシン環境の中に新しいバージョンと不整合なものがあると自動的に検出されてアップデートされないと聞いていたので,安全ベルトはかかっているはず.まずはダメ元でやってみました.

結果的には 1 時間ほどでダウンロードとインストールが終わり,何事も無かったかのように元のままの画面が現れました.しかしアップデートされたツール類はもちろん新しくなっています.またいくつかの古いツールは削除されたはず.期待していた機能はどうも私の環境では使えなさそうだったことがわかって落胆.

Win11_24h2_sys

また Windows Subsystem for Linux としてインストールしてあった Ubuntu 24.04.1 のファイルシステムが Explorer に現れないというトラブルが発生.WSL kernel の最新版をインストールしてみたら復活して一件落着.

ピカピカの新品になったはずなので,これで次の半年間はなんとか生活できそうです.

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2024/08/27

IOC List v14.2 Released

IOC World Bird List v14.2 が予定よりもだいぶ遅れてリリースされました.これは 2024 年 2 回目のリリースです.

前回 2023 年 12 月末(公称 2024 年第 1 回)のリリースから 8 か月もかかっていますので,6 か月周期でのリリースが原則のはずの IOC List にとっては非常に変則的です.編集長やスタッフの予定がうまく取れなかったのでしょうか.何しろ全員ボランティアですから.ただし正式なリリース日が判然としないのは前回と同様です.これ困るんですけど.私としては 8 月 27 日をリリースの日と見なしたいと思います.

今回収録されたのはが 44,が 254,が 2,392,が 11,276(うち絶滅種が 163),亜種が 19,756 です.

今回は属レベルの異動が大変多く,Refsort の辞書ファイルの編集には大変時間がかかりました.しかも過去の分類に戻すような修正も目立ちました.例によって日本のバーダー向けに重要と思われる変更点を書いておきます.

  1. Ixobrychus ヨシゴイ属が廃止され Botaurus サンカノゴイ属に併合されました.その結果従来ヨシゴイ属だったすべての種の属名が変更されました.これは非常に大きな変更です.変更内容をそのまま引用すると,mtDNA and UCE genetic studies reveal that Ixobrychus is not monophyletc but is rather paraphyletic relative to Botaurus (Päckert et al. 2014; Hruska et al. 2023). Merge Ixobrychus into Botaurus (Chesser et al. 2024). 日本のバーダーにとって影響がありそうなのは,B. flavicollis タカサゴクロサギ,B. f. flavicollis 亜種タカサゴクロサギ,B. cinnamomeus リュウキュウヨシゴイ,B. sinensis ヨシゴイだと思われます.
  2. Bubulcus アマサギ属が廃止され,Bubulcus ibis Western Cattle Egret ニシアマサギと Bubulcus coromandus Eastern Cattle Egret アマサギは Ardea アオサギ属に異動し,A. ibisA. coromanda となりました.後者の種小名の語尾が性によって変化していることに注意.これも大きな変更です.コメントを引用すると,Phylogenetic analysis based on UCE elements reveals that Bubulcus is embedded in Ardea (Hruska et al. 2023).
  3. タカ類でも大きな変更が行われました.そのまま引用すると,Tachyspiza Kaup 1844 is resurrected as a genus to resolve the non-monophyly in the genus Accipiter demonstrated in phylogenetic analyzes (Lerner & Mindell 2005; Mindell et al. 2018) following Catanach et al. (2024). つまり Accipiter ハイタカ属の中の単系統群でないと考えられるものを Tachyspiza に移したということのようです.日本のバーダーに関係しそうなものは T. badia タカサゴダカ,T. soloensis アカハラダカ,T. gularis ツミ,T. g. gularis 亜種ツミ,T. g. iwasakii 亜種リュウキュウツミくらいでしょうか.
  4. さらに同じ理由で Astur Lacépède, 1799 is resurrected as a genus to resolve the non-monophyly in the genus Accipiter demonstrated in phylogenetic analyzes (Lerner & Mindell 2005; Mindell et al. 2018) following Sangster et al. (2012); Catanach et al. (2024), ということで,Accipiter ハイタカ属から Astur 属に異動した種のうち,日本に関係するのは A. gentilis オオタカと A. gentilis fujiyamae 亜種オオタカです.
  5. Upupa epops ヤツガシラの亜種 U. e. saturata が基亜種から分離されました.,日本で見られるヤツガシラはおそらくこれなのですが,日本鳥類目録には基亜種 U. e. epops が亜種ヤツガシラとして掲載されていますので,近い将来に調整が必要と思われます.
  6. Nucifraga caryocatactes Spotted Nutcracker ホシガラスが分割されて N. hemispila Southern Nutcracker という種が作られた関係で,ホシガラスの英名が Northern Nutcracker に変更されました.
  7. シジュウカラ類の分類が変更されました.従来は Parus cinereus (Cinereous Tit) と Parus minor (Japanese Tit) が Parus major から切り出されて独立種として扱われてきたのですが,最近の研究で Parus major という複合群は,東アジアの P. cinereus (cinereus + minor) と,旧北区の残りの地域の P. major (major + bokharensis) の 2 種から成るよう解釈すべきとされたようです.この結果日本で見られるシジュウカラは種としては P. cinereus,亜種としては P. c. minor ということになります.これに伴い,亜種アマミシジュウカラ,亜種オキナワシジュウカラ,亜種イシガキシジュウカラもそれぞれ P. c. amamiensisP. c. okinawaeP. c. nigriloris となります.さらに従来 P. cinereus に(私が勝手に)与えていた和名のハイイロシジュウカラは削除することになります.
  8. Cecropis daurica Red-rumped Swallow コシアカツバメが分割されて C. rufula European Red-rumped Swallow という種が作られた関係で,コシアカツバメの英名が Eastern Red-rumped Swallow に変更されました.
  9. 従来タヒバリは Anthus rubescens Buff-bellied Pipit として扱われてきましたが,今回種が分割されて,従来A. r. japonicus 亜種タヒバリとされきたものが種に昇格して A. japonicus Siberian Pipit となりました.つまりこれが日本で見られるタヒバリです.分割された残りの A. rubescens の英名は American Pipit に変更されました.
  10. Chloris sinica カワラヒワ の英名が Grey-capped Greenfinch から Oriental Greenfinch に変更されました.
  11. これまで Acanthis flammea Redpoll ベニヒワの分類は十分に確立されたものではなかったのですが,今回は従来独立種としていた A. cabaretA. hornemanniflammea の亜種に格下げしました.その結果 flammea には 5 亜種がぶら下がることになりました.
  12. (参考)日本のバーダーには関係ありませんが特筆すべきイベントなので書いておきます.これまで Turdus poliocephalus Island Thrush と一括りに扱われていた種複合群が今回 17 種に分割されました.しかもこの分割はまだ保守的なレベルであって,今後さらに細分化されていくだろうとのことです.それらのうち Turdus mindorensis Mindoro Island Thrush が最も基盤となる種だそうです.

2024 年 9 月に日本鳥学会の日本鳥類目録改訂第 8 版のリリースが予定されていますが,今回の IOC List の変更を取り込むのは無理だと思われるので,しばらくは属名のくい違いで悩む人が出て来そうです.


IOC 本家の Master List (学名と英名を収録した Excel ファイル)を編集して,Refsort/Ruby 用の辞書ファイル(拡張子が .ref のテキストファイル)を作りましたので, Microsoft One Drive 上に設けた “IOC List Archive” にアップロードしました.エンコーディングは UTF-8US-ASCII の 2 種類です.正版は UTF-8 版で US-ASCII 版は簡易版ですが,詳細についてはユーザーズガイドをご覧ください.


このオリジナル版の辞書ファイルと併せて,全ての掲載種に和名を付与した辞書ファイル 2 種と, IOC Master List の和名追加版( Excel ファイル)も同時にリリースしました.これら和名追加辞書についても,UTF-8 でエンコードしてあるものが正版ですが,Windows などでの使い勝手を考慮して Windows-31J でエンコードしたものも同時にアップしてあります.詳細についてはユーザーズガイドをご覧ください.

単に種名を調べるためだけであれば,和名追加版の Master List( Excel ファイル)が最も便利です.ただし長大なワークシートなので,目的の名前をスクロールして探すのは非効率です.検索メニューからジャンプするのが良いでしょう.


これらのファイルは前述のとおり,Microsoft One Drive 上に設けた IOC List 専用のフォルダからダウンロードできます.それには,このブログ右側のコラムの最上段の Archive の中の IOC List Archive をクリックしてください.そうすると One Drive のフォルダに入ることができますので,あとは適当に選んでダウンロードしてください.


I am pleased to announce that I have posted reference files for Refsort/Ruby compiled directly from the latest IOC World Bird List v14.2. It contains 44 Orders, 254 Families, 2,392 Genera, 11,276 species including 163 extinct ones, and 19,756 subspecies, respectively. Please try it out, and enjoy its capability and speed.

Note that the reference file "ioclist_v142u.ref" is encoded in UTF-8 in order to retain all European accents and umlauts with complete fidelity as they are in the IOC Master List.

For those who want to use Refsort/Ruby in universal ASCII environments, I have posted another reference file "ioclist_v142a.ref" encoded in pure US-ASCII. Note that characters with accents and umlauts have been simplified to their nearest neighbors. So please be careful in particular when you refer to authorities of species.

I have also posted two different reference files "ioclist_v142ju.ref" and "ioclist_v142jw.ref" (encoded in UTF-8 and Windows-31J, respectively) which include Japanese names for all species. If you want to know Japanese names, please refer to those files.

In order to sort a list properly using these reference files, you need to align the encoding of the input file to that of the reference file, and you should add a magic comment specifying the encoding in the first line of these files, such as

#!E -*- coding: UTF-8 -*-

or, add an option "-E UTF-8" into your commandline.

You can skip this process if your iput file is encoded in the default encoding of your platform, e.g., US-ASCII or Windows-31J for Windows, UTF-8 for macOS or Linux.

A master list in Excel format containing a column of Japanese names has been posted as well. This would be most convenient for quick reference.

You can download appropriate files from my area of Microsoft One Drive by clicking “IOC List Archive”. Enjoy, and bon appétit.

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2024/07/25

Ruby を自力ビルドしてみた

もう一週間ほども続く熱波で,仕事に出かける日以外は家の中に閉じこもっています.本当はこれを引きこもりと言うのだと思いますが,どこにも出かける気がしないので,写真が撮れず,ブログの更新もままなりません.

いきおい PC の前に座り込んで一日中何かしていることになるのですが,このところちょっと気になっていることがあり,それに対処してみました.それはRuby というプログラミング言語の更新についてです. Ruby はもう 10 年以上親しんでいる言語で,楽しくプログラミングができるので重宝してきました.Linux でも Windows でも使えるのですが,本家開発チームが Ruby 本体を更新するたびに,Windows であれば有志の開発者が速やかに Windows 版をアップロードする体制が整っています.

Linux 版はやや複雑で,リポジトリが更新されるか否かはディストリビューションごとにバラバラです.私が愛用している Ubuntu では最新版への追随性は良くなく, Ruby の最新版が 3.3.4 であるのに対して, 3.2 が最新版として登録されています.Linux には Snap というリポジトリもあり,こちらは今年前半までは良く追随してくれていたのですが,現在更新は 3.3.2 で止まっています.

さらに気になるのは Ruby の公式の Web サイトです.英語サイトには常に最新情報がアップされ,セキュリティリスクに対する警告などもタイムリーに掲載されるのです,日本語サイトは現在更新が止まっており,Ruby本体の更新が行われたことすら掲載されていません.

Linux 上ではソースから自力でビルドすることも可能で,これが一つの標準的な方法でもあるので,今回は Windows11 の WSL2 上でビルドしてみました.これは本質的には Ubuntu そのものなのですが,カーネルには Microsoft の手が入っており,つい最近 3 年ぶりにようやく 5.5 系列から 6.6 系列に更新されたばかりです.ちなみに Ubuntu 本家のカーネルは 6.8 系列です.

Built_rubysnapshot

ビルドそのものは大変順調で,コンパイル速度も生の Ubuntu と変わりません.ビルド後にテストスイートも走らせましたが,エラー無く終了.安心してインストールしました.いくつか自作のスクリプトを走らせてみましたが,全く問題ありません.

これまで Linux では Snap 版の Ruby を使ってきたのですが,今後も更新が期待できないのであれば自力ビルドに切り替えようと思います.

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